青天を衝け感想あらすじ

青天を衝け第33回 感想あらすじレビュー「論語と算盤」

青天を衝け第33回感想あらすじレビュー

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青天を衝け感想あらすじレビュー

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小野組が放漫経営で倒産か――。

多額のお金を貸していた第一国立銀行は、その煽りをうけ倒産の危機に巻き込まれます。

三井の三野村は、ピンチに陥った第一国立銀行の乗っ取りを企んでいるらしい。

なんて卑劣なんだ三井!

ってことですが、ちょっと待った、島田組はどうしましたか。というか、劇中ではあまりに突然、銀行がピンチになっていて、むしろ栄一が無能では?と思えてきます。

つい先週、ドヤ顔しながら算盤で「日本スゴイ! 俺サイコー!」みたいな態度だったのに、なぜ放漫経営に気付かなかったのか。

迂闊にもほどがあり、経営者失格と言われても仕方ない印象です。

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銀行がなければ日本はダメだ

明治7年(1874年)、政府はこれまでの方針を変えました。

政府の預け金の担保を出すよう、小野組や三井組(と島田組)に申し付けたのです。

島田組を省くことは、例えますと劉備・関羽・張飛からなぜか張飛だけが出てこないような無茶苦茶さに思えます。

悪役にされた三井も『あさが来た』では大正義でしたが……。

ヒールターンした大隈も出てきます。

大隈たちのスカウトで今がある栄一ですが、このドラマは基本的に善玉はイケメンというルッキズムドラマなので諦めるしかない。下劣な言動していたら悪役です。

栄一は顔芸しまくりながら大隈に抗議。どれだけ気張った顔をしても、肝心要の経済話に説得力がないから、文化祭の準備にしか見えないのが辛い。

「なんで剣道部の焼きそば屋台が許可されないんすか!」

「衛生面がダメなんだ!」

大隈が厳しい先生で栄一が生徒ですね。

やたらと絶叫していると、大隈綾子が手紙を持ってきて、夫をなだめますが……いや、もう、この奥様、失礼すぎませんか。

結局、大隈に追い返された栄一は、困り果てた小野組商人相手にカッコつけます。やたらと絶叫しつつ、銀行がなければ日本はダメだ!そうです。

すると担保を差し出す古河。

証券の類でしょうか。これだけの金額を風呂敷堤で持参って、重たいだろうし相当無謀としか言いようがない。

というか、担保差し出しの展開を予想して大金を持ち歩く古河とは何者でしょうか。美談にしていますが、万が一盗難にでもあったら日本終了ですよ。

 

気づいたら第一国立銀行の頭取に

かくして小野組を犠牲にして乗り切る栄一。

毎週毎週『デスノート』の「ジェバンニが一晩でやってくれました」級のミラクルチート連発で意味がわかりません。

そりゃあ、これだけ運がよかったら、実力なんて関係なくどうとでもなりますわな。

『あさが来た』のあさもそうでしたので、脚本家のテイストかもしれません。

それにしても、毎回毎回、明治政府の無能さ、お粗末さが描かれていて、ワケがわからなくなってきます。

銀行も首の皮一枚でつながったが、自分も悪い。

と、ようやく反省する栄一は経済人で良かったですね。戦国乱世なら、まず間違いなく討ち取られているでしょう。

このあと書状が出てくるのですが、どうにも墨と紙の質感が不自然で気になって仕方ありません。ともかく中身をを要約しますと……。

「三井汚い! 三井卑劣! 三野村最低!」

挑発された栄一がホイホイと三井へ出向き、三野村が悪役笑い。今週も、本作は明治経済をヤンキー漫画のノリにおさめますよ。

そしてお得意の【フェイス・トゥ・フェイスシステム】(顔面を突き合わせないと盛り上げられないこと)です。

『青天を衝け』を『半沢直樹』と比較する意見も見かけました。

大河というNHKの大看板が、民放と比較される時点でどうなのか……とは思いますが、それ以上に『半沢直樹』に失礼です。

あれは大人同士のやり取りでしょ。このドラマは、キレて校長室へ乗り込んで行った高校生のようです。

憎々しげな大隈がまたも栄一にケチをつけます。こちらはムカつく教頭先生ポジションですね。早稲田関係者の神経を逆撫でするようなひどい描写は続行します。

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そうかと思ったら栄一は第一国立銀行の頭取になりました。

今度は三野村も顔芸。栄一も、むすっとしたまま黙っています。

さすがにここは何かコメントなり抱負なり言ったほうがいいのではないでしょうか。現実の場面で、黙ったままなんてあり得ないでしょうに。ほんとリアリティがまるでない作品です。

