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『光る君へ』感想あらすじレビュー第7回「おかしきことこそ」

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『光る君へ』感想あらすじレビュー第7回「おかしきことこそ」
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道隆は道兼を受け止める

さて、こちらも心理戦の達人――藤原道隆が弟の藤原道兼と語り合っています。

道兼が義懐の出世スピードに苛立っている。しかし道隆は、いずれ父上の世がくるから心配していない、それは私たちの世だと余裕をもっています。

道兼はそれは認めつつも、納得できません。

そんな道兼に対し、道隆は、父上に無理をされていないか、お前は気が回る、そのぶん父上にいいように使われてしまうのでは?と気遣っています。

「わしはわかっておるゆえ、お前をおいてはゆかぬ」

泣き崩れる道兼……なんと寂しい男なのか。

すると道隆の愛妻・高階貴子の姿がチラリとみえ、夫と目線を交わすと、静かにその場を去ってゆきます。道隆は一人ではなく、妻からも心理戦を学んだのでしょう。

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そして道兼は、妻はいても心が開けていないのでしょう。

だから兄夫妻に籠絡されてしまう。

今年の大河ドラマはオンオフの切り替えを意識しているとか。くつろいでいる時はそのリラックス感を出したいそうです。

道隆の井浦新さんのリラックス感は常に最高です。少し崩れた感が艶かしいほど。

「玉山(ぎょくざん)崩る」という言葉があります。

『世説新語』由来で、イケメンで有名だった嵆康(けいこう)が酔ってグラグラしていると、まるで貴石の山が崩れてくるような美しさがあったという言葉です。

道隆は、まさしくこの言葉を体現しています。美しい!

道兼も張り詰めていた緊張感がブツっと切れた。

第1話で憎々しかったあの道兼が、こんなにも弱々しく、哀れに見えるようになるとは……このドラマの玉置玲央さんはいつでも魅力全開です。

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貴公子たち、打毱を企画する

F4たちが投壺(とうこ)をしています。

壺に矢を投げる中国由来のゲームで、韓国でも人気があり「トゥホ」ゲームセットが輸入販売されているほど。

藤原斉信は、妹・藤原忯子の入内を悔やんでいました。

なんでも藤原義懐がしつこいから根負けしたとかで、あの時止めておけばあんな若さで死ぬことはなかった――なんて言ってはいますが、それはどうなのよ。妹に出世したいと頼み込んでいたくせに。

そんな斉信に対し、藤原公任が「身罷られる前に出世させてもらえばよかったのに」と毒舌をチクリ。

斉信を傷つけたわかったのか「すまぬ」と謝ります。

藤原道長は、入内が女の幸せではないと信じていると言います。姉・藤原詮子のぼやきを聞かされていたら、そうなるでしょう。

「左様でございますか」と優等生っぽく返すのは藤原行成

彼は父が早くに亡くなり、出世レースから遅れていますから、流すしかありません。

しけた話ばかりしていても妹が浮かばれぬから、気晴らしに打鞠(だきゅう)でもやるか!と斉信が言い出すのでした。

 


襲われてしまう、不謹慎な散楽一座

藤原道長が、馬で街を歩いています。

百舌彦が気になっていたことを聞き出します。それはまひろに届けた文のこと。返事がないということは……そうおずおずと切り出します。

あちらの従者が渡していないかもしれないと、百舌彦は言います。実際そういうタイムラグや事故はありました。

源氏物語』では、落葉の宮という女性が出てきます。光源氏の息子・夕霧が彼女に思いを寄せたのです。

彼女は親友である柏木の妻で、柏木は死ぬ間際にその面倒を夕霧に託していました。そんな彼女にどうにも惚れてしまうと。

この落葉の宮からの手紙を、夕霧の妻・雲居の雁が取り上げて隠してしまいました。

そのせいで返事が遅れたところ、もうこれきりだと焦った落葉の宮の母はショック死してしまうのでした。

それぐらい当時の恋文の遅延は命懸けのうえ、従者がアクシデントでなくすこともあったのだから、なかなか恐ろしいものです。現代人の既読スルーどころじゃない破壊力かもしれない。

それをおずおずと切り出した百舌彦はどれほど緊張していたことか。

道長は、あっさり「振られた」と認めます。右大臣家の若君をふるなんてどんな相手かと驚く百舌彦。

すると何やら不穏な気配が……武者たちがドカドカとどこかへ!

なんでも藤原をおちょくる不埒な散楽を懲らしめることにしたとか。

東三条殿を愚弄するなと散楽を殴りかかる武者たち。まひろも巻き込まれそうになります。

そこに道長が入り込み、乱闘を止めようとします。検非違使に気付き、散らばる者たち。気絶した乙丸は気掛かりなものの、道長に連れられてまひろは逃れるのでした。

さて、人気のないところにいくとまひろは謝ります。

「みんなに笑って欲しかっただけなの。私は考えたの……」

そう素直なまひろ。笑わせようと思ってここまで火力が高い話を考えてしまうとは。もしかしたらこの件は、祟りに怯えている兼家が怒り狂ったためでは?ということも想像できますね。

道長はけろりと、俺たちを笑いものにする散楽なら見たかったと言います。

いい雰囲気になった……と思ったら、そこへ乙丸と直秀がやってきました。

置き去りにされた恨み言を言う乙丸。謝り、一礼して、去っていくまひろです。

直秀が従者は無事だと告げると、道長が警護が乱暴だったことを詫びます。そしてこうきた。

「お前たちの一族は下の下……」

「まったくだ」

冷静に認める道長です。

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