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【『光る君へ』感想あらすじレビュー第7回「おかしきことこそ」】
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MVP:藤原斉信&藤原公任
前回の予告で、藤原公任の脱ぐ姿が映った時、これぞ女性向け大河だと言わんばかりの反応がありました。
しかし、そんな脱ぐ公任を見て、まだときめいていられるかどうか。
ゲストークが全力で炸裂ではないですか。
相対的に素朴な『鎌倉殿の13人』坂東武者がマシに思える日がくるなんて……。
ただ、このゲスさは前振りだと思いたい。
やんちゃで元気、冒険が好きな藤原斉信は、ききょうみたいな暴れ馬を乗りこなしてみたいと気になってしまう。
低い身分だしあしらおうと思ったら、気がつけばききょうにいいようにあしらわれてしまう。
そんな金田哲さんが見られることでしょう。
公任はプライドが高く、賢く、自分が全てをコントロールできると思っている自信家です。
こういう男が何かに挫折しバタッと倒れる姿は、さぞや素晴らしいことでしょう。
そういう転落を楽しむ気持ちまで込めて、この貴公子を組み立てている本作製作者の匠の技を感じます。
町田啓太さんはもうすでにワールドワイドの美形としてチェックされているようですし、ますます磨きをかけてください!
道長のライバルだった藤原公任~出世争いを演じた後はどんな生涯を送ったか?
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海を越える熱気がある
こんなニュースがありました。
◆大赤字、続編未定…「VIVANT」が海外で大コケの理由 「幽☆遊☆白書」に“惨敗”で戦略練り直しか(→link)
日本でヒットしても、所詮はガラパゴス戦術だったのか……と興味深く読みました。
それと同時に、今はもう世界進出といえば欧米だけでなく、アジア含めた世界が計測されるのだと。
この点でいけば今年の大河ドラマ『光る君へ』は、とてつもなく高い可能性があるようです。
既に町田啓太さんは、中国語圏のファンからロックオンされています。
「日本からえらい時代劇美男が出てきたな!」と注目を集めているようなのです。
中国語圏の大河ドラマや日本史ファンは『信長の野望』といったコーエーテクモゲームス由来の層が厚かった。
生粋の『源氏物語』ファンもいるとはいえ、少数派でした。
そのためか今年は「戦もないから様子見か」という反応だったのですが、為時やまひろが『史記』を引用するものだから「お?」と興味を持ち始めた。
そして前回の「漢詩の会」で盛り上がったようです。
「貴公子たち、こんなに漢詩が好きなんだ!」
行成の筆の持ち方が素敵。
漢詩チョイスがいい。
公任の漢詩は自作なんだ。
白居易が好きなのだな!
と前のめりになりつつ、ざわついています。
今回の投壺や打毱で、さらに盛り上がることでしょう。
今年の大河は、しっかりとアジアの熱気を掴みにいく、したたかさ、賢さがあり、緻密な作りをしています。
日本留学している方が緻密な考察をしていることもあり、こちらも身が引き締まります。
今年の大河は海外からも熱い目線が送られています。視聴率では見えてこない大きな反応を感じます。
素晴らしい兆候でしょう。
海を超えて時代劇と自国文化を語り合えるなんてどれだけ素敵なことか。先祖帰りでもある。
東洋は隣国同士で比較してきた長い歴史があります。
今年の大河ドラマは、とてつもない挑戦をしているのではないかと、毎回毎回噛み締めています。
三鏡の教え
藤原公任も大好きであろう『貞観政要』から。
太宗、嘗て侍臣に謂(い)いて曰く、
夫れ銅を以て鏡と為せば、以て衣冠を正す可し。
古を以て鏡と為せば、以て興替を知る可し。
人を以て鏡と為せば、以て得失を明かにす可し。
朕常に此の三鏡を保ち、以て己が過を防ぐ。
太宗が家臣に言った。
「銅を鏡とすれば、身だしなみを整えられる。
歴史を鏡とすれば、天下興亡がわかる。
人を鏡とすれば、長所短所がわかるのだ。
私は常に三つの鏡で、身を正し、過ちを防ぐこととする」
『貞観政要』
先ほど、海外の反応に触れましたが、今や地上波だけの時代ではりません。
VOD、配信、海外の目線を鏡とすることも重要です。
それが欠落した悪い例があります。まずはこちら。
◆アラサー女子がモヤる…「不適切にもほどがある!」に見える"変われない自分を許してほしいおじさん"の甘え(→link)
クドカンさんのドラマが批判されています。
私はこの流れを見て思いました。既視感があるな、と。
『いだてん』でもジェンダー監修者をつけた方がよいと私は批判しました。
当時のあのドラマは低い視聴率と反比例して、批判がなくなっていきましたが、それは危ういなと感じていました。
批判が目立つようになったのは、ドラマが終了して何年か経過してからのことです。
クドカンさんにとっては良くないことでしょう。
過ちを改めにくくなり、誤魔化してばかりいる人間はどんな階層にいるか?――それは社会的地位が高い男性ほどそうなるという分析があります。
カリスマCEOあたりが危険なのですね。
クドカンさんとその周囲は、若い頃の挑戦的で斬新なイメージが強い。けれどもそのままでいられるわけもない。ファンが人として鏡になることを怠れば、どこかで躓きます。
もし、あのとき、大河ファンが鏡になっていれば、失敗は防げたのではないか。どうしてもそう思ってしまうのです。
絶賛よりも諫言が必要な局面もあるでしょう。
そしてこちら。
◆「どうする家康」&静岡・浜松市「ロケーションジャパン大賞」グランプリ!大河13年ぶり快挙 CPも感激(→link)
この大賞は「浜松まつり」が理由とされています。
しかし妄信的かつ組織的な票があることも推察され、昨年の評価は歪んでいるとしか言いようがありません。
歪んだ鏡に映った像を見てはしゃいでいるようでは、立ち直ることなど望めません。
そしてこのニュースですが。
◆『どうする家康』ロケ大賞グランプリ受賞 松本潤ら参加の「浜松まつり」には約260万人が参加(→link)
記事内容を一部引用させていただきますと、未だに「黒田官兵衛」が登場させられています。
そして、豊臣秀吉、黒田官兵衛、真田昌幸、石田三成と次々と現れる強者(つわもの)たちと対峙し、死ぬか生きるか大ピンチをいくつも乗り越えるさまを映し出した。
いったい黒田官兵衛は『どうする家康』のどこにどう出ていたというのか?
制作サイドから貰ったソースを大手メディアがそのまま垂れ流す。しかも古いデータを活用しているから、こんなことになってしまう。
これだけでも提灯記事の数々がいかに怪しいものなのか、理解できるはず。
今年の足を引っ張るような真似だけはして欲しくない。そう切に願います。
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【参考】
光る君へ/公式サイト