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『どうする家康』感想あらすじレビュー第29回「伊賀を越えろ!」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第29回「伊賀を越えろ!」
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どうするお国言葉指導すらない脚本

「うまいことやれたんや!」

「わしを誰やと思っとるんや!」

死の間際、なぜ明智光秀は突然、関西弁になったのでしょう?

しかもこのドラマの関西弁は、テレビ向けのおかしな言葉遣いで不自然です。

明智光秀が訛るとすれば、どこの言葉になるか?といえば、現在の岐阜県でしょう。『麒麟がくる』を見ていれば、光秀が訛るにせよこうならないとはわかる。

光秀役の方は、『麒麟がくる』は見ていないとインタビューで語っていました。明智光秀のことも調べていないと。そうでしょうね、見ているなり、調べていたら、気づいたことでしょうから。

史実に基づく役作りをするのではなく、ともかくゲスであればいいと演じる側も、演じさせる側も振り切っていたのでしょう。

NHKのドラマはお国言葉指導が入ります。

朝ドラ『らんまん』は、主人公の出身地である高知だけでなく、薩摩ことばもフル回転で指導されています。

東京で巡査に道を聞いたら、薩摩ことばが返ってくる場面もあって、さすがだなぁと思いました。

警視庁ができたばかりの明治初期は、初代大警視・川路利良のスカウトにより、薩摩出身の警察官が多かったのです。そこまで反映しているのです。

薩摩ことばは近年の大河でもおかしかったのに、朝ドラは素晴らしい。

セリフだけ読めば標準語なのに、イントネーションが薩摩ことばとか、薩摩訛りの英語とか、今期の朝ドラは気合が違う!

それに比べて大河と来たら……。

本作脚本家は映画『レジェンド&バタフライ』でも妙でした。

例年の大河ならば脚本段階で修正が入りそうな歴史考証でも、そのまま放置されています。一例がイチジク。今回も出てきましたが、伝来前です。

『鎌倉殿の13人』では、当時の日本に存在しない野菜が出てきたために台詞を修正したと三谷幸喜さんが振り返っていました。

今年は、そうした最低限のミスすら直さない。

時間がないのか、別の理由があるのか。一体現場はどんな状況なのでしょう。

BGMといい、調子のはずれたナレーションといい、この訛りといい。どこまでも耳に悪いドラマです。

 


どうする落武者狩り

本当に史上最低の明智光秀でした。

農民に刺されて死ぬとかダッサwww それだとつまんねーから家康のせいってことにしとこwww

そんな風にでも考えたのかもしれませんが、このドラマは登場人物がスマホで連絡を取り合っているとしか思えません。

伊賀越えでも生死がかかるほど苦労するのに、指示をホイホイだせるわけがないでしょう。

このドラマは、ヤンキー漫画と都内詐欺師の行動範囲で作っているので、落武者狩りについても甘く見ているのではありませんか。

「たかが移動するくらいでそんなにピンチになるとかおかしくねwww つえー忍者出すしかねえしwww」

「明智光秀って農民の殺されるとかバカwww 『麒麟がくる』ってホント大嘘ばっかりだよなww あんなの演じていたのがイケメンってだけじゃねww」

そんな冷笑気取りと逆張りだけで描かれたように思えてきます。

 


どうする『真田丸』ファン

本作は、大河というより民放感覚なのでしょう。

民放時代劇はNHKへの対抗意識を燃やしていた。その矛先は、これまでは『おんな城主直虎』と『麒麟がくる』でした。

今後は『真田丸』になります。

前述の通り、このドラマは「あの『真田丸』より過酷な伊賀越え!」という触れ込みをスポーツ紙に持ち込んでいたようですからね。

今後ずっと「あの『真田丸』を超えた!」と最終回までやられる悪寒がしてならず、近いうちにこんな提灯記事も出ることでしょう。

「あの『真田丸』の秀頼を超えた!? ****が演じるイケメン豊臣秀頼に“今度こそ徳川に勝てる”とネット大歓喜!」

『真田丸』の秀頼をうっかり踏んづけてしまえば、『鎌倉殿の13人』を愛する全国の武衛もキレるかもしれませんね。

なんせ『真田丸』の秀頼は、畠山重忠を好演した中川大志さんです。

今年の大河を語るうえで、他の大河を持ち出すべきではないという意見はよく見かけます。

しかし、ネットニュースではあえて過去作品を超えるという触れ込みを出してくる。

公式すら連想させるようなことを言っています。

そもそも同じ枠ならば比較は当然のことでしょう。

『どうする家康』は放送年が近いせいか『麒麟がくる』『おんな城主 直虎』『鎌倉殿の13人』と比べられてきましたが、その認識を改めねばなりませんね。

出来としては『江』や『天地人』、時代が違うけれど『花燃ゆ』と『西郷どん』あたり。

最低視聴率では『いだてん』と比較される。ある意味“特別な大河枠”に入っていますね。

 

どうするネットニュース

国民的番組である大河ドラマ。

その出来や中身がどうであろうと、褒めるニュースが出てくるのは、メディアの売上面から考えて自然なことです。

しかし、視聴率も低迷していて、内容がつまらないとなると、書く方も苦しく、定番の逃げ道へとシフトします。

それが「ドラマ通ならわかる!」というスタンスですね。

◆【どうする家康】切なすぎる永遠の別れ、家康が信長を討てなかった理由とは(→link

◆『どうする家康』「本能寺の変」で描かれた“信長”岡田准一と“家康”松本潤の濃密な絆(→link

よくもまぁ掘り起こせるもんだなぁ……とばかりに褒められたものですが、そんな無理くりな説明が必要なほどにわかりづらいドラマは、良いドラマと言えるのか。

以下のPRtimes記事は筆者名に注目です。

◆松本潤主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」のノベライズ第3弾! 『どうする家康 三』が7月25日発売(→link

ノベライズ筆者と一致します。この方は磯Pが手がけた『なつぞら』のノベライズも担当し、『どうする家康』脚本家のインタビューも手がけています。

皆まで申しませんが、公共放送の関連書籍としてあるべき姿なのですかね。

 


どうする公共放送

NHKは公共放送です。

今年の大河は、その建前すら危うくしている。

例えば、私は“ひらパー”の広告が大好きです。シャレが効いていて、さすが大阪だと唸ってしまう。

しかし、NHK大河ドラマでこういうことをするのは、タガが外れているとしか思えません。

◆岡田准一の「どうする家康」告知動画、ひらパー反応「呼んだ?」(→link

といっても、これならまだマシかも。

民放ドラマにすら縋る宣伝戦略には呆れるばかりです。

◆【どうする家康】家康が伊賀の忍者に襲われる NHK「99.9%脱出不可能」(→link

「99.9%」とは、TBS系列「日曜劇場」枠で放送された『99.9-刑事専門弁護士-』に乗っかっているのは明白ですね。

なりふり構わぬ体制ですが、一体なぜここまで必死なのか?

やはりジャニーズ主役で大ゴケするわけにはいかないということでしょうか。

今や同事務所のコンプライアンス体制は、日本や諸外国からも厳しい目を向けられています。

◆強大な事務所のタレント支配 ジャニー氏 性加害問題が問う「芸能界」(→link

◆スポーツ新聞記者を徹底的に抱き込んだジャニーズの「メディアコントロール」戦略(→link

公共放送であるNHKは?

皆さんも感じることがあれば、以下のリンクからNHKへ意見を送ることができます。

◆NHK みなさまの声(→link

神君伊賀越え
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文:武者震之助note

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【参考】
どうする家康/公式サイト

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