鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第4回「矢のゆくえ」

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鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第4回「矢のゆくえ」
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大鎧を着た時政に「家人じゃない、舅!」

時政は大鎧を着ていました。戦国時代の甲冑と異なり、用意するだけでも大変です。

義時は困惑します。

「早すぎませんか?」

時政はこうだ。

「武士たるものはいつでも戦に出られるようにしておかんとな」

義時はお似合いだと言葉を紡いでいましたが、私はアホかとツッコミたい。体力を無駄に消耗するから、いざ戦闘!というとき以外は着ない方がいい。

それこそドラマでは進軍中も甲冑を付けたりしますが、実はフル装備はいざとなるまでそうそうしないものです。

妻のりくは、源氏棟梁の舅殿にしては、いささかみすぼらしいと言います。

ここは戦で武功を立て、立派な大鎧を揃えないと! と、取らぬ狸の皮算用をしていますよ。

時政は家人の立場でそれは……と戸惑いますが、りくはキッパリと否定し、バンバン焚き付けます。

家人じゃない、舅! 父君と言うべき人なのだから!

何かがおかしくなってきた。

時政は服装に無頓着であったことが、初回放送の冒頭でありました。

京都から帰ってきたのだから相応しい服装にすべきだと、政子がダメ出しをして着替えていましたよね。

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そんな時政がファッションや見栄えをやたらと気にするようになるとすれば、素直な彼がりくに染められていったということです。

今はまだ、染まりかけかも。

頼朝は政子に本音をこぼします。北条の者は戦をたやすく考えすぎていると。

政子も、父と兄は物事をよい方向に考える傾向があると認めています。ただ、義時はちょっと傾向が違う、と。そして、気持ちを切り替えさせるため、姫と表で遊ばないかと誘います。

けれども、頼朝はそれどころじゃない。人は、あまりにプレッシャーがかかっていると、何も味わえないし、楽しくないし、かわいがることすらできなくなりますよね。

政子は遊びたくないみたいだと言います。

「わかってくれ、わしにとって正念場じゃ。しばらくの間離れていよう」

「それがよさそうですね」

「すまん」

「何かお役に立てることがあれば」

「ない」

こう語る夫婦は、理想的といえるかもしれません。

何があろうが寂しくて甘えてきて、かまって欲しいとアピールするのはうっとうしくもある。八重ならこうはできないかもしれない。

それにこの時点で、頼朝は、政子の秘めた力を知らない。

政子はすでに、陰で何かを操る力は出てきていて、その証拠に義時と話し合っていたりする。時政と宗時はあまり役に立たないけれど、弟は使えるからと悟っているんですね。

後に尼将軍とも言われたりする政子の中に、種が蒔かれ芽吹いていくような……そんな描き方が見事です。

ただし、彼女の成長は、頼朝ひいては源氏にとって良いことであったかどうか。それはまた別の話なんですが。

 

「嘘も誠心誠意つけばまことになる!」

妹の実衣が怒っています。

政子はとっくに覚悟ができていても、妹はそうではない。話を聞いてない。誰も教えてくれない! 今日の話も下人の話を聞いて初めて知った!

しれっとしている姉に「そういうものなのか、そういうものなんですか!」と反論しています。

これはなかなか斬新な妹像ですね。

一般的に求められる女性像はオロオロするくらいで、こうもはっきり抗議するものではないと思います。彼女にも何かがあると思える場面です。

義時の悲壮感漂う「募兵ツアー」は続きます。

土肥実平のところへ来ると、彼はいきなり不満爆発でした。宗時のことが信じられないってよ。調子ばかりよくて話が見えない!

わかります。宗時は調子のいいことしか言いませんからね。

土肥としては不安ですよ。もし何かあったとき、土肥が平家に好きなようにされないか不安だそうです。そう、そこだ! 所領や身の安全を保証し、頼朝を信じられるかどうかを確認できないと動くに動けません。

義時も、自分に欠けていた要素を見出しましたね。動員可能数ではなく、動員するかどうかの意思確認が弱かった。これも当時ならではの悩みです。

そこで義時は、頼朝に何かを頼んでいます。

「頭を下げろというのか? いやじゃ!」

そう突っぱねる頼朝。源氏の棟梁が、何故坂東の田舎者にそこまでせねばならんのだ! お前がやれ! そう反論してきます。

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義時は膝でにじり寄る。

こういう動きはなかなか難しいですし、板なので結構痛いもの。それを小栗旬さんはこなしている。

「そのお考え、一日も早くお捨てになられた方がよろしいか思います」

確かに我らは坂東の田舎者。しかし、その坂東の田舎者の力を借りねばならぬとき。彼らあっての佐殿であることをお忘れなきよう! そう言い切るのです。

「よう申した」

頼朝も何か思うところはあるようです。

彼もまだリーダーシップの勉強は足りないのかもしれない。それこそ漢籍教養があれば、義時がここで「劉備は諸葛孔明に三顧の礼を尽くしたでしょう」とでも言えるんですよね。

