それも「法」が無く、権力者の意向でどうとでもなるから、犠牲者は一人や二人じゃない――そんな理不尽で殺伐とした世界がこれでもか!と毎週繰り広げられている大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。
いったい何人の武人たちが殺されたのか?
どんな死に方だったのか?
本稿で、第1~38回放送までの「全退場者」をまとめました。
これが今思い返してもなんだか切なくて……第1回放送から振り返ってみましょう。
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第1回「大いなる小競り合い」→千鶴丸
死亡者:千鶴丸
死因:善児による溺死
伊豆の流人である源頼朝と、伊東祐親の娘である八重との間にできた子。
平家の追及をおそれた伊東祐親の命により、伊藤家の家人・善児が川遊びに誘い出し、そのまま殺害されました。
千鶴丸の着物を手にした善児を北条義時が目撃しており、これが後に響いてくることに。
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第2回「佐殿の腹」→河津祐泰
誰も死んでいないようで……。
死亡者:河津祐泰
死因:工藤祐経が放った刺客による殺害
公式サイトの第二回登場人物には名前があり、第三回では消えていますので、このあたりで亡くなっています。
第3回「挙兵は慎重に」→以仁王
死亡者:以仁王と源頼政
死因:敗死
後になって思えば、皇族ですら死ぬ時代の幕開けかもしれません。
以仁王や安徳天皇を思えば、後鳥羽院や順徳院は寛大な処置といえるでしょうか。
第4回「矢のゆくえ」→無し
山木兼隆と堤信遠を殺すとウキウキワクワク決めましたが、続きは次回へ。
第5回「兄との約束」→北条宗時
死亡者:山木兼隆、堤信遠、他
死因:襲撃による殺害
記念すべき義時の初殺人です。あの頃はまだ怯えがありました。
死亡者:北条宗時、工藤茂光
死因:善児による暗殺
だんだんと善児がノリに乗ってくる状態になってきました。
史実ではこの二人は討死にとされています。
劇中では描かれないものの、岡崎美実の子・佐奈田義忠も石橋山で討死しました。
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第6回「悪い知らせ」→三浦義明
死亡者:三浦義明と将兵(劇中では台詞処理)
死因:外孫・畠山重忠に攻め滅ぼされた
劇中では台詞処理で済まされた、三浦義明の死は有名です。
高齢の身で、孫の畠山重忠に攻められ、凄絶な討死を遂げたとされます。
畠山重忠と、義明の孫である和田義盛・三浦義村の因縁もこれがきっかけで生じました。
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第7回「敵かあるいは」→亀の夫(権三)
死亡者:長狭常伴、亀の夫・権三
死因:三浦義村による襲撃
頼朝と亀の前が密会。
そこへ長狭常伴は頼朝を討ちに、権三は妻を奪還しに来て、三浦義村に殺されました。
明確な死亡状況は無いですが、おそらく生きてはいないでしょう。
亀にしても「夫も討ちとって!」とホイホイ促す、お笑い要素のある演出で、なんとも酷い死に様でした。
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第8回「いざ、鎌倉」→通りすがりの武者
死亡者:通りすがりの坂東武者
死因:源義経による騙し討ち射殺
出てきたと思ったら、いきなり罪のない民を殺す義経。勝てば何でもアリという、汚い策略ありきの姿を見せつけました。
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第9回「決戦前夜」→江間次郎
死亡者:江間次郎
死因:善児による殺害
伊東祐親に、その娘である八重を殺せと命じられますが、八重の夫である次郎はできない。
すると善児が殺しにくる。次郎は八重を逃がし、そのまま殺されました。
哀れな死でした。
第10回「根拠なき自信」→大庭景親
死亡者:大庭景親
死因:斬首刑
泣いて命乞いする山内首藤経俊が助かる一方、堂々たる武士の姿を見せた大庭景親が斬首されてしまう。
景親は死ぬ間際、いずれ頼朝に味方したことを悔やむと不吉なことを言い残しました。そしてそんな景親の首を刎ねた上総広常は……。
近年のNHK大河ドラマでは珍しい生首も登場。大庭景親の晒し首がアップになりました。
大庭景親は相模一の大物武士だった~それがなぜ一度は撃破した頼朝に敗北したのか
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死亡者:佐竹義政
死因:上総広常による斬殺
義政にちょっと挑発されただけで、キレやすい坂東武者である広常が殺してしまいました。
謀略や粛清だらけの後になって振り返ると、まだ牧歌的な殺戮でしたね。
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第11回「許されざる嘘」→伊東祐親
死亡者:平清盛
死因:自然死
部屋の中がまるでサウナの如く熱くなる熱病だった……とか、何かと大仰に強調されがちな清盛の死。
本作はそこまでアツアツ演出でもありませんでした。
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死亡者:義円
死因:【墨俣川の戦い】で討死
討死は史実通りながら、そこに至る過程が重要。
弟である義経が義円を騙し、無謀な源行家の挙兵に送り込み、死へ追いやったようなものです。
ちなみに父母を同じくする源義朝と常盤御前の子である阿野全成・義円・義経が、成人してから揃い踏みする大河ドラマは今作が唯一にして初となります。
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死亡者:伊東祐親、伊東祐清
死因:善児による殺害
牢の外にいる八重と運命は別れたようで、生きる希望を取り戻し、頼朝に頭を下げてでも新たな道を歩もうとしていた祐親。
しかし、全成が「千鶴丸の殺害を示唆した人物を殺した方がよい」と頼朝に告げてしまいます。
結果、伊東家から梶原景時の配下になっていた善児が始末することに……。
なお、史実では伊東祐親は自害、祐清は史実ではこの後、生きています。
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第12回「亀の前事件」
特に無し
第13回「幼なじみの絆」
特に無し
第14回「都の義仲」
12~14回放送にかけては、珍しく誰も死んでいません。
しかし、ここから登場した大江広元により、鎌倉が変貌してゆきます。
劇中では誰も死なないようで、義仲快進撃の結果、流血は起きていました。
兵乱に巻き込まれた京都人が恐れ慄いています。
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