今週から新展開です。
公式サイトでは、ムービーも公開されました。
◆舞台は南の島へ そして激動の幕末へ(→link)
池田屋事件を匂わすシーンもありましたが、正直、長州や新選組の話がそこまで必要なのか?という疑問も。
たしかに重要な事件かもしれませんが、薩摩&西郷を描く上でそこまで意義のあるものでもなく……。
あわせて新たなビジュアル(→link)も公開されました。
大河は例年、
・通年と前編共通メインビジュアル(公式ガイド前編表紙)
・中盤用メインビジュアル(公式ガイド後編表紙)
・終盤用メインビジュアル(公式ガイド完結編表紙)
とあります。
ソフトのジャケットでも公開されていますね。
ここ数年振り返ってみますと――。
◆『真田丸』
赤い軍旗を背景に、赤備えに身を包んだ若武者・真田信繁
青い着物で前を見つめる真田信繁
赤い軍旗を背景に、赤備えに身を包んだ苦労を重ねてきた武者・真田幸村
そして、今年の中盤イメージですが……。
幕末の動乱を描くと言いながら、緊張感もなくビーチリゾートをエンジョイ(→link)って感じでどうにも……。
西郷隆盛の人生を描くにあたって、エメラルドグリーンの海がさほど大事とも思えません。
本作はポスタービジュアルもあまりセンスが良いとは言えなくて、キャストポスター(→link)もイマイチだなあ、と感じてしまいます。
あんまりキリッとしていなくて、一体本作は何がしたいのかな?
そう思ってしまうのです。
本作は笑顔の西郷どんをプッシュしたいんでしょうけど、もうそろそろ凛々しい姿も見たいなぁ。
「ないごて死なせてくれんかった!」
波で佇むとぅま(二階堂ふみさん)。
「もうすぐお前の夫がやって来る」という声が聞こえます。
そしてそこに、やつれた様子の西郷どんを乗せた船が来る、というオープニングから始まります。
数人しか乗れない小舟で、鹿児島から奄美大島を旅するって、おかしいと思わないのでしょうか。
いや、もちろん、途中で乗り換えたんでしょうけど、なんとなく『花燃ゆ』大奥編を思い出してきました。
ここで身投げ場面の回想です。
追い詰められて飛び込んだよ、奇跡的に助かったよ――と、中々ざっくりとした説明が入ります。
三日三晩寝たばっかりだった友人が起きたからと、枕元で叫ぶゆかいな郷中フレンズ。
相変わらず、この方たちも叫んでばっかりです。
大久保正助から月照は死んだと聞かされ、
「ないごて助けた! ないごて死なせてくれんかった!」
と、キレる西郷どん。
うーん。キレる前に、月照だけ死なせて申し訳ない、という気持ちが先に来たほうが自然ではないでしょうか。
ここで奄美大島のざっくりした説明が入ります。
「黒糖地獄」の解説も入ります。
字幕入りで奄美方言がそのまま入り、字幕表示に。
ここの「黒糖地獄」の場面がベタっちゅうか、お腹を空かせた子供がいて、老人が不満を述べて(誰に聞かれているかもわからないのにあんな大声で?)、とぅまが歌い慰めるという流れ。
まあ頑張ってはいるんでしょうけど……ぬるいんですよね。みんな身なりが結構綺麗ですし。
水戸藩はボロボロになるわけで
再び、ふてくされた西郷どんの回想場面。
ここまで全然思い入れが生まれる余地がないので、ふてくされた顔でなんか深刻ぶられてもどうでもいい……って思えてしまいます。
「天がわいを生かしたっち? 嘘じゃあ〜、嘘じゃっとじゃあ〜!」
叫んで地面に横たわる西郷どん。
島流し時代っていうより、幼児のイヤイヤ期を見せられてる気分にもなってしまいます。
ナレーションで藩に見捨てられた、とか言いますけど。
幕府の追及から名前を変えて島流し、そのうえ扶持まで与えていますからね。かなりの温情ですよ。
本作は史実をねじ曲げて、
【西郷どんが「戊午の密勅」を出させた主犯】ですから、
首になってもおかしくないのです。
西郷どんのせいで水戸藩はこれから地獄ですよ。
そのへん、ちったぁ反省して欲しい!
