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伐採技術を盗んだら、後は追い出してしまえばよい!?
常に商売を考える方久は、「いっそ繁華街でも作って遊ばせたら」と直虎一行に対して提案します。
しかし政次は、スキルを盗んで追い出せばよいと言い出します。それはそれで合理的、これからの冬場は領民の小遣い稼ぎにもなる、と説く政次。直虎は「雇用期間が終わったら使い捨てなんて嫌だなあ」と抵抗します。
「有期雇用で何が悪いんですか。井伊の民が苦情を訴えているんですよ。相手だって給与を払えば出て行くと言っている以上、それでいいでしょう。つながりを保ちたいのは殿だけですよね」
政次は「アイツら、とっとと出て行けやがれ」と心底思っているらしく、本音が出た説得なのでした。今までの意図的に嫌われ者を演じているのとは、違います。
直虎と六左衛門がこっそりと龍雲丸の様子を見に行くと、材木を盗もうとした仲間を鉄拳制裁していました。
ゴクウは「どうせ盗むと思われているなら盗んでもいいじゃないですか」と言います。さらにカジが、「直虎はクソ侍とは違うってお頭は言ったのに、あいつらまるで俺らを信じていねえし!」と龍雲丸に怒りをぶつけます。
龍雲丸は「もう二度とこんな話受けねえから、勘弁してくれ」と部下に謝ります。龍雲丸の本音にショックを受ける直虎です。
すると、直虎と六左衛門の近くで奇妙な音がして、六左衛門はおびえて直虎に抱きつきます。
ただの猪の鳴き声だと説得する直虎。呆れ顔をしているかと思ったら、何かを考えついたようです。六左衛門にその用件を伝えに行かせる直虎。
ちなみに政次(第19回)と六左衛門が後ろからハグしても、直虎はドキドキしないようです。政次……。
酒の席で打ち解け合う両グループのメンバーたち
「殿が食事をふるまいたいと仰せだ!」
六左衛門は龍雲党にこう告げます。
直虎は「猪の声も正体がわかれば怖くない。龍雲党だって正体がわかればそういうものかも。和解と交流の鍋パーティでもみんなでやろう!」と思いついたわけです。
地域住民の交流バーベキューみたいなものですね。
直之は八助と角太郎、それにモグラとカジたちと猪を狩りに向かいます。猪狩りのノウハウを語り合い、なんとなく打ち解ける両者でした。
直虎主催の鍋パーティは盛況のようです。
盗まれた酒をめぐって一触即発にもなります。
「南渓のせいにしよう」というわけのわからん解決パターンになりそうなところで、酒を盗んだ真犯人が福蔵だと判明して一件落着。
ゴクウによるお嬢さん追いかけっこ事件も、お嬢さんの落とし物を届けようとしたら相手が逃げて困ったという、「森のくまさん」パターンでした。
酒の席でとけてゆく誤解。直虎の意図は当たりました。
龍雲丸は直虎の魅力に感服。他の侍とはひと味違うと認めたようです。役目を続けたいと告げる龍雲丸に、大喜びの直虎でした。
直虎の喜ぶ姿を見た政次は、無言で家に帰ってしまいます。南渓が視聴者と同じ憐れみの目で彼の背中を見送ります。
政次は家でぼっちを噛みしめ「くだらんぞ、但馬……」てつぶやいたのでした……。
酒乱気味の直虎は「猪はまだかー!」と叫ぶわ。龍雲丸にからむわ、酒癖の悪さを発揮。
「どうせどこぞに子がおるのであろう! このまま井伊に残れ、我のものになれ!」
龍雲丸と直親を重ねて暴言をも吐く、直虎なのでした。
後ろハグという身体接触でメロメロになり、あっさりと直親と龍雲丸を重ねる直虎。どんだけチョロいんですか!
一方、政次の元には怒りの形相の近藤康用が訪れており……。
MVP:ぼっち政次
完全にキャラクターとして面白さが定着してしまい、顔芸だけでも笑ってしまいます。
意識はしていても別に結婚できるわけでもなし、どうできるわけでもない、そんな政次。それでも直虎は直親に一途だから、と思っていたのに「第三の男」龍雲丸ですよ。
宴会から無言で去り、「くだらんぞ、但馬」と自分に言い聞かせるところは涙なしでは見られない不憫さです。
本当の不憫さはこれからなんでしょうけれども。
次点は直虎ですかね。たけから前回は「古い方の姫」、今週は「とっくにとうがたった」と暴言を吐かれるわ、酒乱ぶりを発揮するわ。ぶっこわれたヒロイン像が楽しいのです。
総評
本当に癖の強い作品だよなあ、と一通り笑ったあとで思いましたね。
林業考証や伐採指導をつけておいて、中身は学園ドラマか、少女漫画ですからね。
鋸指導で後ろハグの場面は、視聴者をいい意味で凍り付かせたのでは。何にどれだけ挑んでいるんですか、今年は。
テーマとしては、冒頭で書いた通り、普遍的なものだと思います。
新しく入った人と、交流して理解しようね、ということで現代社会にも通じる話です。
このほのぼのラブコメに一瞬ふっと影が差したのが、駿府で悩む今川氏真の場面。
その話題を話したあとで井伊谷三人衆はすぐに木材泥棒の話に変えてしまうわけですが、こうして皆が鍋を囲んでいる間にも、井伊谷の外ではとんでもない事態が進行しているわけです。
「ああやって鍋を食べていた頃は幸せだったよね」
そうしみじみ思うような、ひどいひっくり返し方を本作はすると思います。
龍雲丸の出生の謎もありますが、龍雲党のモグラって甲斐の金山から流れてきたんですよね。いろいろと不穏な材料を仕込んできていて、ゾックゾクします。
ゾックゾク&ほのぼの、どちらも楽しめるのが本作です。
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【参考】
おんな城主直虎感想あらすじ
NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』公式サイト(→link)