歴史ドラマ映画レビュー

Gackt起用でザワついた大河ドラマ『風林火山』はやはり名作!もう1度見るべし

古典的名作と呼ぶほど古くはない。

大ヒット作と呼ぶには視聴率が足りない。

国民的な「傑作」と称されるには、ほんの少し何かが足りない……されど、ファンの熱い支持を集めるのが大河ドラマ『風林火山』でしょう(→amazon)。

2007年に放送が開始されてから15年が経過し、既にご記憶の薄れている、あるいは「知らない」という視聴者もおられるかもしれません。

もしかしたら主役が武田信玄……ではなく、内野聖陽さん演じる山本勘助であることをご存知ない方もいたりして?

それでも根強い人気を誇る『風林火山』とは、一体どんな作品だったのか。

知ってる方も知らない方にも楽しめるよう、ポイントを押さえながら振り返ってみましょう。

※以下は山本勘助の関連記事となります

山本勘助
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Gackt謙信で戦国ファンがザワザワザワ

今となっては考えにくいのですが、放送前の本作はイロモノ扱い、NHKが「やらかしやがった」という下馬評も少なくありませんでした。

その最大の理由が、Gacktさんが演じた上杉謙信です。

「イケメンを起用して女に媚びる気かよ」

「あいつが上杉謙信? イメージ違い過ぎる」

そんな声すら少なくなかった本作。

GacktのHPに掲載されていた上杉謙信姿

詳しくは後ほど記しますように、Gacktさん起用がヒットの要因にもなるのですが、当時は『利家とまつ』や『功名が辻』と比べられて批判され、視聴率も高いとは言えませんでした。

イマイチ冴えない大河が、Gacktさんのような隠し球で話題を作りたいだけではないか――という否定的な扱いだったのです。

 


脚をひきずった隻眼の男はむさくるしく……

本作の主人公である山本勘助からして、むさくるしく薄汚れた中年男であり、愛くるしい子役が愛嬌を振りまく序盤の幼少期パートもありません。

どこか屈折し、脚をひきずった隻眼の男。

彼が就職活動を繰り返す序盤は華やかさもなく、地味でした。

ふてぶてしく、哀れで、腹黒いようで、どこか純情。

そんな複雑で、一見すると愛されにくい主人公を、内野聖陽さんは熱い役者魂で演じます。

それがじわじわと口コミで評価があがりだしたのは、春あたりからです。

「今年の大河は面白いって!」

その頃は現在のようにSNSは発展しておらず、インターネット上での感想拡散はネット掲示板や個人ブログ頼りでした。

そういったところで徐々に口コミ的に広まりだしたのです。

地味だけれども、噛みしめると味がある――そんなスルメ大河としての評価がネットを活用する若年層に広がりつつあるとき、起爆剤となる女優が出現しました。

勘助と恋に落ちる農民の娘・ミツを演じた貫地谷しほりさんです。

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