鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第46回「将軍になった女」

必ず鎌倉殿にしてみせます。この母に任せておきなさい――。

我が子の阿野時元を鎌倉殿にする野心を抱き、三善康信のもとへ向かう実衣。

あくまで戯言であり、親王のことは知っていると言いながら、現実問題、鎌倉殿になるためにはどうすればよいのかを康信に尋ねると、「宣旨」が必要だと伝えられます。

征夷大将軍はあくまで朝廷が任じるものであり、その証がいる。実衣はしつこく「戯言」と繰り返しながら、どうすれば宣旨をもらえるのか更に突っ込んでいます。

そして、その方法聞くや三浦義村のもとへ。

 

「宣旨」を得れば鎌倉殿になれる

宣旨のことを実衣に聞かされた義村は、まず、次の鎌倉殿が立たないと政が乱れると指摘。

その上で鎌倉では時元に決めたと京都に報告すれば、朝廷も宣旨を出さざるを得ないと、悪だくみを呑み込んだような言い方をします。

上皇を欺くことになるものの、抜け道はある。手筈は三浦に任せろ……。

そんな義村に乗る気になったのか。息子が鎌倉殿になったとき、執権は平六殿だとささやく実衣。

「小四郎はどうする?」

「小四郎? 誰?」

義村の問いかけに、シラを切る実衣です。

しかし三浦義村の甘い誘いは罠でした。

三浦義村
殺伐とした鎌倉を生き延びた三浦義村の“冷徹”鎌倉殿の13人山本耕史

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義村が「食いついてきた」と小四郎義時に告げ、あとは時元を挙兵に追い込むだけだと伝えると、当の義時も「それでいい」と返す。

いま時元は駿河国阿野荘にいる。それを謀反人として討ち取ると。

命まで奪ってよいのか?と義村が聞き返すと、義時はあっさりこう返します。

「災いの火種は放っておけばいずれ必ず燃えあがる。公暁のようにな……鎌倉は誰にも渡さん」

そう言い切る義時の倒錯よ。

かつて、源氏の血を引く源頼朝を担ぎ上げていた北条。その旗手であった義時の兄・北条宗時は、源氏も平氏もどうでもいいと弟の義時に告げていました。彼の目的は坂東武者の世にすることです。

鎌倉は源義朝ゆかりの地であり、源氏の都として作り上げられました。そこから源氏を徹底的に追い落とし、坂東武者の頂に立つ北条義時が君臨しています。

このあとオープニングは、その北条一族の名が先頭に並びます。

義時。

政子。

泰時。

時房。

そして物語が幕を開けます。

実朝突然の死。

鎌倉殿の不在が続いている。

政権崩壊の危機が迫る中、義時と後鳥羽上皇の根比べは緊張を増していく――。

最終局面へと迫ってゆく鎌倉。序章は終わり、この先はいよいよ神との戦いです。

 

時元は追い込まれて自害

京都では後鳥羽院が書状を投げ捨てていました。

そばに侍るのは慈円と藤原兼子。

「義時がぬけぬけと親王をよこせと催促してきた」と後鳥羽院は呆れています。

どんだけ厚かましいんだ、断ってしまえ、と兼子は受けて立つスタンスですが、後鳥羽院にはそれが義時の狙いだとわかっています。

藤原兼子
史実の藤原兼子は政子と対峙していた?鎌倉殿の13人シルビア・グラブ

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慈円は、あくまで京都から断らせたいのだと察知しており、いっそ話を進めるかとも言います。兼子があわてて止めると、後鳥羽院は笑い飛ばします。

