ネッシー

ネッシー博物館にあるネッシーのイメージ銅像/photo by StaraBlazkova wikipediaより引用

イギリス

ネス湖のネッシー&池田湖のイッシー! UMAは怪しいからこそ心奪われ

自分で遭うのは怖いけど、人から聞けば心も躍る【未知との遭遇】。

未開の地だとか、生態のよくわかっていない生き物だとか、あるいは大昔の遺跡だとか。

「新しく発見されました!」なんてニュースがあるとついつい見てしまいませんか?

その一方で、明らかにデタラメな目撃談や怪しいUFOの話もこれまた数多くあり、今回はその辺が交差していたニュースのお話です。

1933年(日本では昭和八年)11月13日、イギリス・スコットランドにあるネス湖で「謎の生き物が発見された」という新聞記事が出ました。

いわゆる”ネッシー”です。

最近のお若い方はご存じないかもしれませんので、基本情報から見て参りましょう。

【TOP画像】ネッシー/wikipediaより引用

 

ネス湖は1万1,000年前まで氷付けだった!?

ネッシーとは、「海の恐竜」と言われる首長竜と同様の形をした海棲生物です。

首長竜の一種と思われたネッシー(こちらはプレシオサウルスの骨格図)/wikipediaより引用

ネス湖で目撃されたという生物も水面から長く伸びた首でしたが、言い換えれば「全貌を見た人は誰もいない」ということになります。

はい、「怪しげなUMAネタやんけ」と思われた方も多いでしょうが、まぁ、仕方ない。その通りです。

ただし、イギリスから海を飛び越えて日本でも大きな社会現象になったことは興味深く、当時、ネッシーを写したとされる写真でもその影形は不鮮明で、謎っぷりに拍車をかけたのでした。

謎が謎だけでなく観光客を呼び、今でもネッシーを見ようとネス湖を訪れる観光客がいるほどだそうです。

ありもしない生物について色々と詮索するのはあれですが、その正体については首長竜の生き残りというか末裔説やら、別の動物もしくは物陰の見間違え説やらいろいろあります。

しかし生物学的に考えると、ネス湖そのものが狭すぎてとても巨大生物が生息できる環境ではないとか。

食料やら個体数やら、諸々の条件が揃わないと繁殖できませんしね。

首長竜の生き残り説については「そもそも恐竜のいた時代にネス湖は存在しておらず、しかもネス湖周辺は地域丸ごと1万1,000年程前まで氷付けだった」そうなので、ほぼ完全に否定されています。

ついでに言うと、ネス湖の湖畔はアーカート城という城があって、イングランドvsスコットランドの戦地になっていましたので、もしそんなデカい生き物がいれば戦争どころではなかったと思われます。

戦争中だからそんなもん見てるヒマなかったというのもありえますが。

 

池田湖のイッシー

日本でも似たような騒ぎは何回か起きています。

有名なのはネッシーをもじった「イッシー」やツチノコでしょうか。

これまた最近のお若い方には「何それwww」かと思いますのでちょっとだけお話しましょう。

イッシーは鹿児島県指宿市の池田湖というところで目撃されたとされている生き物です。

「体長10~20m程度で黒いこぶを持っている」と言われていますが、元々オオウナギという大型の魚が多く生息する場所でもあり、さらに水がにごっていて水中調査がはかどらず、今もいるのかいないのかよくわかりません。

ここのオオウナギは2m級のものが珍しくないらしいので、その見間違い説が根強いですが、10mを超えるとなると全く別の生き物である可能性も高そうですね。

「オオウナギとは別の巨大な新種の生き物である」ということが確認されたら、イッシーという名前になることでしょう。

ちなみに地元では池田湖の守り神と考えている人もいるそうで、空想歴史読本の著者である円道祥之氏が「捕まえたらいくらもらえますか?」と市役所に問い合わせたところ「神様なので捕まえてはいけません」というマジレスが返ってきたそうです。そりゃそうだ。

日本だと神様とか人魚とか河童とか捕まえるとロクなことにならないってのがセオリーですしね。

ちなみに湖畔にあるイッシー像はこんな感じです。

イッシーの像/photo by Smbd wikipediaより引用

えぇと……ネッシー像に比べると、リアルに寄せる気が薄いと申しましょうか……。

まぁ、神様なので見る人の目によって変わってくることもありそう、ということで。

 

縄文時代の石器や土器にツチノコらしき絵が!?

ツチノコは”お腹の部分が左右に広がった蛇”といった感じの生き物。

日本で長いこと話題になってきた幻の生物で、子供の頃は信じていた方もいらっしゃるかもしれません。

なんというか……河童よりちょっとだけ現実感がある、みたいな。

同じ体型の蛇やトカゲは何種類かいるそうなので、どれかの見間違え説ということで概ね話が片付いていますが、気になるのは縄文時代のものといわれている石器や土器にツチノコらしき形や絵が描かれているものがあることです。

もしそうだとしたら、誤認にしては頻度が高いような……。

今でもツチノコを追い求める人はいるそうですし、頻繁に目撃談が出てくる地域もあるようなので、いずれはっきりわかるかもしれません。

『コレクト倶楽部』(味覚糖、2002年)のツチノコ模型/photo by Stray Sloth wikipediaより引用

こういった話題は全く興味のない方にとっては「妄想乙www」で済んでしまう話です。

しかし、人間が万能な生き物ではない以上、未知や不可知の存在がいても別におかしくはない。

例えばトロイ遺跡なんかも当初は「伝説乙www」という存在だったと言いますしね。

まあ、知らなくていいことを知ってしまったがために、人の道を踏み外してしまう例もありますから、解明されることが絶対に良いとは限らな……ああ、窓に!窓に!

長月 七紀・記

【参考】
ネッシー/wikipedia
イッシー/wikipedia

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