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【『JIN-仁-』の舞台・江戸時代の医学】
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母は死に妻は失明
劇中でも描かれている通り、その調合方法は秘伝中の秘伝。
開発したのは華岡流当主の華岡青洲であるが、人体実験の折、実母と妻が実験台を名乗り出て度重なる実験の結果、母は死に、妻は失明するというあまりに大きな代償を伴っている。
簡単に公表できないのも仕方のない話だろう。
世界で初めて麻酔を成功させた江戸時代の華岡青洲~妻と母を犠牲にして医術を発展
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また一説では、通仙散の調合は危険かつ難しいものであり、世に公表するのが危険極まりなかったため、敢えて公開しなかったとも言われている。
現在でも文献として通仙散の調合方法は残っておらず、当時の門下生で情報を漏えいした者は、破門にされているほどだ。
日本人初! 西洋医学を学んだ女性産科医
江戸時代、日本の医学に多大なる影響を与えた外国人がいる。
シーボルトだ。
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その娘・楠本イネは『仁』にも登場しており日本で初めて女性にして西洋医学を学んだ産科医として活躍。
咲の背中を押す重要な役割を果たしている。
楠本イネはあのシーボルトの娘~日本初の女医として歩んだ道を振り返る
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その父、シーボルトが居なければ日本の医療の針は更に歩みを遅らせていただろう。
そんなシーボルトが来日したのは文政6年のこと。
彼は長崎の鳴滝に医学・蘭学塾を開き、門下生たちに公開手術を行った。これが日本最初の臨床医学である。
しかしこのシーボルト、オランダ政府から日本の総合調査を命じられていたため、ドイツ人でありながらオランダ人と偽り、門下生たちにもオランダ語でレポートを提出させていた。
そして文政11年、御禁制品(日本地図など)の国外持ち出しの罪で国外追放されてしまう。
もしも追放がなかったら日本の医学は世界水準どころかトップレベルに達することもできたのではなかろうか。そんな風にも考えてしまう。
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ともあれ、江戸時代の医療は海外からの情報流入により急激に発展し、一気に世界水準にまで達しようとしていたのであった。
それが現在へと続くのである。
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イラスト・文/春原沙菜
【参考】
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