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『光る君へ』感想あらすじレビュー第23回「雪の舞うころ」

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帝は中宮を思い、袖を濡らす日々を送る

そのころ都の道長も、手のひらに舞い降りてくる雪を見ていました。

帝が螺鈿の美しい箱を開け、藤原行成に話しかけています。

中宮は行成の字を気に入っていて、よく朕と二人で見ていた。そのためだいぶ痛んでいるんだとか。

中宮の好きな歌は、紀貫之のものでした。

夢路にも 露やおくらむ 夜もすがら 通へる袖の ひちてかはかぬ

夢の中で通う路にも、誰かが露を置いているのだろうか。夜もすがら夢の路を通る私の袖は濡れて乾いていない。

これは今の帝の心境ともとれます。

夢の中で定子のもとへ通い、その恋しさのために涙が袖におち、乾くことがないと嘆いているようにも思えます。

「あのころはこのようなことになるとは誰も思っておらなかった……」

帝が寂しそうにそう言うと、行成は帝と中宮様のお姿を生涯忘れられないとしみじみと語ってしまいます。

中宮は健やかに過ごしているのか、そろそろ子も生まれる、高階に密かに通いたい。

帝がそう訴えると、行成は苦しそうに中宮様は出家していると答えます。

「そうではあるが」と弱々しく、しかし引かない帝。

出家したということは、生きながらに世を捨て、男女の愛情とも訣別したと言うことです。それを破ると、花山院のようにバツの悪い思いをすることになります。

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行成は道長のもとへ。

うっとりとしながら帝と中宮の栄光の日々を褒め称えていると、道長に「頭を冷やせ」と叱られます。

帝は賢い。ゆえに行成の優しさと同情心を利用している。帝のそばに使える蔵人頭はもっとしっかりして欲しいと言われます。

未熟だったと詫び、道長の期待に応じようとする行成でした。

行成は心根が優しいせいか帝に気に入られ、なかなか蔵人頭から動かしてもらえません。そのため、出世が停滞してしまいました。

優しすぎるのも不利になることがあります。

この行成の場面は、書道担当の根本知先生が気合を入れてこなしていると思えます。

紙も美しく、目に優しい書が楽しめます。

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来年の『べらぼう』のロゴは石川九楊先生が書いております。

根本先生のかな書道とは異なる、江戸後期にあった素敵な文字です。

大河ドラマで2年連続、こうも素晴らしいロゴが続くとはよいことです。デザイナーの手によるものもよいものですが、書家の字はあらためて素晴らしいと思えます。

 

倫子の策により、道長の権威が増す

藤原道長源倫子が枕を並べて寝ています。

帝は、女御の義子とも元子とも会わない。中宮様を忘れられない気持ちはわかるけれども、女御が気の毒だと倫子が話すと、道長もこれに同意しています。

倫子は、そんな夫に「帝と女御が語らう場をもうけたい」と言います。

「ここで会を催すということか?」

道長がそう返すと即答する倫子。女院様(詮子)もいるここで催すならば、帝もおでましになりやすいだろうという目論見です。

道長が賛同し、倫子は「おまかせくださいませ」と引き受ける。まずは入内されたばかりの元子様からだ、かちあわせはまずいと笑う倫子です。

倫子は策を楽しむ喜びに覚醒していますね。そういえば詮子が伊周に呪詛の罪を着せたことも見抜いていました。

このドラマの道長は女の担ぐ「神輿」になっていると思えます。

積極的に動くのは彼の周りの女たちで、道長はそれを制止しないことで権力を保持している。

元子の父である藤原顕光は、それはもう大喜びで道長に、丁寧にくどいほど感謝を告げています。

道長は途中で鬱陶しくなったのか、切り上げさせてしまいますが、なんともリアルと言いますか、切れ者というよりも気付けば権力者になって戸惑う様子も感じさせます。

元子は琴が得意でした。

それに合わせ、帝は龍笛を吹いています。当時の笛は肺活量のある男性の楽器で、かつ「龍」とつく龍笛は神秘的なものでした。

しかし帝は笛を吹くことをやめてしまうのでした。

 

熱病のような愛を詮子は知りたい

詮子が悩んでいます。

「帝の中宮への思いは熱病のようだ」

夫である円融天皇に愛されたことがない彼女は、あんなに激しく求め合う気持ちがわからない。

道長に、それがわかるか?と問いかけつつ、わからないだろうと勝手に結論付けますが……道長が反論する。

妻が二人いるけれども、心は違う女を求めている。

やっぱり誰かと恋に落ちたんだ!

そうウキウキし始める詮子。しかも、下々の女に捨てられるなんて一体どういう相手か?と興味津々です。

いい女だったと答えると、どんな風にいい女なのかと必死になる詮子。

その女や、帝を夢中にする定子が持っているものとは何なのか。その答えを詮子は求めているようです。

道長は面倒になったのか、帝が元子をお召しになるよう祈ろうと、この話を打ち切ろうとします。

道長の心に別の女がいる。そのことを賢い倫子も明子も気づいているのではないか。

そう鋭い指摘をすると、今度は完全に無視する道長に対し、自分から話したくせに答えないと不満を訴える詮子でした。

少なくとも倫子は何らかの違和感に気づいているでしょう。いつか夫が大事に取っていた文と、越前から藤原為時名義で送ってきた文が、実際はまひろが書いたものだと見抜けるかもしれません。

とはいえ今は夫という神輿を担ぐのが楽しい。そういう喜びに目覚めたのかもしれません。

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