光る君へ感想あらすじレビュー

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『光る君へ』感想あらすじレビュー第21回「旅立ち」

藤原伊周の捕縛が迫る中、二条第の庭に隠れ潜んでいたまひろと清少納言

二人は藤原定子が髪を切る姿を見てしまいました。

あまりのことに目を見開く清少納言。

定子の母である貴子も悲鳴をあげます。

「出家いたします」

どうして、中宮様……清少納言はそう嘆くしかありません。最愛の女性がこの世を捨ててしまったのです。

 


定子落飾の衝撃

帝は藤原道長から定子落飾を聞かされ、「誰も止めなかったのか!」と嘆いています。

すかさず藤原実資が「この身の至らぬゆえ」と頭を下げると、実資を責めているのではないと答える生真面目で聡明な帝。

誰が彼女をそこまで絶望させたのか?

苦しそうに「朕のせいだ」と呟きます。中宮は朕に腹を立てて髪をおろしたのだと心を痛めている。

肝心の伊周はまだ捕えられていません。必ず捕えると道長が言いますが、帝の怒りは収まらない。

朝廷の権威を踏み躙り、朕の政治に異を唱えた中宮も同罪だ!

混乱した様子で、唐玄宗と立場が重なってきているようにも思えてきます。最愛の楊貴妃が、乱れた政治の原因だと処断を迫られ、玄宗はそれに応じてしまった。

誰が最愛の相手を殺すのか?

帝はよろめき、道長だけが見ている前でこう言います。

「愚かであった……中宮はもう朕に会わぬ覚悟なのだ……」

血を吐きそうな声を放つ帝と、その様をじっと聞いている道長。

君王面(おもて)を掩(おお)うて救い得ず

迴(まわ)り看(み)れば血涙相和して流る

皇帝が顔を覆っても救えない

血と涙がともに流れた

白居易『長恨歌』

 


「この騒動で一番得をした者は誰か?」

藤原宣孝は、まひろから二条第での目撃談を聞いていました。

利に聡いタイプの宣孝は、伊周の逃亡先を聞き出そうとします。実資にでも告げたら良い“貸し”になるでしょう。

しかしまひろは、逃げるところは見ていないとそっけない。色々なことが一度に起きて、ワケがわからなくなったとのことです。

宣孝は中宮のことが理解できません。

髪をおろしたのならばもう帝とは会えなくなるのに――そう言いつつ、顔を見たことはないけれど、帝の寵愛を受けるほどの美女が女を捨てるとはもったいないと惜しんでいます。

下品な趣味をぺらぺらしゃべらないで、と呆れるまひろ。宣孝は「下品な趣味を抱かぬ者はいない」と開き直ります。

こういう下品な会話でまひろとの距離を詰めてきていますね。そんな話は別のところでしてください、とまひろがキッパリ突き放しても、そもそもまひろが二条第にいた話題を振ってきたからだと言いながら……かしこまって、大仰に謝る。

しつこくしないからギリギリ許されるセクハラおじさんといったところですね。

そして宣孝は、見方を変えると宣言しながら、「この騒動で一番得をした者は誰か?」と囁く。

答えは明白、右大臣の道長ですね。

花山院との小競り合いを大事にして、女院詮子と手を結ぶ。関白道隆の嫡男を追い落とせば、もはや敵はいない。女院も中宮が気に入らない。

かくして右大臣と女院の利害が一致――こういう真面目な話ならいいだろう?と問いかけると、まひろは神妙な顔をしています。

「……なるほどとも言えます」

まひろはどうしてこうも猜疑心旺盛なのでしょうか。あれほど惚れているなら「そんなわけありません!」と返した方が可愛げというのものがある。

それでも物事の裏も表を知りたいのが彼女の個性なのでしょう。

越前への出発を控えた藤原為時は、知人たちへ挨拶に向かっていたところ、皆中宮の話ばかりで相手にされないとぼやいています。

間が悪かったのだと宣孝が慰めつつ、開き直って為時の装束を褒めています。

なんでも右大臣から早速お手当が出たとかで、笑い合う二人が考えていることは同じなのでしょうか? 宣孝は、越前守になることでいくら稼げるか、そればかり考えていそうです。

為時が儲ければ、まひろの価値も上がりますけど。

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清少納言は中宮の側に戻る

髪をおろした定子のもとに、清少納言が来たと報告されます。

「帰せ」

そう命じる定子ですが、清少納言は既に眼の前に参ってきて「かえりませぬ」と返事。

「少納言……」

「あのとき、里にさがったのは間違いでございました。どうか再び私を側においてくだされ」

「ならぬ。私は生きながら死んだ身である」

「なにがどうあろうとも、私は中宮様の側におらねばならぬと覚悟を決めてきました。命ある限り、私は中宮様の側を離れない。ご命令とあらば私も髪をおろします」

「ならぬ、さがれ」

必死に訴える清少納言にそう返すと、定子は倒れてしまいます。

「中宮様!」

そう支える清少納言です。

侍児(じじ)扶(たす)け起こせば嬌として力無し

侍女が助けて起こすとぐったりとして力が抜けている

白居易『長恨歌』

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