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【『どうする家康』感想あらすじレビュー第29回「伊賀を越えろ!」】
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どうする所作
女大鼠は、結局、時代劇における忍者としての所作が身に付いていませんね。
座っているだけで辛そうなのが見ていて痛々しい。
まぁ、他のキャストも立って座ることすらろくにしておらず、ぼーっと突っ立ったまま、進路相談するあたり、文化祭の演劇を思わせますし……。
徳川家臣団と忍者たちは、遮蔽物のないところで、命がけの進路選択を堂々と声に出して語るんじゃないよ。
しかも全部“説明セリフ”ですからね。
『真田丸』は、ちゃんと地図を用意して、どういうルートがまずいのか説明があります。
例えば、海路は速いけれども海賊にあったら逃げられないなど、メリットとデメリットの提示があった。今年はスマホで各人Googleマップを参照できそうなくらいお気軽ですね。
本作は、そういうことを何も考えてなく、役者の演技力に頼っていて内容がとにかく薄っぺらい。
汚い食べ方だけは嫌なリアリティがありますね。見ているほうは苦行としか言いようがありません。
どうする死亡フラグ
女大鼠があの妙ちくりんな髪型で「これから死にまーす」みたいなことを言うのが、もう恥ずかしくて目を覆いたくなる。
「命がけの危険な任務だ」ということではない。
これから死にます、見どころです――そう語りかけてくるあからさまな態度が見ていられないのです。
もしも、その通り女大鼠が散っていればまだよかった。
結果、それすらない! 何もかもが期待外れだ。
どうするエロ要員
本作の予算はどこに消えたのでしょう。
甲賀にいた、昭和レトロセンスな女性エキストラに使われました?
家康生涯最大の危機とされる伊賀越えですら、甲賀・多羅尾のもとには白い二の腕をチラ見せさせる女どもがいる。
おにぎりと太鼓でキャバクラ接待誘惑ってさ……。
綺麗な姉ちゃんがうまいもんをサービスしてたら、そりゃ引っかかるでしょ♪……って?
そんなセリフが天下万民に通じると思わないでいただきたい。
今回の真のミッションは、伊賀越えではなく
「キャバクラが並んでいる通りを下心を抑えて突破しろ!」
という内容だったのでしょうか。
どうする伊賀と甲賀の因縁
伊賀と甲賀の因縁を、回想と説明セリフだけで言われても困ります。
みんなお約束だから知っていると甘えていますよね?
忍者すらまともに描けない本作。
しつこいようですが、ドヤ顔で女大鼠がクナイを構えるあたりリアリティに欠けて痛々しい。
ドヤ顔している間に飛び道具を使われたら終わりじゃないですか。
どうするスモーク
煙を出しときゃなんとかなる――そんな風にも見えてくる本作。
今回も、もうもうと煙が炊かれていましたが、映っちゃいけないものでもあるから、突然スモックのように霧が出てくるんですかね。
予算がないからって、いくらなんでも酷い。
どうする百地丹波
わざとらしい顔で登場した百地丹波。
この脚本家は、特定の人物だけ訛りを使わせるクセをどうにかして欲しい。
きちんと言葉の添削・指導が入ってないのではありませんか?
時間がないか、あるいは断固として脚本に赤字を入れさせないようにしているかもしれませんが、そのせいで間違った言葉遣いや訛りになるのは、見ていられません。
まるで、添削が甘い小説投稿サイトの作品を読んでいるようで、語彙力はお粗末だし、前述の通り、人名をつけるセンスすらない。
今年の大河がなぜここまで酷いか?
それはインプット量が少ないくせに、気取る点でしょう。
百地丹波は当時まだ青年のはずですが、出自が怪しい人物だからといって、フリー素材みたいな扱いにされてしまってますね。
いかにも昭和レトロな怪しげ忍者を出して、それがウケると思っているセンスに絶望です。
どうするまたも騙しの首
家康が売られたと思ったら違いました♩
と、三方原のネタを平気で使い回す。
このドラマは首に兜をつけることがお約束ですが、ちゃんとした生首を作れるスタッフがいないだけですよね。
今回なんて明智光秀は兜を脱いだ状態で首を打たれたのに、兜を被せる親切仕様。
生首ひとつまともに扱えないくせに、脚本家の露悪趣味のせいで首をお粗末に扱うパターンを繰り返すあたりがどうしようもありません。
こんなバカみたいな状態で、秀吉が「今まで一番ええ顔してるね」といったところで、愚かとしか言いようがありません。
一度や二度じゃない、死体の損壊や腐敗に対する認識もろくにないと思います。
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