『おんな城主 直虎』感想レビュー第4回「女子にこそあれ次郎法師」 かぶをガブッ!で子役編は締めくくり

 

こんばんは、武者震之助です。
爆弾娘・とわが、駿府から井伊に戻りました。
本領安堵の条件とは、とわを出家させること。鶴丸(小野政次)もとわが帰ってきたことから、トレードされて無事家に戻されました。はしゃいでいるとわですが、聡明な鶴丸は気づいています。出家したら、とわは亀之丞(井伊直親)と結婚できないのです。しかしとわは、気づいていなかったのでした。

大人の方でも困っていました。本領安堵条件がとわの出家となると、とわをコッソリと還俗させるのもなかなか難しくなったからです。皆アタマを抱えている中で、南渓和尚(南渓和尚)が「明日、今川滅ぶかもしれないし!」とヘラヘラ笑うのが毎度呆れてしまいます。コイツが、井伊家では智謀トップ、軍師ポジション……それに、今川が滅びたら滅びたで大変なことになるんです。

亀之丞と結婚できないと気づいたとわは、出家に乗り気でなくなります。
母の千賀(新野千賀)は「己を犠牲にして井伊家を救うあなたは三国一の姫ですよ!」と持ち上げ、なんとかとわをその気にさせるのでした。

鶴丸は、父の小野政直に自分たち家族の安全のためにも、主である井伊家に逆らうような真似はやめて欲しいと懇願します。
しかし政直は全く取り合いませんでした。

 

「女子にこそあれ次郎法師」

とわは剃髪し、次郎法師と名を改めます。

次郎とは井伊家の家督を継ぐ者がもらう名です。徳川家の竹千代のようなものです。ここで、井伊直虎を語るうえでよく使われる、
「女子にこそあれ次郎法師」
という言葉が出てきます。

男の名は嫌かと南渓に問われたとわは、自分が男ならば亀之丞もあんな目に遭わずに済んだと言います。元気はつらつとした彼女なりに、自分が男ではないことに悔しさも感じているのでしょう。

かくしてとわ改め次郎は龍潭寺の山門をくぐろうとします。
そこへ仁王像のように立ちふさがるのが昊天(昊天宗建)と傑山(傑山宗俊)。入門を乞わねば門をくぐらせないと宣言し、次郎法師を何度も投げ飛ばします。先週の蹴鞠の場面もそうでしたが、ちょっとここは繰り返しがくどいです。

泥だらけになりながらやっと寺に入ると、南渓に「出家とは何か? 僧とは何か?」と問いかけられます。この不親切で不思議な問答を見ていると、『一休さん』や映画の『少林寺三十六房』を思い出してしまうのでした。寺に入ると理不尽な問いかけをされ、それを悩むことこそが修行なのでしょう。畑仕事、粗末な食事、施餓鬼、過酷な生活が次郎法師を待ち受けます。

次郎は音を上げ、家に戻って食事を平らげます。さらに「あんな所で暮らすのは無理じゃ! 死んでしまう!」とまで。母の千賀は、本領安堵の出家なのだから戻って来られては困る、結局井伊家を潰す気なのかと厳しく問いかけます。次郎はこんな家こちらから出ていってやると吐き捨て、戻ってゆくのでした。

その様子を見ていた直盛と左馬助は驚き、左馬助(千賀の兄・新野左馬助)は「きつい女子だのう」と漏らします。
ここで千賀は「兄上たちは不甲斐ないからです!」と声を荒げ、さらに涙声になりながら「そう怒れば何か変わるのでしょうか。とわを返していただけるのでしょうか」と思わず本音を漏らします。そして最後に「ご無礼を」ときちんと自ら謝り、さっと身を引くのが流石です。
そうですよね、千賀だって辛いんですよね。本当は帰ってきた一人娘を抱きしめ、お腹いっぱい食べさせてあげたいことでしょう。なんでその気持ちをわかってやれないんだ、左馬助!

 

またもや良からぬ一計を案じる井伊直平

昊天は南渓に、在家出家でもよいのに、なぜ寺に次郎を置くのか尋ねます。
南渓は次郎に素質を見いだしたとそれっぽいことを言いますが、個人的にはこの人は奥が深そうなことを言いながらも、実は何も考えていないのではないかと思ってしまうんですよね。

ここで存在自体が火薬庫のようなご隠居こと直平が、とある若者と出会うことでもう一つのプロットが動き出します。

亡き井伊直満の領土は、なんと小野政直のものとなることが決まりました。政直は自らの外交手腕をアピールしつつ正統性を訴えますが、井伊家の皆は納得するわけがありません。井伊家の家臣たちは「直満の死、亀之丞の出奔、とわの出家、全部小野の野郎のせいじゃないか!」と怒り、不満を直盛にぶつけます。
そこへテンションが妙に高い、井伊直平がやって来ます。直平が持ち出したのは、父(第一回で殺された北条家の密使)の仇討ちをしようとしている青年の話です。

青年にそれとなく政直が父の仇であると告げれば政直を葬れるというわけです。直平は毎度毎度とんでもないことを言い出します。この元気過ぎるし口出しをやめようとは思わない隠居も、井伊家の大きな問題点ではないでしょうか。

次郎は食事の不満を南渓に訴えます。南渓は「托鉢してくればいい」と無責任に次郎を送り出します。
お椀ひとつ抱えて市場へと走ってゆく次郎。いい加減にしろよ、南渓! この無責任生臭坊主! そう思わず言いたくなってしまいます。しかも自分は酒を飲んでおやつも食べているという。
市場に向かった次郎はお椀を物売りに突きだして何かくれと訴えますが、当然相手にされず追い払われます。

一方で直盛は、小野政直暗殺計画を実行にうつされたらどうするかと悩んでいます。交渉窓口役を消したらばどうなるか、昨年の大坂方による片桐且元追放を見ていたならばわかると思います。今、小野政直を殺害したら、今川は井伊家を潰しに来るでしょう。そうなれば井伊家は終わります。

次郎は畑から蕪を盗み、井戸の横でかぶりつきます。これが井伊家の姫の姿なのか……そこへやって来たのが鶴丸です。

もう嫌だと叫ぶ次郎を見て、同情する鶴丸。亀之丞の竜宮小僧にはもうなれないと嘆く次郎に、鶴丸は僧として亀之丞を助ければよいと助言します。
鶴丸は本当に聡明でよい子だなあ。彼はよい子であればあるほど、あとが辛くなるのです。
続きは次ページへ

 

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コメント

    • 柴犬三昧
    • 2017年 1月 30日

    官兵衛さんに、大賛成(‘ω’)ノ

    • なんとか官兵衛
    • 2017年 1月 30日

    気の利いた重臣なら直盛に側室を奨めるでしょうけど、そんな描写は今時カットなんですかね。
    お家安泰のためなら、子沢山に越したことはありません。
    直盛もまだ若いはずですし。

  1. >しかも自分は酒を飲んでおやつも食べているという。
    食べていたのは味噌饅頭みたいですね。

    • 匿名
    • 2017年 1月 30日

    直平の暴走ぶりを見て
    「(((・△・;)な、なんて思慮が浅いんだ!!危ういにも程がある!まるで去年の大坂城に集った牢人たちを見ているようだ!」
    と、ハラハラいたしました。
    しかしこういった血の気の多い人たちが、当時の侍の大半だったんでしょうね。
    そして、知謀にすぐれた者達に食い物にされて消えていった…。
    理解できる反面、切ない話です。

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