あんご(島妻)を差し出さねばならんのか
子供たちが「ケンムン(妖怪)」が出たと騒いでいます。
西郷どんが間違われたようです。
「もうすぐお前の夫がやってくる、災いも連れて来る」という占い師の言葉を思い出すとぅま。
この状況でそれを思い出すというのは、運命って言いたいんでしょうけど。
何がなんだかわからんうちに、西郷どんに惚れる流れになりそう。
とぅまは「あんご(島妻)」を差し出さねばならないのか、と気にしています。
島民にとって西郷どんは迷惑なようです。
とぅまはあんなものは餓死させればいいとまで言いますが、死なせたら死なせたでまずい。
西郷どんが気持ち悪くて近づきたくない娘たちにかわって、とぅまが世話をしに行きます。
ここで西郷どんの回想シーンが入ります。
彼の心情の場面は多いし、しつこいくらいなのに、イマイチ何か伝わってこないのなナゼでしょう。
描き方が悪いのでしょうか。
とぅまは西郷どんに話しかけます。
二人の馴れ初めを描きたいのでしょうが、需要はあるのかなぁ?
西郷どんのLOVEより、幕末の情勢とかありますよね。
西郷どんは、とぅまの手の甲に入れた魔除けの入墨「ハジチ」に文句をつけます。
入墨を入れた手が作ったものなんか食べられない、とぼそぼそという西郷どん。
それでもめげずにとぅまが差し出した食事を、ひっくり返す西郷どん。
いや、もう、かなり感じが悪くてたまりません。
むかついたとぅまは、海に向かってあの男に災いを与えるよう叫びます。
LOVEへの入り方がベタ過ぎて……
薩摩から交易い船が来て、砂糖と交換しています。
このレートがかなり不公平で、搾取構造になっていました。
見るからに、小物っぽい悪代官・田中雄之介入が島民にオラつきます。
嵐が来て大変だった、許してほしいと島民が頼み込むと、彼は「ほかの作物は作らずすべてサトウキビ畑にしろ」と命令するのです。
とぅまの兄・富堅が近藤代官にくってかかろうとして、妹に止められます。
ここで砂糖を舐めたタケという少年が役人に捕まりました。
落ちた砂糖のかけらを子供が舐めたくらいで、こんな大騒ぎするのもエネルギーの無駄っちゅう気がします。
タケを助けようとしたとぅま。
西郷どんが横から彼女を救い出します。
なんかもう、LOVEへの持って行き方がベタすぎてどうしていいのかわかりません。
こうやって下っ端悪代官をボコボコにして、西郷どんをカッコいい描き方していますけど。
西郷どんが磯田屋で遊んでいた金だって、原資を辿れば奄美大島から搾取された年貢だったりりするんですよね。
このドラマ、整合性がわけわかりませんよね(まぁ直後のシーンで言い訳のように描かれますが)。
年貢が高すぎて身売りしたフキの前で、堂々ど遊び呆けるあたりで、もう諦めていましたけど。
西郷どんととぅまの距離、どうでもいい
とぅまはちょっと西郷どんを見直して、また占い師の言葉を思い出します。
だから、この手のシーン、今日一日で何度目っすか。
西郷どんへご飯を届けに行くとぅま。
彼女のお使いだけでなく、占い師の言葉反芻、西郷どんとの親密度アップ、そんなシーンが何度も繰り返れて、さすがに疲れました。
昨年の大河を乙女ゲーって言っていた記事ありましたけど……今年の方がしょうもない乙女ゲーっぽいですよ?
