鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第45回「八幡宮の階段」

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鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第45回「八幡宮の階段」
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呆気なく刺殺される公暁

三浦館の奥の間に、若君こと公暁が来ていました。

捕らえたのではなく、助けを求めに来たと三浦胤義が義村に伝えます。

部屋で公暁は食事をしていました。

「平六、しくじった」

なんとも軽く言う相手に、此度は取りやめるべきだったと義村が諭すと、公暁は京へ戻りたいと言い出します。

園城寺なら匿ってくれるとのことで。確かに寺社にはアジールとしての役割がありますね。

義村に手はずを整えるよう伝え、こんなときでも腹が減ると飯をかっ食らう公暁。

まだ諦めてはおらず、必ず鎌倉へ戻るとも語りますが、すっかり毒が抜けて、一青年の姿に戻ったようにも見えてくる。天命が手を離したのでしょうか。

そんな公暁を義村は易々と刺殺しました。

どれほど剣術に長けた悪僧だろうと、油断すればあっけなく討たれるのでしょう。

公暁はあの髑髏を残し、その前で死んでゆきました。

公暁
なぜ公暁は叔父の実朝を暗殺したのか?背景には義時の陰謀があった?

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首桶を持った義村が御所へ。

「公暁阿闍梨の首にございます。御検分いただきたい」

「鎌倉殿の仇はこの三浦平六左衛門尉義村が取ってくれたぞ」

義時がそう宣言すると、大江広元がさすが頼朝様挙兵以来の家臣だと褒めちぎります。

「この先も三浦一門、鎌倉殿のために身命を賭して働く所存でございます」

「北条と三浦が手を携えてこその鎌倉。これからもよろしく頼む」

「ははっ!」

白々しい芝居を続ける三者――彼らは賢く、本音を隠し通す術を身につけています。実朝と公暁にあるまっすぐな美しさはない。

時房から公暁の死を告げられ、政子は一人にして欲しいと嘆願しています。

北条泰時が父に話しかけてきます。なんでも人の目があったので話せなかったとか。

「あのとき何故私の腕を掴まれたのですか? 父上は鎌倉殿の死を望んでおられた。全て父上の思い通りになりました。これからは好きに鎌倉を動かせる、父上はそうお思いだ! しかしそうはいきませぬ」

「どういう意味だ?」

「私がそれを止めてみせる! あなたの思い通りにはさせない」

「面白い。受けて立とう」

そう語る義時は、本音では嬉しいのかもしれない。

かつて次男の北条朝時が粗相をしたとき、父を超える気はないのか!と迫り、ないと答えられると失望していました。

泰時は違う。

いい加減、義時は天命に翻弄されていることに疲れ果て、誰かに解き放って欲しいのかもしれない。そして泰時ならできると思っているのかもしれない。

こんな悲しい親子愛もそうそうないでしょう。

それにしても、泰時の素晴らしさよ。

義時、義村、広元が失った純粋さ、朝時にはない凛々しさ、実朝にはない力強さ。全てがバランスよく溶け合っているようだ。

 


京都はどう出るかのぅ?

しんしんと雪の降る空を政子が眺めています。

そして小刀を握り締めたかと思ったら、その刃先を喉へ。

自死しようとするそのとき、仲章の邸から逃げてきたトウが近づき、政子の手を止めます。

「ならぬ」

「ではあなたが殺して」

「主の命がなければ、人は殺せない。自ら死んではならない」

涙が瞳に盛り上がり、泣き出す政子。ようやく尼御台は泣くことができました。

この場面のトウは奇妙です。

命令口調になっています。しかも「主の命」と言っている。

むしろ誰かに命じられて政子の命を救いに来たような、不可思議なものがあります。

トウの主は義時なのか? それとも義時の上にいる天命なのか?

京都では後鳥羽院が慌てふためきながら、実朝が殺されたのはまことか?と慈円に尋ねています。

源仲章まで凶刃に倒れたと告げる慈円。

「つくづく鎌倉とは忌まわしいところだ!」

そう吐き捨てる後鳥羽院に、兼子もおそろしやと怯えています。こうなっては鎌倉に親王様などやれない、なかったことにすると言い出しました。

かといって、北条のやりたい放題にするわけにもいかない。慈円も早々に手を打つべきだと告げます。

御所でその北条の男、義時が策を練っています。これを機に親王将軍をなかったことにしようというのです。

一方、朝廷の出方を気にしている鎌倉では、義時たちが話し合いをしていました。

議題は次の鎌倉殿をどうすべきか?

