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【青天を衝け第15回感想あらすじレビュー】
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西郷吉之助現る
場面変わって、突然ドタバタ劇が始まります。
「おまえは なにものだ」
「まて! 折田先生が 殺される!」
「これは 大変だ!」
なんでも折田の態度が悪いと、西郷吉之助(西郷隆盛)が叱りにきて、首を絞めています。
薩摩隼人は荒っぽいし、そういうこともあるのでしょう。
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このあと親切な西郷どんは、栄一との会話で五代才助(五代友厚)のことを話します。
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五代が逃亡しているのは機密情報では?と思うのですが、ディーン様を見せたいから仕方ない。
武州辺りにいると聞いて「自分も武州っす!」と答える栄一が、新入生や新社会人トークみたいにも見えてくる。
端的に言って隠密の才能があるように見えない栄一。
一応はクエスト完了をし、平岡円四郎に報告します。
禁裏後守衛総督
折田は使えない。宮からも相手にされていない。島津久光が山階宮に接近している。
そんな報告をする栄一。
誉められた栄一は、関東の志士スカウトを願い出ます。
昔の水戸学のお仲間を集めようとしているんですね。これは覚えておきたい。そして栄一が目をつけた志士がその後どうなったかも。
ともあれ円四郎は聞き入れてくれます。
このあと、ピンクのフォントで「禁裏」と出ます。
徳川慶喜は、久光が禁裏後守衛総督の座を狙っているという噂を耳にしていました。
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かくして噂が真実へと繋がります。円四郎は、久光が禁裏後守衛総督を狙っているからこそ、折田を工作員にしていると判断したのです。
慶喜はこの陰謀を止めようとします。
今、天子様に信じられているのはご公儀と会津藩と慶喜とアピール。本当に信じられていたら「二心殿」なんて呼ばれないと思いますけど……まあいいでしょう。
ともかく「今まで政を嫌がっていた殿が!」とテンション上がる円四郎です。
主君からの命を受けて工作活動を始め、かくして慶喜は将軍の後見職を辞め、禁裏後守衛総督に任命されるのでした。
京都守護職も会津藩が再選されます。
【一会桑政権】ですね。それにしても、いくら大物俳優の御子息をリアル兄弟で揃えたいとはいえ……『八重の桜』の綾野剛さんのあとでこれはちょっと流石に。
藤田小四郎の蜂起
アテがはずれた久光は激怒です。今回の一件は平岡のせいだとも言い出す。
そんな流れからして円四郎の死因が久光のように見えてしまいますが、そもそも暴力を解決手段として幕末に持ち込んだのは、井伊直弼を討った水戸藩です。
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久光の倒幕方針まで、まるで個人の嫉妬で片づけられてしまうかのような描写で困惑するばかり。
そのころ慶喜は、武田耕雲斎に書状を送っていました。
天狗党を率いる人物300名をスカウトし、やる気を見せる武田耕雲斎。その直後のことでした。
藤田小四郎が挙兵!
藤田東湖の子である小四郎が蜂起したのです。この小四郎はどんな活動をしていて、栄一とどう関わっていたのか……。
栄一は薩摩屋敷から去り、大阪から京へ戻ります。
と、その前に栄一のことを気に入った西郷吉之助がやってきて、一緒に豚鍋を食べ始めました。
「これが薩摩の豚ですか」と不思議そうな顔をする栄一。
肉食は医学のためにも推奨され始めていて、慶喜が好んでいました。そこで付いたあだ名が「豚一」。
新選組屯所でも養豚をしていて、周囲の住民からクレームがあるほどですので、栄一が戸惑っているのは奇妙なことです。
西郷を前にして今後の展望を語る栄一。
倒幕し、強い豪族支配が始まる!
幕府は無力で朝廷には兵力がない!
徳川の代わりに誰かが収めるべきだ!
薩摩でよいのではないか?と西郷が問いかけると、久光には徳があるのか?と逆に問いかける栄一です。
徳のある方に、才能がある者を用いて国をまとめてもらいたい。
そんな栄一の言葉に西郷は驚きつつ自身の策を語り、円四郎の身を案じます。
先の見える者は危うい――。
何だか、世の中すべて見きったような言葉でいて、その実、あまり中身の無いようなセリフにも見えてくる、この不思議。
「さすが西郷!」となったんですかね。
久光にあれだけ敵視された平岡円四郎です。先が見えるのであれば、その辺のケアもできると思ってしまう。
というのも、この後、わかりやすい不審者も出てきて、円四郎への死亡フラグがMAX状態。
そんな円四郎に挨拶をして、栄一と喜作は関東にスカウトへ向かうのでした。
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総評
「先の見える者は危うい」って自己矛盾を孕んだ言葉なんですよね。
先が見えるのであれば、危うくなる前にその危機を回避すればよい、という理屈になるはず。
西郷隆盛も西南戦争を回避できたことになってしまう。
でも、勃発してしまった。つまり先が見える人ではない。凡人という設定なんでしょうか。
円四郎は死亡フラグをたくさん立てて、いかにもそこへ突っ走るかのような盛り上げ方。
『あさが来た』の五代様も、予定をかなり過ぎてから死亡フラグを立て、劇的に退場させていましたね。
そのせいでヒロイン夫妻の夫婦愛がよくわからなくなったことを思い出します。
来週は、円四郎の死をハンカチ握りしめて待つところですね。
栄一に学ぶ! アイスブレーク話術
栄一がドヤ顔で「今の島津の殿様って人徳がないよね」と言っていました。
これ、見方によっては狡猾極まりないといえます。
人間の評価なんて立場で変わりますよね。
相手の心を掴みたいなら、相手が思っていそうなことを言えばよろしい。
栄一があそこで久光を貶すのは【西郷と久光が険悪な仲だと踏まえての心理作戦】かもしれません。
テレビの向こうの視聴者にも伝わるテクニックです。
久光の評価は、現在では【幕末屈指の政治力】となっています。
しかし、薩摩藩主力が島津斉彬派であり、怨恨を募らせていた経緯があるため、必要以上に賢兄愚弟扱いをされます。
西郷隆盛は中でも相性が悪い。
それに大河視聴者層の年齢が好きな司馬遼太郎のイメージもありますから、そこまで最新研究を追いかけていない視聴者層は疑いもなく受け入れるんですね。
大河を見たあと「そうそう、久光っていうのはバカ殿でね」
そう家族や部下に話しかければ、なんとなく知性をアピールできる。SNSで呟く方もおられましょうか。そういう心理や社交を踏まえた話術として大変使えます。
『麒麟がくる』でこういうアイスブレークを得意としていたのは、秀吉です。
彼は妻の作った食べ物だのなんだの持ち込んできて、アイスブレークから始めようとする。
しかし光秀はその手が使えないタイプですので、相性が悪いと伝わってきました。
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