何度か同じイベントを繰り返さないと、次に進む【親密度】が貯まらないんですよね。
西郷どんととぅまの距離感覚。
どうでもいいです。
そんなことより、捕まって以来まるっきりフォローされない元バディの橋本左内の消息でも、チラッと出しましょうよ。
とぅまは薩摩圧政を訴えます。
蘭癖大名のお殿様が死んだら楽になるかと思ったら、そうじゃなかった、いつまで苦しめるのかと訴えます。
吉之助の地雷部分を踏んでしまうのですね。
西郷どんは「亡き殿の何がわかっとじゃあ!」とブチギレ。
うむむ~。
これは痛いところを突かれたにせよ、やっぱり見苦しい。
ただし、斉彬の圧政の側面を明かしただけでも多少はマシかもしれません。本作にしては頑張ったほうでしょう。
それでも、この先、期待はできません。
そもそも西郷どんがそういう男なら、貧窮のあまり身売りしたフキにももうちょっと違う態度を取っているのでは?
とぅまは再び「あの男に災いを与えてください!」と絶叫。
何度目だよ、しつこいな。
と思っていたら、占い師のユタもたしなめておりました。
左内は「ほっこりエピソード集」を作っただけで殺される?
西郷どんに大久保から手紙がとどきます。
処刑場にあまり見えない、妙に砂埃舞う中で斬首される橋本左内。
やっとフォローされた!
よかった、忘れてなかったんだね!
まあ、でも、なんで本作の橋本が処刑されるのか意味わかんないですよね。
「慶喜ほっこりエピソード集」という薄い本を作っていただけではないですか。
西郷どんとは、どのへんがバディだったのか?
今更ながらに確認しておきたいところです。
西郷どんは「おいを殺せー!」と絶叫。
雨の中で暴れて、道のど真ん中で倒れます。
本当に本作って、大雨や嵐の中で絶叫するのが好きですよねえ。
そんでもって、とぅまが見つけて、看病をするというLOVEフラグ。
とぅまは海の神様に災いあれと祈ったからだと反省します。
毎週のように西郷どんはじめ、誰かが死ぬだの生きるだの言っているわりに、何の重みもないんだなぁ。
看病から蘇生してLOVEの流れと時間帯
8時35分頃、とぅまが看病開始。
これは5分以内に蘇生してLOVEの流れだな?
と思ったら、案の定、時間稼ぎのために幻想的な場面が入ります。
「生きろ!」
とぅまに呼ばれ、【わっぜソウルフルなBGM】が流れます。
時間的にみて、これが今日の見せ場なんでしょうね。
「安政の大獄」はまさかあれだけで終わりませんよね?
西郷どん、回復。
夢の中でとぅまの声を聞いたと言います。
なんでも、とぅまの父親は薩摩代官の不正を訴えるため鹿児島に向かい、戻って来なかったそうです。
そんなふうにヤマトンチュを憎んでいるとぅまが、西郷どんにしがみついて叫んでいたんだとか。
えぇえ~と、よくわからん……。
これのどこがLOVE?
西郷どんが死んだら色々面倒くさいだけじゃないの?
西郷どんはとぅまの食事をひっくり返し、怒鳴りつけましたよね。
タケを助けたにせよ、印象的にはマイナスです。
それなのにとぅまはLOVEです。
って、恋愛描写があまりにふざけすぎじゃないですか?
モテがテーマというわりに、ちっとも西郷どんがモテる理由がわかりません。
湯水のように金を使っていたこと反省し……
時刻は午後8時40分。
【わっぜロマンチックな場面用BGM】流れています。
ツンデレっぽく、
「べっべつにあなたのあんごになりたいわけじゃないんだからね!」
と叫んでいるとぅま。
時間が来たからノルマをこなしているとしか思えない不自然な流れです。
「島妻=あんご」は差別的な制度で、泣く泣く差しだされる方が多いんですけれども。
アノ程度でそういう身分になりたがるようなこと言い出すの?
