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おんな城主直虎レビュー

『おんな城主 直虎』感想レビュー第46回「悪女について」

更新日:

こんばんは、武者震之助です。

武田との内通を疑われ、織田信長から処刑するように命じられた徳川信康(松平信康)。信康が捕縛される場に、おとわは居合わせてしまいます。

呆然としたまま、目撃してしまうおとわ。
榊原康政に誰かと聞かれて、「万千代の養母でございます」とこわばった声で応じるのでした。

 

立場をわきまえ、グッとこらえるおとわ

瀬名は、突然の出来事にショックを受けてしまいます。
石川数正から背後に織田がいるのではないかと聞かされ、事態の深刻さを改めて噛みしめます。

瀬名はおとわを頼ろうとしますが、おとわは既に帰っていました。
「そうですね……万千代の立場も、あるでしょうし……」
声を震わせる瀬名です。

井伊に戻ったおとわ。
南渓は、おとわなら信康を助けると言い出すと思った、と語ります。視聴者もそう思ったかもしれませんし、駄目なドラマならそうしてしまうかもしれません。
おとわは井伊に影響が及ぶことを考え、こらえていました。
瀬名もそれを察しているのです。このあたり、二人とも成長しました。

榊原康政は、岡崎の家臣から信康と絶縁するという起請文を集め、浜松に戻りました。

康政の報告を聞く家康。彼はまだ諦めていません。
今川氏真にも、先週の最後に何か頼んでいました。

 

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城を転々とし、時間稼ぎの間に助命嘆願を

信康は大浜城から、堀江城に移動させられます。
万千代と万福がこれに立ち会いました。家康の時間稼ぎです。

井伊谷ではおとわが旅に出ようとしていました。
そこへ南渓と傑山(傑山宗俊)がやって来ます。
傑山は、信康の護送とすれ違ったのでした。これは時間稼ぎかもしれない、家康は諦めていないことを、井伊谷の人々は悟ります。

家康は氏真を使い、北条との同盟を手土産に信康の助命嘆願をするつもりでした。
そのために、信康を移転させているのです。

信康はこんなときでも父を気遣っています。
その様子を万千代から聞かされ「失ってはならぬの」と家康は言うのでした。

半月時間を稼げれば、と計算する家康。彼は希望を捨ててはいません。
この希望を持ち続ける家康の姿に、何かを思い出します。
第32回あたりの、直虎と小野政次の姿が重なってきます。

一方で岡崎の瀬名は、思い詰めた様子で石川数正に何事かを頼んでいました。

 

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証拠の書状を発見! 内通していたのは瀬名だった!?

ここで辛い立場になるのが、安土城で進捗報告をする担当者の酒井忠次です。
康政から信康が転々としていることを聞かされ、顔に脂汗をかいて焦りまくっています。胃薬を差し入れたくなるほど気の毒です。

近藤康用の時もそうでしたが(第34回)、本当にこのドラマは「この人も辛いんだよね」というフォローの入れ方がうまいのです。

この忠次相手に、安土城で対応する明智光秀が渋くて素晴らしい。
宣教師が記録したような、狡猾で策に長けた男というイメージぴったりなんですよ。上品で賢そうで、それでいて何を考えているのかわからない深さがあって。シブい。

織田相手に徳川主従が焦り始めた頃、瀬名が数正ともども失踪してしまいます。

しかも文箱から、武田との密通の証拠となる書状が発見されました。
武田と通じていたのは瀬名だけ、というわけです。

家臣たちが納得しかけたところで、万千代が声を上げます。
これは見え透いた狂言ではないですか、と。

若いな。経験不足だな。
かつてのおとわを見ているみたいです。
経験を積めば、あとでこっそりと家康にだけ耳打ちするかもしれません。現在の康政のように。

家康は万千代の言葉を無視。
瀬名に追っ手を放ち、捕らえ次第首を刎ねよと命じるのでした。
これにはあの本多忠勝も「まことによろしいので?」と声を震わせます。

そのうえで家康は、万千代に頼み事をするのでした。

 

井伊の井戸を訪れ、想いを馳せる瀬名の前に……

瀬名は数正とともに、井伊の井戸を訪れていました。
母やおとわの育った場所はこのような場所か、としみじみ思う瀬名。

そこにおとわがやって来ます。

瀬名は、本心を見せないように笑顔で偽装しつつ、信康が許されたので迎えに行くと嘘をつきながら過ぎ去ろうとするのですが、おとわはしっかりとその袖を掴み、瀬名の狂言を見破ったと言います。

何故おとわは、わかるのか。
瀬名が、あのときの井伊直親や小野政次と同じ目をしているからです。
そこに数正が割って入っておとわと瀬名を引き離し、そのまま瀬名たちは去ろうとします。

すると、同じタイミングで万千代と万福が来ます。

万千代たちから、家康の策を聞かされる瀬名たち。しかし話は複雑で、このまま瀬名に罪を着せようという家臣もいます。
二人には追っ手がかかっている、井伊で匿って欲しいというのが、家康の頼みでした。

井伊は、逃げる隠れるには慣れている、とおとわ。
数正は深々と頭を下げて礼を言いますが、瀬名は違います。

「万千代。殿の策は、必ず実るのですか」

 

おとわの脳裏に小野政次が浮かんでいた?

瀬名は覚悟を決めていました。
策が実らねば信康は助からない、ならば自分を犠牲にすると言い出す瀬名です。

おとわはかつて今川館に閉じ込められた時のことを言いだし(第11回)、あのときのように家康の運の強さを信じるべきだと言います。
しかし瀬名は、あのとき家康に救われたからこそ、救われた命を家康と、家康の愛する息子のために使いたいと言うのです。

「徳川家の妻として……母として」
「死んでいく奴は皆そのようなことを言う!」
おとわは絶叫します。

残された者の無念を、助けられなかった者の苦しみを考えたことはあるのか?と。
もう二度とあのような思いをしたくはない。徳川殿が大事と言うなら、そんな思いをさせないでくれ、と懇願します。

このときおとわの脳裏にあるのは井伊直親や小野政次、井伊のために散っていった人々の姿のはずです。

何かを守る為に命を捨てるのは幸せだと、満足げに去って行ったあの人たち。
見送る背中が多いからこそ、政次にいたってはその手で最期を遂げさせたからこそ(第33回)、おとわはもうあの苦しみを繰り返したくはないのです。

 

佐鳴湖の水面を静かな目で見つめる瀬名は何思う

瀬名は「信康が戻ったら子宝祈願をしてやってください。生まれてくる子は私だから」と微笑みます。

「何も悲しむことないと、殿にお伝えくだされ」
瀬名はそう言うと、おとわの掌に自らの紅入れを……。

「左様なこと、己の口で言え!」
「おいとまします。あね様」
そう言い残し、瀬名は井伊谷を去りました。

瀬名は山中で数正に別れを告げます。
数正は「私は、御方様ほどお美しいお人を知りませぬ。一度、お伝えしとうございました」と告げます。

恋愛感情というよりも、これは騎士道のような感情ですね。
美しいというのも、外見というよりもむしろ内面を加味したものでしょう。
この数正がこれから浜松に行って、「いや~、あの御方様は武田と通じるなんてとんでもねえ女だ」なんていうのを聞くのかもしれない。そう思うと泣きそうですね……って、そりゃ豊臣秀吉のもとへ出奔しますわな。

ついに二人は別れ、瀬名は一人で追っ手の前に立ちます。そしてスグに捕まり、佐鳴湖の水面を静かな目で見つめます。

彼女は一体、どんな気持ちでこの水面を見つめたのでしょうか。

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※次ページへ続く

 

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