まんが日本史ブギウギ

まんが日本史ブギウギ24話 地震、雷、火事、重祚!あと何回の変身を?

2017/08/10

淳仁天皇を擁立し、光明皇后の力を得て一時は権力を手中に収めた恵美押勝。
その最期は、惨めなものでした。
都を逃げ出し、再起を図ろうとするものの、孝謙上皇と吉備真備の政治・軍事力によってあえなく道を塞がれ、船で逃げようとしたところ藤原広嗣と同様に「逆神風」が吹いて陸に押し戻され、あえなく処刑されてしまいます。
斬ったのは同族の藤原蔵下麻呂。

孝謙上皇の治世に入ってから、次々に起こる波乱はなぜなのか。
いったい彼女はドコを目指しているのか。さりげなく日本史上、屈指のヤリ手ではなかろうか?
あと何回変身を残しているのだろう……。

というところで、日本史ブギウギ、第24話、スタート!!!

◆一口に藤原氏と言っても、流れは複数あります。
大元は藤原不比等の息子である四兄弟から分かれたもので。

・藤原武智麻呂(藤原南家開祖)←恵美押勝
・藤原房前(藤原北家開祖)←後の藤原道長
・藤原宇合(藤原式家開祖)←藤原蔵下麻呂&宿奈麻呂
・藤原麻呂(藤原京家開祖)←マイナー

という感じですね。
この頃は南家と式家でゴタゴタしておるんですが、結局、天下を握るのは北家でして。
まぁ、それは後ほど。

 

◆和気王は、天武天皇の曾孫さんです。
恵美押勝(藤原仲麻呂)が反乱に際して軍備を整えていたことを称徳天皇(元・孝謙上皇)に伝え、出世を果たすのですが、自らが皇位を望んでから運命の糸が綻び始めます。

粟田道麻呂ら複数の貴族と謀反を計画。それがバレていったんは逃走を図るのですが、結局、捕まって伊豆への流罪となってしまいます。

しかし、途中で……。

和気王は、父親の三原王が舎人親王の子供で、淳仁天皇とは叔父と甥の関係にあります。
また舎人親王が天武天皇の子であることから、本人は曾孫に当たり、天皇の座を狙えるポジションにおりました。
それを阻止した孝謙上皇。いかなる思惑があったので……?

 

◆奈良時代に入ってから朝廷では橘奈良麻呂の乱や藤原広嗣の乱、恵美押勝の乱と数限りない政変が起きておりました。

道鏡に入れあげつつも、そんな荒波を乗り切ってきた称徳天皇(元・孝謙上皇)は、まさにヤリ手。
和気王だけでなく不破内親王を処罰するなど、もはや誰も止められない状況になります。

そこで白壁王が取った策が、酒に溺れて暗愚を装うこと。
天武天皇系の和気王が討たれて次々に後継者候補がいなくなる中、天智天皇系だった白壁王はひっそりと過ごし、時機を待つのでした。
後の光仁天皇であります。日本史では地味キャラの一人ですが……。

 

◆重祚(ちょうそ)した称徳天皇にとっての悲願は何か?
それが今なお古代史におけるビッグスキャンダルの一つ「宇佐八幡宮神託事件」でしょう。

称徳天皇が寵愛していた僧・道鏡が、よりによって天皇になる――。
無謀にも程があんだろ!とツッコミたくなる事案ですが、これを任された方はたまったもんじゃありません。

もちろん、そのまま天皇にすることなどできません。
神様のご意向、ここでは「宇佐八幡の神託」を確認することにより、その資格を与えようと、称徳天皇から命令を下されたのが和気広虫でした。
彼女は弟の和気清麻呂にその任を託し、大分へ出向くことに……。

 

※次週へ続く

【過去作品はコチラから→日本史ブギウギ

著者:アニィたかはし

武将ジャパンで新感覚の戦国武将を描いた『戦国ブギウギ』を連載。
従来の歴史マンガでは見られない角度やキャラ設定で、日本史の中に斬新すぎる空気を送り続けている。間もなく爆発予感の描き手である(編集部評)

TOPページへ


 

リンクフリー 本サイトはリンク報告不要で大歓迎です。
記事やイラストの無断転載は固くお断りいたします。
引用・転載をご希望の際は お問い合わせ よりご一報ください。
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

アニィたかはし

漫画家。現在は武将ジャパンにて、まんが『大河ブギウギ べらぼう編』シリーズを連載中。 2014年より歴史漫画家として活動を開始し、2015年には連載作品をまとめた商業コミック『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社)を全国発売。 以降、独自のポップ表現と歴史知識を融合させた「ブギウギシリーズ」を継続し、戦国・江戸・幕末など幅広い時代を題材とした作品を制作している。 2024年からは大河ドラマの各回を題材にした“ドラマ考証型マンガ”へと表現領域を拡大し、作品の幅をさらに広げている。 ◆主な著書 『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社、2015年、ISBN:978-4865370324) ◆国立国会図書館データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001200494

-まんが日本史ブギウギ