明治・大正・昭和

犬の名前はなぜポチなのか?起源は明治時代 ある意味これも文明開化

ペット保険を手がけるアニコム損保さんによると、「2018年犬の名前ランキング」の上位は以下の通りです(参照)。

1. ココ
2. モモ
3. マロン
4. ソラ

ちなみに「2017」とほとんど同じ(参照)。

1. ココ
2. ソラ
3. マロン
4.チョコ

なんだか想像するだけでも可愛らしい名前が並んでいますよね~。

あくまでイメージですが、トイプードル、ヨークシャテリア、チワワあたりに付けられそうな感じと申しましょうか。

お菓子のように可愛らしく、夢のある名前をつけたい――飼い主のそんな温かい気持ちを感じます。

これが昭和になりますと、「クロ」とか「シロ」、あるいは「ブチ」といった毛色由来の名前が多かったように感じるのですが、他には映像作品などにも影響されたりするようで。

漫画・ドラマ『動物のお医者さん』のチョビとか、映画『南極物語』のタロとジロとか、大ヒット作品に関連して名付けられる現象はよくみられました。

さらに時代を遡ってみます。

毛色や模様からの由来ですと、白虎隊士・酒井峰治の愛犬「クマ」がいます。

おそらく熊のように黒かったのでしょう。

白虎隊の生き残り・酒井峰治の『戊辰戦争実歴談』が超生々しい!愛犬クマ可愛い

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『南総里見八犬伝』の犬は「八房」。模様が八カ所あるわけです。

『南総里見八犬伝』の八房/wikipediaより引用

毛色ではなくどういう理由で付けられたのかわからないのが、『枕草子』に出てくる「翁丸」。

北条高時は「雲竜」ですから、なんだかお相撲さんのようでもあり、立派な体格の犬をイメージしますなぁ。

北条高時の最期は「腹切りやぐら」鎌倉幕府の滅亡で一族ほとんど自害へ

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西郷隆盛の愛犬は「ツン」。

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残念なことに、犬を愛した人がいたことはわかっても、愛犬の個体名はあまり残っていないようです。

円山応挙の描いた子犬、可愛い!

 

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ランキングに登場しないのに典型的

さて、ランキングに全く登場しないものの、「犬といえばコレ!」という典型的な名前があります。

それは、ポチ――。

メディアでも度々登場しております。

「THE 犬」と思える名前といえば? 1位「ポチ」マイナビウーマン
「ポチたま」
「タマ&フレンズ」

さて、この「ポチ」ですが、起源をご存知でしょうか?

というか「起源があったのをご存知でしょうか?」とお尋ねしたほうが良さそうですね。

結論から申しますと、明治時代。

この時代、多くの外国人がやってくることによって生まれたのです。

まず、背景に、こんなエピソードがあります。

幕末から明治にかけて、来日した外国人は愛犬にこう呼びかけておりました。

「カモン、ジョン!」
「カムヒア、ジャック!」

このときの「カモン」とか「カムヒア」の発音が、日本人には「カメ」と聞こえてしまった。

そして『そうか、西洋じゃ、犬のことを「カメ」と呼ぶのか』という誤解が生じ、今度は洋犬を「カメ」と呼ぶという、ちょっと奇妙な状態になったわけです。

同時に問題になったのが、そんな洋犬「カメ」たちにふさわしい個々の名前です。

それまで犬の名前と言えば、【トラ、クマ、ムク、クロ、シロ】といった名前がほとんど。一目で特徴のわかる名前が好まれておりました。

仮に共同体で飼育する場合、都合がいいということもありましょう。

「クロはどこに行った?」と聞かれたら、とりあえず黒い犬なんだな、とわかりますからね。

では洋犬「カメ」はどうするか?

というと西洋風の名前にしようということで、ジャック、ジャッキー、ジョンといった名前が増えてきます。

その中の一つに「ポチ」もあったのですね。

当時は、これが西洋っぽい、お洒落ネームだったのですね。外来語のフシギです。

一方で外国人にとっては狆が大変珍しいお土産として人気を集めました。エドワード7世妃アレクサンドラと愛犬パンチ/wikipediaより引用

奈良時代からの愛玩犬「狆」に斉彬もペリーも斉昭も思わずデレデレ

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