桜島の大正大噴火/wikipediaより引用

明治・大正・昭和

海へ流れ出た溶岩で島と半島がつながった「桜島の大正大噴火」は近代最大の破壊力

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桜島の大正大噴火
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『科学不信の碑』

もしも噴火が起きたらどうするか?

少なからず対策を考えておくだけでも最初の一歩目が違うはずだが、ほかならぬ東桜島小学校には非常に興味深い石碑が残されている。

その名も『科学不信の碑』である。

こちらは東桜島小学校に建てられた『科学不信の碑』/鹿児島大学名誉教授・岩松 暉氏『石碑にみる桜島大正噴火の災害伝承』より引用

こちらは東桜島小学校に建てられた『科学不信の碑』/鹿児島大学名誉教授・岩松 暉氏『石碑にみる桜島大正噴火の災害伝承』より引用

文字通り「科学を盲信するな」ということだが、なぜ、そんなことがわざわざ石碑にして伝承されているのか?

それは1914年に大正噴火が発生する直前、当時の観測機関である「測候所」が「噴火はない」と誤った判断を下し、その結果、人々が大混乱に陥ったからである。

桜島の大正噴火11

被災者は2万人に達したという/内閣府HPより引用

実は、噴火が起きる前から同地方では、『地震が頻発している』とか『井戸の水位が不自然』などの現象が起きており、こうしたときは危険な兆候だとする言い伝えを信じて逃げた村民たちも存在した。

亡くなられた村民の大半が、慌てて海へ飛び込んで溺死だった結果と照らし合わせると、その心構えの差は歴然であろう。

科学は無視してはならない。

されど盲信するのも危険。

未知なる自然を前にして我々はともかく無力であり、常に真摯であるしかないのだろう。


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文:五十嵐利休

【参考】
内閣府 災害教訓の継承に関する専門調査会報告書『1914桜島噴火』(→link
桜島/wikipedia(TOP画像含む)

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