『じゃないほうのオダ』書影(著者:安藤祐介)

歴史書籍

「じゃないほうのオダ」をメジャー武将にしたい!小田氏治主役の小説が本日登場

戦国最弱……。

こんな不名誉な呼ばれ方をする常陸(茨城県)南部の戦国大名・小田氏治。

果たして彼は本当に弱かったのでしょうか。

筆者が「織田信長じゃないほうのオダ」の存在を知ったのは、恥ずかしながら四十代になってからでした。

この小田氏治、インターネットなどで少し調べただけでも、一部の戦国ファンの間では根強い人気を博していることが垣間見えました。

昨今ではNHKの歴史ドキュメンタリー番組でも氏治の生涯が取り上げられましたが、やはり「戦国最弱」といったキャッチフレーズとともに紹介されていました。

筆者は小説家のはしくれとして、この人物の物語を書いてみたい衝動に駆られました。

氏治のインパクトが強い特徴を、コンパクトにまとめると、以下のとおりです。

 

小田氏治インパクト・コンパクト5選!

①負け戦を重ね、居城の小田城を九度落とされた。

(でも八度獲り返したんですよね!?)

②戦国最強の上杉謙信を裏切って激怒させた挙句、野戦で真っ向勝負を挑んで蹴散らされた。

(無謀……でも勇気ありますね!?)

③佐竹などの侵攻を受け、籠城を主張する家臣の進言を聞き入れず野戦に討って出て惨敗。

(懲りないタイプですか?)

④されど、何度居城を奪われても重臣は氏治に従い続け、民は新領主に年貢を納めず氏治に納め続けた。

(もしや魅力100・民忠100では!?)

⑤極めつけは……肖像画の傍らで猫が眠りこけている!

(戦国武将の肖像画の傍らには鷹などの強そうな動物が定石では!?)

 

猫も映り込ませた寿像

氏治の肖像画は、存命中の1588年に描かれた「寿像」。

つまり、本人の意思で構図の中に猫を入れたということに他なりません。

小田氏治像(法雲寺蔵)

小田氏治像(法雲寺蔵)/wikimedia commons

人を食っているのか、あるいは類稀なる愛猫家だったのか。

一説によると、当時、天下人に昇り詰めた秀吉が大の猫好きだったため、氏治も恭順の意を示す意図で肖像画に猫を入れたのでは、という見方もあるようです。

なんだろう、この破天荒な戦国大名は……。

調べれば調べるほど、氏治の沼にハマっていきました。

 

行動が予測不能で、諦めが悪く、血気盛ん

戦国史上最大のミステリーとして「であるほうのオダ」こと織田信長の本能寺の変が語られることが多いかと思います。

しかしながら「じゃないほうのオダ」こと小田氏治も、なかなかにミステリアスな人物で、そこが魅力だと私は考えます。

数少ない二次史料などから浮かび上がってくるのは、行動が予測不能で、諦めが悪く、血気盛んな総大将といった人物像でした。

間違いだらけだったかもしれないけれど、領地・領民に対する一生懸命さが感じられ、愛着が増してゆくばかり。

ちなみに、江戸時代の1750年には常陸国藤沢村の松岳寺で、小田家旧臣の子孫らにより、小田天庵公百五十回忌が執り行われています。

没後百五十年経っても旧領民から慕われるって、すごいですよね?

生まれた時代が乱世ではなかったら、氏治はいいお殿様になったのではないかと思わずにはいられません。

そんな思いも込めて、小田氏治の物語『じゃないほうのオダ』を書き上げました。

『じゃないほうのオダ』書影(著者:安藤祐介)

戦国ファンの皆さん、この機に小田氏治をメジャー武将にしませんか?

※本稿の内容をより詳しくご覧いただきたい方は『じゃないほうのオダ』(→amazon)をご確認ください。

書籍情報

安藤祐介『じゃないほうのオダ』(2026年4月 小学館 公式サイト
定価2310円(税込)
発売日2026年4月22日
ISBN 978-4093867917

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安藤祐介

1977年生まれ。福岡県出身。『被取締役新入社員』でTBS・講談社第一回ドラマ原作大賞を受賞。『本のエンドロール』『六畳間のピアノマン』『崖っぷち芸人、会社を救う』『日ノ出家のやおよろず』『退職クロスロード』など著書多数。本書が初の歴史小説である。 ◆国立国会図書館データhttps://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/00945586

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