こんばんは、武者震之助です。
今川と武田の同盟が破棄されようかという時ですが、先週は木材窃盗騒動、今週は井伊直親による隠し子騒動です。
武田領の村から井伊を訪ねてきたのは、高瀬という少女。
母のユキは、死の直前「父は井伊の亀之丞」と言い残したことにより、身よりのない高瀬は、その言葉を手がかりにしてたずねてきたのでした。
しかし本人の言葉だけでは真偽不明です……。
ったく、直親ァ……! せめて子供を残すような関係の相手には形見くらい渡せよ! というか、そもそもその調子だと、妊娠させたことすら気づかなかったんではないの、と直親株が急下落。
一方、高瀬は素直な娘でした。
その天涯孤独の身の上を同情したのか、とりあえず直虎は井伊にとどめることにします。そして高瀬が本当に隠し子なのか、調査することになったのでした。
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隠し子騒動で気を遣われるのは妻・しの……ではなく直虎で
できるだけ平静でありたい井伊直虎ですが、周囲は気を遣います。
「直虎様は直親様のために出家までしたのに、婚約中に浮気して隠し子……」
そんな本音を隠して「本命は直虎様だから!」、「寂しかったからあてがわれただけだって!」と周囲に振る舞われる始末。余計に生々しいというか、丸い刃で傷を抉るようなことになっています。その気遣いが余計だよ!
高瀬については、虎松経由で、しのの耳にも入ります。
屋敷に押しかけ、高瀬を見つけ出すしの。これは嫌な予感がします。
ところがしのは予想に反して落ち着いていて、新野の屋敷にも顔を出すように、とまで言いだします。
そんなことはつゆ知らずしのを気遣う直虎。しのは更に一枚上手の行動に出ます。
「私の場合は結婚中じゃなかったけど、直虎様は婚約中に浮気されたんだもんね~~~出家して修行している間に、直親様はイケメンスマイルで女を誘って子作りとかよろしくやってたなんて、最悪ですよね~~~、直虎様ホントにかわいそう~~~ねえねえ、今、どんな気持ち? ねぇ、どんな気持ち?」
って、凄まじい煽りスキルが発動したぞ!
しかし直虎は、本心はともかくとして動揺していない態度を取ります。
「チッ、つまんねーな」とでも言いたげな様子で引き揚げるしのでした。
幾重にも重なった複雑な表情で魅せる小野政次
なつ経由で隠し子について聞いた小野政次は、動揺を見せないようにしながら、やはり複雑な顔になります。
『俺なら浮気なんかしないのに、亀のアホ。なぜおとわはあんな奴に……』
『でもおとわは傷ついているだろう。そんなおとわの顔を俺は見たくない。俺はおとわには常に笑っていて欲しいんだよ』
こういう何重にも重なった表情を見せる高橋一生さん。今年は表情で魅せる大河です。
家臣たちの間にも隠し子騒動が広まり、中野直之や奥村六左衛門も気にしていました。
「本当に娘なら家中に加えましょう。姫なら縁組もできます」
悪意はないのが悪質といいますか。
はなから直虎が高瀬をたたき出す前提で話す二人……直虎はむっとして「そのつもりだ」と言い返します。だからこういう気遣いやめてあげて!
ここで政次は「武田領から来たのならば間者(かんじゃ・スパイのこと)ではないでしょうか?」と切り出し周囲を騒然とさせます。ああ、そういえば昨年のどこぞの謀略家みたいに、高瀬もなんだか胡散臭い毛皮を着ていますのぅ。
高瀬の母だというユキは確かに存在するが
一方、三河の松平家康(徳川家康)は、今川からの同盟申し出を受け取っていました。
内心「世話になったしそれもありかな」と考えているのを、酒井忠次と石川数正に見透かされる家康。動揺してつい爪を噛んでいます。
彼の出番は少ないのですが、キャラクター性が出ていますね。昨年の内野聖陽さんの家康とも連続性を感じさせます。
そして便利な山伏・松下常慶を動かすことにしたのでした。
直虎は高瀬の「間者疑惑」に心が揺れています。
南渓に相談して、常慶に確認したいという直虎。
南渓は直親の庇護者・松岡から隠し子調査結果書状を受け取っていました。
それによると、ユキという女は存在し、二人でいるところも目撃されているが、子を作ったかは不明とのこと。
「父親なんてどうでもいいよ。俺も本当は不義の子だし」
南渓はそんなホラをふいてまで直親を説得しようとしますが、そういう問題ではない気がします。ちなみに南渓は出自に不透明なところがあり、井伊直平(演:前田吟さん)の実子ではない説もあるのだそうです。
直親が今度は政次に相談すると、政次は本音を漏らします。
「間者疑惑を利用すれば、追い出しても格好はつく。本当に間者という可能性もあるわけだし」
そういう理由をつければ、追い出したところでどうこう言われないからね。傷ついているならば、その選択肢もありなんだよ。そういうことですね。あくまで直虎の心を守りたい、政次でした。お前って奴ぁ……。
その時でした。
二人の耳に衝撃的な歌が聞こえてきます。
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