 

美賀子が可愛がる子供は女中に産ませ……

このあとシャンドから英語で励まされる栄一。

フランス語はともかく、いつから英語を理解できるようになったのか、こちらが戸惑ってしまいます。

小野組破綻の影響を最小限に抑えた栄一に対し、イライラが止まらない大隈が、ショッカーアジトで岩崎弥太郎と悪企みを始めました。

この場面で赤い蝋燭をセレクトした小道具担当者は、一体何がしたかったのでしょう?

なんだかイケナイ館のようでワケがわかりません。

五代様が大久保がカッコつけて囲碁を指しています。おそらく囲碁の所作指導はしていないのでしょう。囲碁メインのドラマでもないので仕方ないんですかねぇ。

ここで五代は、かっこいいことを言い、大恩人の大久保にダメ出ししています。

無駄なイケメン時間稼ぎにしか見えませんが、そうかと思ったらまた次のアナザー時間稼ぎ、慶喜訪問です。

慶喜の明治のことを全て説明セリフで語る。永井尚志は「会いたくない幕臣」として処理されてしまいました。

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でも栄一は来るの楽しみにしておった、あひゃひゃ!

そう下劣に笑ったあと、慶喜と美賀子が出てきます。女中が幼い子供を抱いていて、美賀子がかわいがる。まるで彼女の実子のような扱いですが、慶喜が女中に産ませた子供です。

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栄一と慶喜の会話もありましたが、洋装と猟銃を見せたかっただけでしょう。

美賀子は、平岡円四郎の妻・やすが来たと言います。

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態度がでかくて無礼なやすに何か言われて反省する美賀子。やすも、そのくらいは書状で指摘できなかったのでしょうか。

美賀子は最低最悪の夫をかばいます。

慶喜はストレス溜まって大変なの!

枕元にまで武器を置いてよく眠れないの!

そんなことを拙い京都ことばでアピールされますが、史実では自転車に乗ってセキュリティ意識なんてうかがえない。むしろ無神経でのうのうと生きています。

 

外国人の蚕卵紙買い控えにイライラ

そして栄一が『論語』を読む時間です。

漢籍朗読の指導はどうなっているのでしょうか。

比べるのは酷かもしれませんが『麒麟がくる』の長谷川博己さんや坂東玉三郎さんとの差があまりに辛いです。

そこに千代がやってきて、栄一はパリの婦人から来た手紙の話をします。

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ボランティアのことを話しています。なんだ、ツマランな。

というかパリのことを考えるぐらいなら、今、死にかけている屯田兵のことでも考慮すれば真実味もあるのに。

栄一が、自身のことを「道徳精神が溢れる人間」と飾り立てていたことは史実ですが、いちいちわざとらしく、あまりに嘘くさい。

「大事なのは民だ」

なんて綺麗事を仰ってますが、一方で、その苦難を招いた慶喜を讃えたりしている。ダブスタというか、ご都合主義というか。この脚本は、整合性をどう考えているのでしょう。

このあと、またも不自然なVFXでたなびく旗が映され、銀行へ。

銀行で理想が叶うと思ったら辛い!と叫ぶ栄一。こんな上司は絶対に嫌だ。

しかも親族枠の渋沢成一郎が自分の用件できています。

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外国人による蚕卵紙の買い控えにイライラ。この事態に対して、大久保は政府が介入しようと言い、伊藤博文は民間が解決しろという。そして大隈が叫び、事態をひっくり返す。

こういう場面ひとつとっても、髭のメイクがうっすら浮き上がっていて、もう気になって仕方ありません。

そして主人公補正を頼り、大久保も蚕卵紙のことを栄一にねじ込んできます。

三白眼の栄一は「やってらんねーし」とでも言いたげに断る。

ここでも決め台詞は「おかしれぇ。やってみましょう」と来た。

おもしろいか、おもしろくないか――国の一大事をそんな調子で決めないで欲しい。

でもこの栄一はチートがある。雑にそろばんを使い、目をギラつかせて凄めばすべて解決しますからね。

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