タワー・ブリッジ

イギリス

ロンドンの三大名所 「タワー・ブリッジ&ロンドン橋&ビッグ・ベン」を歩こう

EU加盟問題でお騒がせのイギリス。

経済面では何かと懸念事項が多いですが、こと観光に関してはお客さんが減ることはなさそうです。

1894年(明治二十七年)6月30日は、ロンドンのタワー・ブリッジが使われ始めた日。

ロンドンの名所はテムズ川沿いにあるものが多く、そのためタワー・ブリッジもロンドン塔やビッグベンと間違えられることがしょっちゅうなんだそうで……。

今回はこの超ビッグネームな三つの観光スポット、その由来をまとめてみましょう。

 


蒸気機関で橋の真ん中オープン! 世界初の荒業

まずはタワー・ブリッジから。

ロンドンのイーストエンドと呼ばれる区域の発展のため、ロンドン橋よりも下流に大きな橋が必要になり、1886年から建設が開始されました。

当時のイーストエンドがどんなところだったかというと、「切り裂きジャックの犯行現場(画像検索ダメ絶対)になったエリア」ですね。お察しください。

まぁ、切り裂きジャック事件が写真技術の生まれる前だったら、こんなに有名にはならなかったでしょう……。

イギリス全盛期であるヴィクトリア女王の時代であることも影響したでしょうけれども。って、話がそれました。

そんなわけで橋が入用になったわけですが、この付近にプール・オブ・ロンドン(外洋船が入れる一番内側の港)があるため、船が通れるような構造の橋にしなければならないということがわかります。

こういう場合、昔からよくあるのはアーチ型にして、真ん中を船が通るスタイルです。

ヴェネツィアのリアルト橋あたりがわかりやすいでしょうか。

リアルト橋

おそらくアーチ橋でも要件は満たせたと思われますが、ときは産業革命後のイギリス。

「我が国の技術で素晴らしい物を作ってやる!」ということで、タワー・ブリッジには

【蒸気機関を用いて、橋のど真ん中を開ける】

という荒業が組み込まれました。もちろん世界初の試みです。

日本ではかつて、隅田川の勝鬨橋かちどきばしが同じような動き方をしていましたね。

その蒸気機関を動かすためにどれだけの石炭が要るのか、そしてその石炭は誰が掘っていたのか。

その辺を考えると、当時の身分社会の黒さが石炭レベルですが……。

「イギリス 産業革命 石炭」とかでググるなよ! 絶対だぞ!

ちなみに、今は電気で動かしているので、当時よりはマシなはずです。多分。

名前の由来でもある左右のタワーには歴史博物館があり、互いに展望通路で繋がれました。

この目立つ外見のせいで、お馴染みの歌で毎回落とされているほうの橋と勘違いされてしまっているんですね。

 


最も古い記録はローマ人 西暦46年にかけられた!?

「ロンドン橋」につきましては、タワー・ブリッジよりもはるかに長い歴史を持っています。

ずっと同じ橋がかかっているわけではありませんが。

最も古い記録では、この地にやってきていたローマ人が、西暦46年に橋をかけたといいます。

その後、戦略上の理由でわざと焼かれたり、かけ直したら嵐や火災で壊れたりとさんざんな目に遭いました。「私は多分三人目」どころじゃないですね。

13世紀初頭には木造の立派な橋になっていたそうで、200年ちょっとで焼かれてしまったとか。

なぜその時点で石造りにしようと思わないんですかね……?

橋をいちいち作り直す労力や資金で、もっと別のことができたでしょうに。

さらに、16~17世紀にはまた違った意味で悪いイメージがついてしまいます。

謀反人の首をさらす場所にされてしまったのです。

京都の四条川原や六条河原みたいなものでしょうか。

この習慣は1660年に取りやめられていますが、一度悪いイメージがつくとなかなか払拭できないのは古今東西あるあるですよね。

17世紀初頭のロンドン橋/wikipediaより引用

そんなこんなで、1831年にやっと大理石造りに、1972年にコンクリート造と進化し、ようやく「落・ち・た♪ 落・ち・た♪」という状態から脱却しました。やっとか!

現在のロンドン橋は非常に地味なため、タワー・ブリッジのほうがよけいに見栄えがする感じになってしまっています。

まあ、日本橋(東京のほう)も今はただの首都高にしか見えませんし、よそ様のことはいえないかもしれません。

「橋のほうが移動しろ」なんて暴言を吐いた都知事もいましたし(#^ω^)

 


学校でよく流れる、あの「キーンコーンカーンコーン」が

もうひとつロンドンの「細長い名所」といえば、やはりビッグ・ベンでしょう。

といっても、これは上記の二つと違い、愛称です。

あの建物の正式名称は、現在は「エリザベス・タワー」となっています。

2012年に現在のイギリス女王・エリザベス2世の在位60周年を記念して改名されました。

ビッグ・ベン

それまでは「クロック・タワー」が正式名称だったそうです。

なんだか「シャキンシャキンシャキン」という音が聞こえてきそうですね。

もともと「ビッグ・ベン」は塔や大時計のニックネームだったので、今も使える呼び名なんだそうです。

この件に限りませんが、よく使われるからこそ「愛称」なわけですしね。

最近は近隣を通る地下鉄の影響で、地盤が傾いているそうで……。まあ、イギリス近辺には地震がありませんし、たぶん大丈夫でしょう。

ちなみに、ビッグ・ベンの鐘の音が、日本の学校でよく流れる「キーンコーンカーンコーン」です。

正式な曲名は「ウェストミンスターの鐘」というそうで、イギリス議会公式サイトでダウンロードできます。

どちらかというとメロディより反響音のほうがデカい気がしますが、ちゃんと「キーンコーン(ry」も聞こえます。学生さんの目覚ましにいいかもしれませんね。

この三つの名所は、テムズ川の上流から下流に向かって

◆ビッグ・ベン

◆ロンドン橋

◆タワー・ブリッジ

の順に並んでいます。

他にもバッキンガム宮殿やセントポール大聖堂、ロンドン塔もこの三つの近辺にあるので、テムズ川沿いに巡ると効率よく観光できそうですね。

長月 七紀・記

【参考】
タワーブリッジ/Wikipedia
LONDON navi
ロンドン橋/Wikipedia
タワー・ブリッジ/Wikipedia
ロンドン塔/Wikipedia


 



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