第二次世界大戦に絡んで薬物の調べ物をしていたところ、ウィキペディアの英語版で軽く驚きのページを見つけました。
題して「クスリ絡みで死んだ著名人リスト(→link)」。
さすが日本と違って諸外国はドラッグに対する障壁が低いせいか、古今東西の有名人がズラリ。
著名どころをザッと見てまいりましょう。
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芥川龍之介
リスト(→link)はアルファベット順にズラ〜ッと並べられ、あまに数が多くて数えるのを途中でやめました。
壮観というか、読んでいて怖くなると言うか……驚いたのが、日本からもエントリーがあったのです。
◆芥川龍之介(1892–1927)作家
◆ベロナールの過剰摂取による自殺
言われてみればそうですわね。
ベロナールというのはバルビタールという睡眠薬の商品名でした。
遅効性なので、長期服用により耐性が出来てしまった人が過剰摂取して死亡してしまう事故も多かったそうです。
フリーダ・カーロ
こういう事例もあります。
◆フリーダ・カーロ(1907–1954)アーティスト
◆公式には肺塞栓症が死因とされているが、最近の伝記作家らは、名称が特定されていない鎮痛剤の過剰摂取が原因だとの説を取るようになっている。自殺かどうかは論争がある。
歌手のマドンナが、フリーダ・カーロのファンですね。
世界随一のドラッグ大国として知られるメキシコの方でした。
ココ・シャネル
へ〜っと思ってしまったのは、この人。
◆ココ・シャネル(1883–1971)ファッション・デザイナー
◆合併症及び長年のヘロインやアヘン剤の乱用による肉体的疲労により死亡
ヘロインやアヘンやら、ドラッグの中で最もハードなやつを長年って……それで90近くまで生きたのですから、なんというか言葉に詰まりますね。
ダイアナ・チャーチル
「誰ですかこの人?」と言う人もおられましょう。
あのチャーチルの娘さんなのですよ。
◆ダイアナ・チャーチル(1909–1963)海軍婦人将校
◆バルビタール過剰摂取による自殺
著名人の子供というので色々とあったのか、精神を患った末の自死。チャーチル自身は1965年に世を去りますが、晩年にこの自殺はさぞや応えただろうと思われます。
マリリン・モンロー
そして、バルビタールと言えば、この人も。
◆マリリン・モンロー(1926–1962)女優
◆バルビタール過剰摂取。公式には「自殺の可能性」となっているが、謀殺説が幾つかある。
マフィアに殺されたとか、ケネディ兄弟と関係があったとか、今なお謎めいた方であります。
カート・コバーン
この人も外せないですよね。
◆カート・コバーン(1967–1994)ミュージシャン
◆銃による自殺を遂げるが、その直前に致死量のヘロインを3度、自らの手で注射
もう30年になるのかぁ。
いま聞いても全く古い感じがしないのは、聞いている者がオッサン過ぎるせいですね。
ジャニス・ジョップリン
同じミュージシャンとして、この人も。
◆ジャニス・ジョップリン(1943–1970)ミュージシャン
◆ヘロインの過剰摂取
圧倒的カリスマ感が凄まじいですね。
エルビス・プレスリー
そして、絶対に外せない歌手の例が、この人になるのでしょう。
◆エルビス・プレスリー(1935–1977)シンガー
◆不整脈。検死の結果、エチナメートやメタカロン、コデイン及びアモバルビタールやペントバルビタールやフェノバルビタール等を含む複数のバルビタール系睡眠薬が検出された。
エチナメートと言うのは精神安定剤。
メタカロンと言うのは別名ハイミナールと書けば、年配の世代なら「あぁアレか」と思い出す人も多いでしょうか。
1960年代に大流行した合法ドラッグです。
そりゃあこれだけ一度に服用したら、心臓がおかしくもなります。
ホイットニー・ヒューストン
映画『ボディガード』のテーマ曲「I Will Always Love You」と言えばあまりに有名。
圧倒的声量に心を震わされた方も少なくないでしょう。
◆ホイットニー・ヒューストン(1963–2012)シンガー
◆当初は浴槽での溺死とされ、その後、遺体からコカインが検出されたことにより、薬物の影響による心臓発作と検視結果が発表される
彼女もコカイン絡みでした。随分と昔のことのような気がしますが、12年前なのですね。
シュテファン・ツヴァイク
最後に、この人も。
◆シュテファン・ツヴァイク(1881–1942)劇作家
◆睡眠薬の過剰摂取による自殺
ユダヤ系オーストリア人で、代表作に「マリー・アントワネット」があります。
ナチスの迫害を逃れブラジルに亡命したのですが、かの地で日本陸軍によるシンガポール陥落を知り、ヨーロッパ文明の先行きに絶望して自殺したという説があります。
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全体を見渡すと、薬物の影響による自殺も多いものです。
一方で使い方を誤って死に至った例も多々あり、いずれにせよ不本意な最期だった可能性は否めません。
皆様の御冥福を祈ります。
takosaburou・記