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『光る君へ』感想あらすじレビュー第5回「告白」

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『光る君へ』感想あらすじレビュー第5回「告白」
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花山天皇の張り切りぶりに、実資は納得しない

即位した花山天皇は張り切って政治改革を断行中。

関白も、左大臣も、右大臣も無視してどんどん進めよ、とのことで、側近たちは皆、頭を下げています。

しかし藤原実資は納得できない。帝を諌めるよう、藤原義懐に訴えます。

夢を語るだけではならない。実現できなければ世が乱れる。夢を掲げて試してしくじったら、朝廷の権威は地に落ちるとのこと。

それでも強気な花山天皇の側近コンビに実資はあらためて強く言う。

安請け合いはするな、政治は子どものおもちゃじゃない、先の帝はそんなことはしなかった。

側近コンビが、そんなこと誰かに聞かれてもいいのか、帝に聞かれてもいいのか?というものの、実資は誰に聞かれても構わぬと強硬です。

毎回強気を見せてくる実資には謎の中毒性があります。ロバート秋山さんが見事ですね。

藤原実資
『光る君へ』でロバート秋山演じる藤原実資とは一体何者なのか?

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ただし、この場面の実資は正しいのかどうか。

荘園なり、銅銭の流通に関して、この頃からあった問題が、やがて立て直しができなくなるのでは?

すでに制度疲労を起こして亀裂が生じていたならば、何か対策をせねばならなかったのでしょう。

そうはいっても帝はまだお若く、藤原忯子を熱く寵愛しているとか。

藤原忯子
藤原忯子~花山天皇に激しく寵愛された"女性像"は源氏物語に反映?

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あまりに寵愛しすぎて、忯子は寝込んでいます。

女房たちも、気の毒だの、幸せだの、ざわついております。

 

貴公子たちの政治改革への思い

こうした政治事情を受け、平安のF4たちもおしゃべりしながら、政務をこなしております。

藤原斉信(ただのぶ)はまだ若い天皇の志に感銘を受け、思ったよりも長持ちするかもしれないと語ります。

彼は、花山天皇が寵愛する忯子の兄。もしも妹が皇子を産めば実権を握りますし、その願望も抱いているのでしょう。

藤原公任(きんとう)は、その割には官位が上がらないと嫌味をチクリ。女御を寵愛していても、兄は気にならないのか?と毒舌全開です。

それでも斉信は、公任の父である関白・藤原頼忠の世は過ぎたと言い出します。新しい政治をしていると期待を込めて語る。贅沢を禁じ、銅銭を鋳造し、荘園を没収するそうです。

親の代にはなかったことだ、帝はただの女好きではないと賞賛していますが、同時に危うさもありますね。

荘園は貴族の収入源です。そんなところに手を入れられたら、反発は必至でしょう。

公任が、帝の側近は成り上がりだとそっけない態度に対し、斉信は、側近のことはどうでもいい、新しい世になることへの期待を語ります。

道長だけは、ボーッとしています。聞いていなかったのかと問われ、聞いていたと返す道長。

「なるようになるだろう」

公任と斉信は苛立ちつつ、また口論になりそうな気配があり、官位が上がってから意見を言え!といよいよ険悪になると、それまで大人しかった藤原行成が、弓の稽古をしようと言いだしました。

公任の言い分はまさに貴族。往年の名作漫画『ベルサイユのばら』に、こんな台詞があります。

「文句があったらいつでもベルサイユへいらっしゃい」

「言いたいことがあるなら官位が上がってから言いなさい」

そっくりで、いいですねぇ、公任!

公任を演じる町田啓太さんは、なんだか大変なことになっているようです。

海外アジア圏において、『光る君へ』関連検索に彼の名前が上がっているのです。

日本の時代劇といえば、武士主役の作品が多い。そんな中、文官といえる平安貴族の姿は珍しいだけでなく、その優雅さはアジア宮廷ものの雰囲気がある。

雅な宮廷美男日本代表として、彼は注目を集めているようです。日本代表としてがんばってください!

 

行成、道長に代筆を申し出る

心根の優しい藤原行成は、道長に悩んでいるのかと話しかけます。文なら代筆するぞ、と提案するのですが……。

「いらぬ!」

強気に返す道長ですが、書に注目するとかなり笑えるやりとりです。

F4の場面では、貴公子たちが綺麗に筆を握っていました。

力を入れ過ぎず、そっと優しく雅に持っている。特に行成は繊細さを感じさせる。

しかし、道長は姿勢が悪いし、筆の持ち方がイマイチ。これは演技や指導が悪いのではなく、意図してのものでしょう。

道長は字が下手なのです。

筆を寝かせるわ。墨がかすれるわ。そういう下手な字を書く人物として演じるとなると、残念な姿勢でなければいけない。

そのくせ、筆は特注品の最高級のものを使っているのが、実にたちが悪い。なんでも道長の字が上手だと、演出からダメ出しが入るそうです。

そんな道長に対し、行成は書道の達人。

行成は清少納言に「センス悪いわね〜」とからかわれるようなものを書いてしまう。

しかし、マヌケな和歌だろうと、手紙だろうと、行成は筆跡があまりに美しいから、清少納言が定子サロンで回覧してもおかしくありません。

そんな字の事情を踏まえると、行成は「道長は字が残念だもんね」と気遣ったような、含蓄のあるシーンで笑いを誘われます。

◆ 吉高由里子はいら立つスタッフに「ねぇ、怒ってるの?」 書道家明かす大河現場の癒しフォロー(→link

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