……どんだけチョロいのよ。
橋本左内も、月照も、とぅまも。
西郷どんに信頼を寄せるくだりも雑な描写だから、唐突感しかありません。
西郷どんは自分の態度を反省し、島民の生活を知らない、藩の金を湯水のように使って来たと反省します。
頭を下げて、島のことを教えてくれと言い出します。
とぅまは西郷どんの手を引っ張って歩き出します。
こういう描写を見ると、このあと西郷どんが島民を理解し、黒糖地獄解消に努力するように思えますが……。
実際は、そう単純にはいかないワケです。よろしければ以下の記事をご参照ください。
-

奄美大島で「フリムン(狂人)」と呼ばれた西郷|現地ではどんな暮らしだった?
続きを見る
MVP:奄美大島の海
とりあえず海が綺麗なのは確かですね。
眼福。ギャーギャー騒ぐ人がいなければもっと海を楽しめたのに。
総評
九度山編をスッキリと、わずか数回で終わらせた『真田丸』は偉かった。
龍雲丸との結婚生活を、引っ張らなかった『おんな城主 直虎』も偉かった。
本作はもちろんどちらに似ているわけもなく、どちらかというと『花燃ゆ』のグダグダジェネリック大奥編に近い気がします。
気合は入っているらしいです。
字幕入りで奄美方言を流すとか、豪華ロケをするとか。
でも、なんだか力を入れる方向がおかしくないですか?
まさか「安政の大獄」があの一瞬で終わった橋本左内処刑で終わりとか、言いませんよね?
まぁ何の期待もしていませんけど。
薩摩ホームドラマ編より、江戸編の方が若干盛り上がった気がしないでもない、本作。
島編はホームドラマ編以下の盛り上がりになりそうです。
今週でとぅまと結婚、来週で京都に戻るくらいのペースでちょうどいいのになぁ。
とにかく迷走しています。
最大の問題点は、史実と真逆であること。
西郷どんは島で暮らし妻子を得ても、島民を見下していましたし、明治維新以降も「黒糖地獄」を推進しています。
美化ありきでは、何の誠実さもありません。
蛇足:年表通りのドラマなの?
批判記事も出てきました。
◆大河ドラマ『西郷どん』に「なんで?」噴出! 中園ミホ脚本は「飛躍しすぎ」「関係が雑」?(→link)
まずは記事から引用させていただきますね。
「脚本の中園ミホが、歴史知識に乏しいことも理由として考えられます。彼女自身、今年初頭にアップされた『スポニチアネックス』のインタビューで『歴史に強くない』と明言していることからもわかります。ドラマの前半は、登場人物がそこまで多くなかったため、史実を飛び越え、空想の余地がいくらでもありましたが、人物が増えるにつれ、次第にその余白もなくなってきたのでしょう。今や日本史の年表を、そのままなぞって演じる『再現ドラマ』の様相になってきました」
これはねえ。
むしろまともに年表を参照していたらどれほどマシだったことか。
本作は変な方向のねじ曲げておいて、しかもつまらない。
整合性が無茶苦茶になっているからたちが悪いのです。
歴史をねじ曲げないという点では『花燃ゆ』の方がマシでした。
あわせて読みたい関連記事
-

幕末維新を最も動かした男・西郷隆盛|誕生から西南戦争まで49年の生涯
続きを見る
-

薩摩藩士から維新三傑へ脅威の出世 なぜ大久保利通は紀尾井坂で死を迎えたか
続きを見る
-

ホントはすごい西郷従道(信吾)兄の隆盛に隠れがちな”小西郷”の実力に注目
続きを見る
-

幕末に薩摩から将軍家に嫁いだ篤姫「徳川の女」を全うした47年の生涯とは?
続きを見る
-

幕末薩摩を躍進させた島津斉彬の生涯|西郷らを見出した“幕末の四賢侯”とは
続きを見る
【TOP画像】
『西郷どん完全版第壱集Blu-ray』(→amazon)
【参考】
NHK西郷どん公式サイト(→link)等














