「皇居乾通り一般公開(春季)」で桜……ではなく江戸城愛でる城マニア!

天皇陛下の傘寿を記念して2014年4月に始まった「皇居乾通り一般公開(春季)」

※コロナウイルスの影響で2020年春は中止(宮内庁

一見、お城の「お」の字も出て来ない桜を愛でるイベントです。

されど、実態は
「皇居乾通り一般公開」

(お城マニアの脳内変換)

「江戸城西の丸から超レアな石垣が拝めるヨ(;´Д`)ハァハァ」

ということで私も初回(2014年)に参加してきたのでご報告させていただきます。

だって、西の丸に入れるだけじゃなく、本丸西側の石垣ってめったに見れないじゃないですか。

あそこは南北に一直線に連なる日本のGreat Wallですよ。これを見ずに日本の城を語れますか?

「乾通り一般公開」は南の坂下門から北側の乾門に向かって南北に伸びる「蓮池堀(はすいけぼり)」と「乾堀(いぬいぼり)」沿いを歩きます。

画像と共に紹介します、最高です!

さて、当日――。

油断して現地に着いたら既にこの賑わいでした。

photo3

なんせ第一回のイベントですから世間にはあまり知られていなそうだし、昼前にちょこっと行って城から出て来たら飯だなくらいに考えていたんです。

そうしたら、みんな「知ってた」という恐るべき情報社会。
さすが江戸城の集客力だ、日本一だ!

いやいや、みなさん桜を見に来てるんですよね。

 


携帯の電波が入らない!警官に切れるオバちゃん

入場制限があり、スタート地点の坂下門をくぐるまで1時間。

順番待ちのオッチャン、オバチャンたち(注:平日の昼間です)のイライラがやばくなってきました。

「向こうの列の方が早い」とか「私たちの列は忘れ去られているんじゃないか」など徐々に人間不信に……。

しまいには警察官に「携帯の電波が入らないんだけどどうしたらいいの!」と、全く関係ないことで警察に絡み始めています。

人生の諸先輩方もみな平等に人間性を試される炎天下のガマン大会。1時間以上におよぶガマン大会を勝ち抜き、坂下門をくぐって、いよいよ入城しました。

photo4

江戸城本丸南側の司令塔「富士見」。

富士見櫓はどの角度から見ても同じ形なのが特徴ですが、坂下門をくぐらなければこの角度からは見ることができません。

どの角度から見ても同じとは言え、特に櫓の北西側の壁はレアです。

丸の内のビル群を背景にするのもレアな角度。イキナリお腹いっぱい♪

乾通りは南北にひたすら伸びた一直線の道ですが、

photo5

侵入者はこのように開けた乾通りに対して本丸側の城壁から一斉射撃をひたすら受け続けるという恐怖の縄張りでもあります。

 


マニアが泣いて喜ぶ”石垣の見えるトイレ”

なんと!

トイレから石垣を観賞できます。

photo6

マニアにはたまらないトイレですね。

抹茶を大量に垂れ流してしまったような手前の堀が「蓮池堀」です。

photo7

夏にはこの堀が蓮で埋め尽くされるそうです。

もちろん夏は一般公開されませんので、見ることはできません。

が、本丸側の庭園から背伸びすると、蓮で埋め尽くされた蓮池堀が少しだけ見えます。完全にのぞき行為ですがね><;

乾通り沿いに一直線に掘られたこの蓮池堀は、中世には千鳥ヶ淵から日比谷入り江に流れ込む川でした。

徳川家康が江戸城を拡張し始めた1590年代には既に堀として整備されていたというレアな堀です。

この眺めだけでも炎天下にオッチャン、オバチャンに囲まれて、ひたすら愚痴を聞かせれ続けた甲斐があったというものです(ここまで桜の話題なし)。

photo8

江戸城本丸に現存する「富士見多聞」こと武器庫です。

こちらも火縄銃で狙撃されるまくるという恐怖のスポットを再現できますね。

 


初期江戸城の鑑賞スポット 道灌堀に人だかりが!

初期江戸城の観賞ポイント「道灌堀(どうかんぼり)」が見えてきました。

photo9

すごい人気ですね。
道灌堀。
全く近づくことができません!

はい、分かってます。桜ですよね、桜。

photo10

桜見物の方々の間隙をぬって、道灌堀を正面に収めることができました。

これが江戸城西の丸内部に向かって流れる道灌堀です。

このポイントは乾通りに来ないと影すら拝めません。

ちなみに堀の左側が「紅葉山」です。江戸城の歴史はこの紅葉山から始まりました。

江戸城西の丸ができる前は、堀の右側に「横山村」という村があったそうですが今はまさかの吹上御所です。
※続きは【次のページへ】をclick!


次のページへ >



-
-

×