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『光る君へ』感想あらすじレビュー第16回「華の影」

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『光る君へ』感想あらすじレビュー第16回「華の影」
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日本初の女院・東三条院

音楽と舞を楽しむ帝と中関白家たち――と、そこへ誰かがやってきます。

帝の母である藤原詮子です。

すぐさま「邪魔したようだ」と帰ろうとする彼女を藤原道隆が引き留める。

詮子は「女院様」と呼ばれています。

円融院の死後、日本初の女院となった詮子。

日本がお手本とした唐代は、楊貴妃一族の政治介入で痛い目に遭っているにもかかわらず、そこをあまり考えていない。女性の政治権力をセーブするどころかその逆です。

慈円が「女人入眼の日本国」と書くに至る源流がこのあたりから見えてきます。

吉田羊さんの本領発揮で、画面に出てくるだけで権力欲が輝きだすような迫力があります。

やはり、きょうだいでも父の藤原兼家に一番似ているのは詮子ではないでしょうか。

騒々しいと機嫌が悪い詮子に、伊周はこれこそがお上が望む新たな後宮の姿だと語ります。

誰もが歌い、舞う、お上との垣根を取り払い語り合う場である。

そう詮子に理解を願っているようですが……。

藤原詮子
藤原詮子(一条天皇の母で道長の姉)政治力抜群だった「国母」の生涯を振り返る

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石山寺参詣のあと

詮子と中関白家との一件を藤原道綱がヘラヘラと藤原道長に話しています。

そして母の供をして石山寺に参詣したことを言い出しました。

「いい女がいたんだよ、その名前は……ま・ひ・ろ!」

一瞬、気が気でないような道長に対し、調子に乗った道綱は、忍んで行ったらその友と間違って参った参った、と相変わらずヘラヘラと続けます。

それを聞かされた道長は、どこかドス黒い表情。

「はぁ……」と、ため息をつく道長の胸中やいかに。

さて、そのまひろは何かを書き、乙丸に託しています。

さわへの手紙でした。

しかし、読まずに返されてしまうようで、そんな相手とは終わりにした方がよいと乙丸がおずおずと進言します。それでもまひろは、文を渡す。

彼女は、さわに思うように口頭で反論できていませんでした。思ったことを口にするよりも、書く方がまとまるタイプかもしれません。

口も回る当意即妙型の清少納言とは違う。

今後この二人はどうなるのか。気になってきました。

めぐりあいて みしやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな

【意訳】久しぶりに会って、本当にあなたかもわからない間にいなくなってしまうなんて、まるで夜空の月のよう

旧友に束の間の再会を果たしたとき、紫式部が詠んだ歌です。

さわ相手に詠むのかもしれませんね。

 


光あるところに影がある

定子と帝が向き合い、仲睦まじくしています。

まさに唇を重ねようとしたその時、源俊賢があわただしくやってきました。

なんでも弘徽殿から火が上がったとか。また放火なのか?と戸惑う帝は、定子と共に避難します。

中関白家ではこのときのことを話し合っています。

後涼殿、弘徽殿と来て、次は清涼殿かと怯える母の高階貴子

道隆が、宮中の警護を厳しくするから案ずるなと言うものの、内裏の内部に放火犯がいるのではないかと思うと気が気ではありません。

帝や中宮を害しようとまでは思ってないはず。

すると藤原隆家は、女院が火をつけさせていると言い出しました。

中宮は女院に妬まれている。父も兄も妬まれるようになった。女院でなければ父を恨む誰かだと言い切ります。

兄の藤原伊周が口を慎めと咎めても、開き直る隆家。兄上だってそれくらいわかっていると言います。

道隆と隆家はここで哄笑します。

「光が強ければ影は濃くなる。恨みの数だけ我が家は輝いている! 私たちが暗い顔をすれば相手の思う壺。動じないのが肝心だ」

栄華を極める中関白家。

しかし道隆は光に目を細め、まぶしそうにしています。そして水を大量に飲むようになった。

糖尿病が発症しているのでしょう。

糖尿病の藤原道長
糖尿病の道長さん 貴族の頂点に立てても「望月」は見えなかった?

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それにしても、井浦新さんは改めて凄まじい方だと思いました。

若い頃はまるで春の日差しのように、穏やかで暖かい貴公子ぶり。それが段々と野心を夏の太陽のように輝かせ、ここでは秋のように翳ってゆく。

人の一生を春夏秋冬のように演じ分ける。素晴らしいではないですか。

藤原道隆
藤原道隆(光る君へ井浦新)の死後 道長と対峙する中関白家はどんな命運を辿るのか

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内裏では都の疫病対策が議論されるものの、道隆が無視するという状況が続いています。

そんなある時、安倍晴明が門を閉めるよう命じます。

疫神が通る。疫病の神が通る。

これから大変なことになると語ると、果たして都は、病人と死体が溢れる地獄と化します。

苦しむ病人の横を牛車が通る。

道長は、道隆に疫病対策を訴えました。

しかし道隆は、穢らわしい、お上が知ることではないと素っ気ない。

どうせ疫病など、下々の者だけで、我々は罹らない。そう言ってのけるのです。

病に苦しむ民を放っておいていいわけがない!と道長が食い下がるも、道隆は「放っておいてはいない」と開き直ります。なんでも比叡山に祈祷を命じたようです。

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