こんばんは、武者震之助です。
今川と武田の同盟が破棄されようかという時ですが、先々週は木材窃盗騒動、先週は直親隠し子騒動、今週は誘拐事件の模様です。
サブタイトルの元ネタは、今更言うまでもない大ヒットアニメをぶつけてきました。
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『おんな城主 直虎 完全版 第壱集 [Blu-ray]』(→amazon)
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エリザベスカラーで遊んでいたら財布をスられて陽気な直虎さん
商取引のため、気賀を訪れた井伊直虎一行。街を取り仕切る中村与太夫との商談も順調に終えて、買い物を楽しんでおりました。
南蛮渡来の付け襟、所謂エリザベスカラー(エリザベス一世の肖像画等に見られる襟)をつけてはしゃぐ様子が、なんとも無邪気で。
ところがそこで直虎は子供のスリに遭い、財布を盗られてしまいます。
怒った直虎は、驚異的な身体能力でスリを追跡!
往年のジャッキー・チェン映画のように、雑踏の人々をよけながら走り回り、子供に追いつける脚力はかなりのものです。スリは仲間との連係プレーで直虎を翻弄するのでした。
直虎はスリのアジトまで追跡し、猫の威嚇のような顔で凄みます。
この辺の演技は人間というよりそれこそネコ科の動物のようで、毎回、美人にここまで顔芸をさせる本作凄いな、って思います。
しかし直虎は、突如現れた大男(演じるのはプロレスラーの真壁刀義さん)の当て身をくらわされ、気絶。縛られて監禁される羽目に陥ります。結局、優れた身体能力が徒となってしまいました。
奥村六左衛門や瀬戸方久は周辺を探し回り、与太夫にも助力をあおぎます。
与太夫はワインで二人をもてなそうとしたのでしたが、二人は捜しに出かけてしまいました。
中村屋のセットや衣装にこだわりを感じます。
というか気賀の町並みと人々は、歴史慣れしている視聴者さんの目にも新鮮に映ったのではないでしょうか。
会話の最中に口へ芋ツッコミ えらいことです
目を覚ました直虎は、自分は井伊の領主だと主張するものの、窃盗団にはまったく相手にされません。変な奴だと思われるだけなのでした。
窃盗団はゴーグルのような飾りを頭につけた男がいるなど、どこかジブリっぽい衣装で、なかなか凝っています。
ジブリのようで、マッドマックスのようでもあるのが面白いですね。
そこへ出かけていた盗賊首領が帰って来ます。
それは先々週の木材窃盗騒動で捕らえられ、脱獄したあの男でした。
直虎の正体を悟った盗賊たちは面倒だから沈めちまうか。と話し出します。おまけに直虎は、話している最中に口の中に芋を突っ込まれるという、ヒロインらしからぬ酷い扱いを受けてしまう展開。
柴咲さん、えらいことですよ、コレ。
頭はどうも直虎を殺したくない様子。生殺与奪を握る立場は先々週と逆転しましたが、どうも互いに殺したくない、と、どこか相手のことを認めているわけですね。
「領主なんてのは泥棒も泥棒、大泥棒じゃねえか!!!」
一方、井伊谷には六左衛門が戻り、直虎失踪を告げます。
中野直之は怒りの番犬モード、小野政次は心配のあまりこの時点でもうやつれて見えます。
ここしばらくおとなしかった直之は、ひたすら吼えまくり、激しい怒りを露わにします。
そこへ盗賊から、身代金受け渡しの指定が届くのでした。なかなか達筆、ただの盗賊ではないようです。
直之は盗賊と取引しないと言い張りますが、政次は身代金受け渡しの際に相手を捕らえるように提案します。
「これしきのことを何故思いつかないのか」と嫌味を口にしながらも、心配過ぎてたまらない顔の政次。
念のため南渓にも相談します。
直虎は縛られたまま何とか近くの棚を引き倒し、懐剣を見つけ出し縄を切ります。
盗賊団は身代金受け渡しの仲介者である中村屋の旗を確認し、上機嫌。そこへ子供の喉に刃をつきつけた直虎が現れ、「私を放さねばこの子を殺すぞ!」と逆に脅迫する展開となりました。
「どうぞどうぞ、親もいねえ子ですし、やっちまってくだせえ」
頭にそう言われ怯んだところを、直虎はまた捕まってしまいます。
「これが尼さんのやることかよ!」
頭はそう突っ込みます。
まあ、ヒロインらしからぬ行動ではあると言うか。直虎は規定外ですからね。
直虎は苦し紛れに、「お前らスキルもあるんだから、こんなことやめてまともに働けよ! 犯罪やめろ!」と説得にかかります。すると頭は、
「領主なんてのは泥棒も泥棒、大泥棒じゃねえか!!!」
そう言ってのけるのでした。
直虎は意味を尋ねますが、途中で猿ぐつわをかまされてしまいます。
武家の所領はそもそも誰の土地?という根源的質問に……
翌日、身代金受け渡しのために直之と六左衛門がやって来ました。
途中で倒木のため通れず、馬をつなぐ一行。何か罠がありそうです。
捕らわれの直虎の元に、頭がやって来ます。
猿ぐつわを外され、再度話すチャンス。直虎は頭に「領主こそ大泥棒」という言葉の真意を問いかけます。
しかし逆に、井伊を治める根拠を聞かれて、鎌倉の公方に任されたと説明する直虎。
それに対し、頭はこう返します。
「あんたの先祖に喧嘩に強い奴がいて、ここからここまで俺の土地って決めただけじゃねえか。武家なんてのは泥棒の泥棒、由緒正しい大泥棒じゃねえか。あんたらに比べたら俺なんかかわいいもんだ」
直虎は「お前おかしいんじゃね?」と苦し紛れに言い返しますが、「俺に言わせりゃおかしいのはおまえらだ」とスゴまれると、ぐうの音もないのでした。
この頭は武家だけを狙う「義賊」と自認しているようです。
人質の救出があまりにアッサリ 何か裏がある?と思ったら!
本作は小さな家の人々が、小さな世界で右往左往しているちっぽけな世界観ではあります。
しかしその世界観設定を揺るがす、そんなことを問いかけても来ます。
井伊家の先祖だって直虎に言わせれば「竜宮小僧」ですが、この頭なら「そんな怪しい伝説が由来ってことは、素性もわからねえってことじゃねえか」と言い出しそうです。
この頭の言うことは本質を突いてもいます。
国衆にも、そして大名にまで成り上がった武家にも、元をたどれば喧嘩が強いとか、金儲けが上手だったとか、カリスマ性があったとか。そんな理由で支配者になった、そういう一族がありますからね。
そこがロマンといえば、そうかもしれませんが。
一方、直虎奪還チームは、薬で眠らされた直虎を無事に発見します。
あまりのスムーズな流れに直之は罠があるとここで悟ります。盗賊の狙いは、倒木の前にしてつないだ馬でした!
しかし、いざ盗賊らが馬を奪いに行くと、正確な狙いの矢が突き刺さります。
カメラが上に移動。すると、そこにいたのはセコム傑山宗俊の姿でした。
腕まくりした傑山が一人いるだけで何とかなると思えるこの信頼感。毎度のことながら、強すぎるだろ。
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