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【毛利軍が上月城を包囲!】
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出陣準備を進めるも豪雨に見舞われ
戦国大名にとって、敵は他の大名だけではありません。
せっかく出陣した織田軍ですが、天正六年(1578年)5月11日から、京都周辺で丸二日以上も豪雨が続きました。
村井貞勝がかけた四条の橋や、多くの家も流されて、多数の死者が出たといいます。
新暦では6月中旬頃のことですので、豪雨があってもおかしくない時期です。
しかしこの雨の前から、信長は「5月13日に出陣する」と命じていました。
信長は基本的に、予定を決めたら変更しない人です。そのため、皆は今回も予定通り出立するだろうと考え、雨の中で出陣の支度を続けました。
淀や鳥羽などの者たちは、数百艘の船を手配し、五条の油小路まで参上・待機したそうです。
この報告を受け、信長は大変喜んだとか。
『信長公記』にはこの後出陣したのか、そもそもどこへ行く予定だったのかが書かれていません。
前の節の流れからして、既に中国方面へ出陣していた信忠たちの後詰に行く予定だったと思われます。
しかし、24日には秀吉軍からの使者として竹中半兵衛(重治)が京都へやってきていますので、おそらくこのときの信長は京都にとどまっていたのでしょう。
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一息ついて祇園会見物や鷹狩など
半兵衛は備前八幡山の城主が秀吉軍の味方についたと報告し、信長はこれにも満足。
秀吉に黄金100枚、半兵衛に銀子100両を下賜しています。
この報告を受け、中国方面にはまだ自ら出陣する必要がないと感じたのか、27日には洪水の被害を確かめるため、信長は一度安土へ戻りました。
お小姓衆だけを連れて行ったとのことですので、最初からすぐ戻るつもりでいたと思われます。
また、松本~矢橋の間は、琵琶湖を舟で渡ったとあります。
安土の被害については特記がありませんが、6月10日には同じルートを使って再び上洛しています。洪水の被害自体はさほどでなくても、それなりに処理すべきことがあったのでしょう。
おそらく信忠はまだ中国に対陣中の時期だったと思われますし、美濃・尾張などの状況を確かめ、指示をしていたのかもしれません。
再上洛後の6月14日には、祇園会見物をしています。
このとき、信長は身辺警護をするお馬廻衆・お小姓衆にも「武装は無用」と命じていたとか。そのため、みな武器を持たずにお供をしたそうです。
その後、お小姓衆10人ほどを連れて鷹狩に出かけています。なんだか意外と呑気ですが、行き先は書かれていません。
この日は、近衛前久に普賢寺(京田辺市)あたりで知行1500石を進呈したそうですので、このお寺の近くへ行っていたのでしょうか。
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次回は「神吉城と志方城」の攻略に取り掛かります。
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信長公記をはじめから読みたい方は→◆信長公記
長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典
太田 牛一・中川 太古『現代語訳 信長公記 (新人物文庫)』(→amazon)
日本史史料研究会編『信長研究の最前線 (歴史新書y 49)』(→amazon)
谷口克広『織田信長合戦全録―桶狭間から本能寺まで (中公新書)』(→amazon)
谷口克広『信長と消えた家臣たち』(→amazon)
谷口克広『織田信長家臣人名辞典』(→amazon)
峰岸 純夫・片桐 昭彦『戦国武将合戦事典』(→amazon)