鯉登音之進

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中川大志さんが演じる鯉登音之進って一体何なんだ?ゴールデンカムイ深掘り考察

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好奇心だけでなく、猜疑心旺盛

鯉登音之進は好奇心旺盛で、まるで幼児か動物のよう。フレップやトナカイが気になると勝手にどこかへ去ってしまいます。

しかも猜疑心まで旺盛です。

アホで能天気なようで、暗い顔をしていることも多い。思ったことが顔に出やすく、ニヤニヤと笑ってしまうこともあれば、怒りや不機嫌さが露骨に出てしまうこともある。

逆に心の底から嬉しいと思っていなければ、そうならない。

サーカスでの投げキッスはあくまで冷静で、教えられたまま振る舞っています。

あまり興奮していないのでしょう。彼は周囲からの影響を受けにくい相当マイペースな人物です。

コミュニケーション能力が低いことはすでに述べましたが、自分の中で理論づけたことを相手の反応なぞお構いなしに滔々と喋り、理論展開することもある。

興奮すると薩摩ことばとなってしまいますが、そうでなくともそもそも会話が成立しにくいのです。

月島はもうあきらめたのか。聞いたふりをして、鯉登の言葉を淡々と受け流していることがあります。

そのマイペースさは独自の世界に突っ走っていくこともあります。

前述のとおり猜疑心が強い人物ですから、サーカスでは杉元が自分に嫉妬していると疑った。

映画撮影の際には、月島が自分よりいい役を得ようとしているのではないかと疑っていた。

尾形が「(鶴見に)満洲鉄道のことを聞いてみろ」とヒントを漏らしただけで、そのあと折りに触れて何事か考えている顔になります。

あの時点で猜疑心旺盛である彼はもう手遅れ。鶴見を信じられなくなっていきます。

 


ものごとの危険性を察知できない

これはキルレシオの高さとも一致する特徴ですが……。

鯉登音之進は何かした結果、どれだけ危険な目に陥るのか、その認識が欠けています。

初登場時からそうです。

飛行艇に後先考えずに飛び移っています。

鯉登は作中でも随一の高所移動をこなしますが、落ちた結果どうなるか意識することがないように思えます。

他にもクズリに襲われる。

キロランケの爆弾を深く考えずに作動させる。

怒った杉元に接近する。

自分の身を危険に晒すだけならまだしも、サーカスでは杉元がハラキリショーで使う模造刀を真剣に差し替え、遅すぎる後悔をしています。

月島がいなければ、一体彼は何度死んでいたことでしょうか。

不注意を通り越して、恐怖や危険性をまっとうに感知する機能が壊れているとすら思えます。しかし、その特性ゆえに最終決戦では勝利できました。

土方との対峙では、己の中にあるわずかな恐怖心すら消し去りました。土方は“普通”の相手ならば避ける危険性を囮にしようとした。しかし、“普通”ではない鯉登にはそれが通じなかったのです。

危険性に鈍感といえば、痛覚も鈍感なように思えます。この作品は負傷しながら突き進む人物ばかりですが、そんな中でも鯉登は痛かろうがどうにかしているように思える場面が多い。

これまた月島が止めねば失血死しそうな局面があります。

 


アブダクション(逆行推論)が得意

鯉登音之進はアホそのものに思えて、実は作中でも屈指の考え込む人物です。

そのやり口に相当癖があるため、理解しづらいうえに、会話時におかしい。

特殊な会話術は、初登場時に出てきます。

薩摩弁で鈴川に話しかけ、和やかに会話を楽しんでいると見せかけて、彼がボロを出すところを待っていた。

下戸であることを否定するような会話に持ち込むことで、偽物と見抜いて射殺に至っています。

ちょっとした会話の断片から正しい推察をする場面は、エノノカとであったところでも発揮されます。

アイヌ語を混ぜて話すエノノカの言葉を聞き、状況から意味を推察し読み取っています。

わずかなヒントや会話の糸口から推論を組み立て、結論に至る――名探偵のような推理術を彼は披露しています。

尾形のわずかなヒントから鶴見の陰謀を推理し、自ら洗脳を解けたのは、彼の思考力ありきの展開です。

鯉登は鶴見の洗脳を自力で解いた、かなり意思強固な人物です。

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