しかし、それはまだこれからのこと。

義時に説き伏せられた頼朝は、北条館にいる土肥実平の前へ。

「佐殿!」

もう感動して、ワナワナしてしまう実平。

「次郎、よう来てくれた、よう来てくれた!」

「佐殿、もったいのうございます!」

感動している相手に、これから言うことは誰にも漏らさぬようと言いつけ、こう告げます。

「今まで黙っておったが、わしが一番頼りにしているのは、実はお前なのだ……」

もうメロメロになる実平。

頼朝はさらに口説きます。

「お前の武勇は耳に入っている、力を貸してくれ。お前なしでどうしてわしが戦に勝てる! どうかわしと一緒に戦ってくれ」

これでコロリと参った土肥実平は、どこまでも佐殿にお供する宣言をしてしまいます。ここで頼朝、相手を抱きしめる。

「ああああああああッ!」

感動のあまり叫ぶ土肥実平。抱き合う二人。どういうことなの……。

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このあと頼朝はこう言います。

「覚えておけ。嘘も誠心誠意つけば、まことになるのだ」

なかなか深いことを言う。しかも、頼朝はこのあと岡崎義実相手にも同じテクで籠絡しますからね。なんでも片っ端から同じ手を使っていたそうですよ。

これもこの時代の興味深いどころなのですが、頼朝とその武士団の関係性が読みにくいと言いますか。まだ武士道ができあがる前なので、何が何やら。

こういう単純な「兄貴に惚れた!」系の解釈でもいいんじゃないですかね。

 

歯が一本の老武者・佐々木秀義

頼朝の側近・安達盛長が、山内首藤経俊の元へ向かいます。

乳母の子で味方になるのは問題ないと考え、頼朝本人は行かずともよいと判断したのでしょう。

しかし、相手は怒涛の塩対応。

頼朝なんて流人だ! 本気で勝てると思っているのか?

平相国(清盛)と頼朝なんて、虎と鼠ほどの差がある。

この挙兵だって富士の山に犬の糞が喧嘩を売っているようなもの。わしは糞にたかる蝿にはならん!

武士の情けで大庭殿には知らせないでおいてやる。さっさと帰るがよい!

そうまくしたてる経俊。

史実でも確かに暴言を吐き捨てたそうで、それを三谷さんが仕上げてきました。

この時代の台詞回しは難しいと思います。坂東武者は漢籍知識が低いので、故事成語を連発したらおかしい。ここで「夜郎自大にもほどがある」なんて言えないわけです。

盛長は頼朝の元へ戻り、すすり泣いています。

頼朝も唖然。幼い頃から共に遊んだというのに、人の心の虚しさよ……そうつぶやきます。盛長は盛んに悔しがるのでした。

原始的だなあ、もぅ!

もっと時代が降ればそれこっそ人質確保なり、証文なり、やりようがある。そこまで知恵がないから心情由来の信頼に頼り切り。

北条館に老将・佐々木秀義がおります。なんでも頼朝の祖父・為義の娘婿だとか。なんとこのとき68歳で、歯が一本しか見えない。

秀義は大庭景親に呼び出され、頼朝に謀反の疑いがあると問われたものの、はぐらかしたとか。

なんでも息子4人が加勢してくるそうです。

いつ到着するのかと聞かれ、こう返す秀義おじいちゃん。

「あさ!」

「明日の朝?」

曖昧な返事だわ~。しかも加勢するのは息子だけで、不安しかなくても、頼朝としては感謝するしかありません。

それでも本音は出てしまう。

「まるで年寄りの寄り合いじゃ!」

そして頼朝は、工藤茂光が太り過ぎではないかと心配しています。頼朝はこれでは負けると義時に不安を見せています。

ちなみに工藤茂光は、当時、恐れられていた源氏武者の一人・源為朝が狼藉を働いたため、自害に追い込んだ実績があるんですけどね。

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父・祐親に頼朝の挙兵を密告してしまう八重

伊東祐親の館では、八重が頼朝挙兵のことを父に伝えていました。

動きがあれば知らせるよう念押しされ、八重は褒められます。

「でかしたぞ、八重」

挙兵をしくじるとどうなるのか? 八重が確認すると、祐親は、討ち取られるか、捕らえられ首を刎ねられるかと言う。

またどこかへ流罪になることはないのか、私のせいで死罪になっては酷い、と八重が嘆願したところ、兄の伊東祐清が未然に挙兵を防げたらそうなるかもしれないと助け舟を出します。

八重はなんと愚かで単純なのか。

彼女としては、あえて頼朝の挙兵を失敗させて、再び流罪になることを願っていたのでしょう。そして流刑先へついていけば、またあのころのような幸せに戻れるかもしれない、そう思いつき、父に挙兵のことを告げてしまった。

あまりに浅はかながら、これも彼女の哀しい愛ではある。

一方、頼朝はまたも後白河法皇夢枕の時間です。

挙兵について聞いています。それがなかなか集まらんと頼朝が返すと、こう言います。

「おぬししかおらんのだ、わかっておろうな」

念押しする後白河法皇ですが、これも頼朝と同じく嘘っぱちであることは今後明らかになるわけです。

毎晩これではつらいと頼朝がボヤいて、笑える場面ではありますが、なかなか皮肉です。

頼朝は「お前を一番信じているぞ!」と坂東武者を転がしたつもりでおりますが、実は彼ら源氏も、後白河法皇の手の平で転がされてゆきます。

繰り返しますが、平安時代が終わろうとしている当時は、夢枕のような怪奇現象が重要な役割を果たします。

『源氏物語』だって怪奇現象が重要な役割を果たしていますよね。

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