そのころ阿野時元は、宣旨がくだる算段がついたと家人たちに告げていました。届いたら挙兵だと母が告げてきたとか。

しかし、前述のように、それこそ義時と義村の罠。

源実朝の暗殺から一月も経たない2月22日、挙兵目前の時元は義時の差し向けた兵に囲まれ、自害へ追い込まれてしまうのでした。

政子は実衣のもとへ向かい、妹を抱きしめます。

「何も言わなくていいから」

「みんないなくなった……姉上のせいよ! 姉上が頼朝と一緒になるから! なんで私までこんな人生を歩まなくちゃいけないの? なんで? なんでこんな目に!」

政子は妹の言葉に衝撃を受けています。

伊豆へやってきた頼朝のため、鏡に向かって化粧をしていた政子――すべてはあのときから始まったのでしょうか。

政子はそのことを気にしていると思います。

義時に対しても、我が子に対してもそう。彼女は行き遅れになっていても、ただの坂東武者に嫁ぎたくなかった。頼朝は違う!と信じて嫁いだ自分の責任を彼女は知っています。

政子は妹に言い聞かせます。

間も無く実衣の詮議も始まる。時元の謀反にどの程度関わっていたか、調べられる。

どうでもいい、と実衣は言うけれど、政子は必死です。もし関わっていたら、実衣は処罰されてしまうのです。

「望むところよ。時元を一人で逝かせはしない……どんな罰でも甘んじて受けます」

「あなたに死んで欲しくないの! 私のためにも馬鹿なことは考えないで! いいですね、何を言われても決して認めてはいけませんよ」

政子は言い聞かせます。

彼女自身、夫も我が子も失い、孫の公暁まで殺され……自らも死のうと思ったほどなのに、愛する人が危険な目に遭うとなると何が何でも守ろうとします。

優しい慈愛の人物。義時が暗い闇に沈んでいくのだとすれば、政子は泥の中でも咲く白い蓮のように思えます。

 

詮議にかけられる実衣

「私は知りません」

詮議の場で、そう言い切る実衣。

青ざめた白い顔の中で赤い唇が浮き上がっていて、覚悟を決めているようにも見えます。

大江広元が関わりの有無を念押しすると、北条泰時はこれ以上の追及を緩めようと提案します。

しかし広元もそう簡単にはその手を緩めません。宣旨について三善康信が実衣から何やら聞かれていた話を持ち出します。

三善康信
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覚えていない、歳だから本当のことと頭の中で考えていたことが混ぜこぜになるとシラを切る康信ですが、そこへ義時の次男・北条朝時が時元の遺品を持ってきてしまいます。

宣旨をいただければあなたが鎌倉殿。御家人は皆従います――。

本当であればとても言い逃れはできない書状です。

実衣が、書いた覚えがない、私が書いた字ではないと言うと、泰時に筆跡鑑定を依頼する広元。

泰時は、わからないと困惑しています。ならば実朝の遺品から実衣の書状を探して確認しよう……と広元が追撃しようとすると、ついに実衣は自ら打ち明けてしまう。

「もう結構! 認めます、私が書きました!」

厳罰に処すべき――義時がそう告げると、政子は「なりませぬ!」と断固反対しますが、鎌倉の混乱に乗じて息子を引っ張り上げようとするなど、とても許せないと突き放す。

そして義村に証拠の提出を促します。

すると義村が、実衣の部屋から見つかった、宣旨をいただくという書状を出してきました。

もはや万事休すか……と思ったところで、政子が、長年支えてくれた妹だと訴えます。

時元の気持ちを理解できないでもない、そうフォローする泰時に対し、ならば時元が正しいのか?と迫る義時。

身内に対しても厳しく接することで御家人たちが尼御台に忠義を誓うと広元が訴えます。

 

耳と鼻を削いでの流罪だ

ではどんな処罰となるのか?

政子が義時に問うと……。

「首を刎ねる」

妹に対して無情すぎる言葉に対し、いつもは義時に従順な北条時房もここは「本気ではない」とフォロー。

しかし泰時はわかっている。父は本気だとして、そんなことをしたら人心が離れてしまうと訴えます。

「もちろん本気だ。謀反を企んだ以上、あれを許すことはできない」

これには、女子の首を刎ねるなぞ例がないと康信も慌てています。

ならば、どの程度の罪であれば頃合いがよいのか、というと、耳と鼻を削いで流罪と大江広元が言い出す。

恐ろしい……。耳と鼻を削ぐとは、おそらくや視聴者の皆さまも固唾を飲むしか無い場面でしょう。

泰時も「ありえない……」と驚愕しています。

しかし義時は、そんなことを言っていると政治はなりたたないと一喝。

逆に、おかしなことを言っているのはお前たちの方だ!と怒りを炸裂させます。

せめて耳たぶを切るだけにはできないか……と冗談とも本気ともつかない言い方の時房ですが、義時はいよいよ我慢できなくなったのか、

「煩わしい! もうよい、首を刎ねてしまえ!」

と吐き捨てます。

言葉のやりとりだけで進むこの場面ですが、非常に重要ではないでしょうか。

私は『麒麟がくる』における信長と光秀の問答を思い出しました。

松永久秀から平蜘蛛を託された光秀は、信長に対して仁のある政治を行うものこそ、これを手にするにふさわしいと言います。

すると信長は、あれほど欲しがっていた平蜘蛛を売り払うとあっさり言ってのけた。

両者が重視するものの差があります。

政子や泰時たち、そして光秀は情を重視する。

義時と信長は理。ルールを守ることを重視します。

現実は、両者ともにバランスを取ってこそ、よりよい世の中にできるはず。

そこでどんな結論が導き出されるのか注目です。

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