親王以外の者をつけるのは、実朝の意思に背くと反対する泰時。

死んだ者に従ってどうするのかとそっけない義時。

これもおかしい。当時は怨霊を重視しておりまして、頼朝は、義経はじめ殺めた人の怨霊対策をしていました。しかし義時は全く気にしていない。

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義時に賛成の広元は文を出そうと言い出します。

しかし、三善康信、京都まで交渉に出向いた時房、そして泰時は反対。

そこで義時は、康信と時房と泰時の意見に添いながらも、向こうから親王の鎌倉行きを断るようにすべく、さらに悪どいことを言い出しました。

後鳥羽院をせっつき、一日も早く親王を送るように促す――。

広元も賛同です。

「さりとて向こうも我らを操る手綱は残したい。さぁどうでるか。のう太郎」

挑発するように言い出す義時。

 


鎌倉の闇を断ち切るため何をした!

実衣はここが正念場だと、息子の阿野時元に語りかけています。

時元はやりたくないようですが、それでも彼女は鎌倉で源氏嫡流の血を引くのは全成の子であるあなただけ、必ず鎌倉殿にしてみせると強気。

「この母に任せておきなさい」

夫である阿野全成の言い残した言葉をすっかり忘れ、野心に暴走しようとしています。

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そのころ義時は、公暁が持っていたあの髑髏を政子に届けていました。

「もうよい。どこかに丁寧に埋めてしまいなさい」

そう告げると彼女は、もう鎌倉を去り、伊豆へ向かうと言います。

しかし、それをキッパリと断る義時。

もうたくさんだ、なぜ止めるのか、と訴える姉に冷たく言い放ちます。

「姉上が頼朝様の妻だからです」

頼朝の威光は妻に残っている。むしろ立場は今以上に重くなる。今こそ北条の鎌倉を作る。邪魔する者は誰もいない。

淡々と語る義時に対し、勝手にしろと突き放す政子。

しかし義時は追及の手を緩めません。鎌倉の闇を断ち切るためにあなたは何をしてきたか! そう答えを迫ります。

「頼朝様から学んだのは私だけではない。我らは一心同体。これまでも、そしてこの先も」

もはや闇そのものの顔で語る義時。

確かに頼朝の死後、義時が伊豆に帰ろうとするところを引き留めたのは政子です。

これも中世らしいといえばそうかもしれません。夫に先立たれた女性が引っ込むことが許されない。そんな重荷があります。

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権力者の権化

義時が運慶に、自分に似せた仏像を彫るよう依頼しています。

これは権力者のやり口そのものですね。

武則天が龍門石窟に自分に似せた盧舎那仏を彫らせたとか。

ナポレオンが自分に似た神様コスプレ彫刻を作らせたけど、恥ずかしすぎて人目につかないよう保管していて、それをイギリス人が奪ったうえに公開したとか。

義時よ、なぜ、そんな嫌な振る舞いをするのか。

運慶も、面白いことを言うと笑い飛ばしつつ、断ろうとします。ため息をつきながら、義時の顔をこう指摘するのです。

「お前だよ、迷いのない顔。つまらん顔だ。今のお前に興味はない」

義時は迷いなくこう言います。

天下の運慶に、神仏と一体となった己の像を作らせる。頼朝様が成し遂げなかったことをしたい。

望むものはなんでもくれてやると言われても、運慶は欲得で仕事をしていないとそっけない。

それでも義時はお見通しだ。

早く仕上げるために弟子たちに作らせている。そのぶん他の依頼もこなせると言った。十分欲得で動いていると。

「よくぞ見抜いた!」

「お前は俗物だ。だからお前の作るものは人の心を打つ」

「期日は?」

「決めておらぬ。その代わりお前が一人で掘るのだ。正真正銘の運慶の作として」

「いいだろう。それじゃあお前のために作ってやるよ」

「それがよい」

天命に選ばれた男は、ついに己を模した神の像まで作らせることにしました。

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新しい神には宿命がある。

それは古い神を倒すこと。神の敵となる――それがこの北条義時に課せられた使命です。

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