青天を衝け感想あらすじ

青天を衝け第22回 感想あらすじレビュー「篤太夫、パリへ」

慶応3年(1867年)1月。

徳川昭武を先頭に、渋沢栄一もお伴することになった遣欧使節団は、横浜からパリへ向かうことになりました。

日本近海を進みながら、早くも船酔いに悩む一行。

栄一は「異人ども」とわかりやすい言葉で外国人を罵っています。いきなりこの調子では人選ミスにも思えてしまいますが。

上海、サイゴン、セイロンと進み、エジプトのスエズに到着。

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にしても、船上があまりに穏やかではありませんか。

船酔いをするほど揺れているはずなのに、その手の動きは皆無。

船を舞台にした作品はそれなりに見てきましたが、ここまで微動だにしないものは初めて見た気がします。当然、波飛沫もありません。

西洋料理を食べる場面もありました。

「これは甚だ美味!」とは、栄一の自伝準拠の場面なのでしょうが、口に頬張ったまま食べた瞬間褒めるではリアリティに欠ける。

劇中でのテーブルマナーはどういう設定なんですかね。和食でも頬張ったまま話さないでしょう。

 

パリ万国博覧会の会場を視察

汽車を乗り継ぎ、55日間の旅を終えてパリへ。

わかりやすい説明セリフで、希望峰を回らないスエズ運河の話をする栄一です。

そして明治村ぽい……と言ってはならないグランドホテルに到着。

通訳は保科俊太郎。メルメ・カションもいます。二週間後が、皇帝ナポレオン3世との謁見ですので、大急ぎで準備を整えねばなりません。

ただ……アレクサンダー・シーボルトがいることにメルメ・カションは違和感を覚えています。彼はイギリス側だと困った顔をしています。

それにしても栄一がガンを飛ばすような場面が多すぎやしませんか?

警戒心や鋭さを演出したいのかもしれませんが、ハラハラしてしまいます。

幕府の一行も、薩摩がいることに焦っていました。水戸藩士たちは荒ぶる。まぁ、幕末一の暴力集団ですから、刃傷沙汰に及ばないだけマシかもしれません。

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それにしても、水戸学の徒であった栄一が、かつての同志を説得するなんて皮肉です。

説明セリフで大和男児をアピールする水戸藩士。こういう外国でのあるあるネタって、昭和の懐かしいお笑いセンスだと思えます。

栄一たちはさっそくパリ万国博覧会の会場を視察します。

蒸気機関――最先端の西洋技術――を目の前にして度肝を抜かれる一行。

栄一の驚き方がざっくりしていますが、ある意味、史実準拠です。

彼は文才を駆使してあれやこれやと褒めるような才能はありますし、コミュニケーション能力も高い。ただし、工学系の洞察力はそうでもない。

万国博覧会の説明もざっくりと入りました。

見て回っても言葉が通じないと焦る栄一。エレベーターにもびっくりだ。そしてまた建物のてっぺんで感動して話している。

なぜ栄一は何度も屋上で驚き、説明セリフで話すのか。

これからはがんばってフランス語の勉強をする宣言をしているけど……なぜそれを屋上で叫びながら?

 

薩摩とモンブランの策略

そして日本のブースへ。

思わず大はしゃぎする一行ですが、すぐに妙なことにも気付いた。

隣の琉球王国では、薩摩の品物が並べられているではないか!

しかも、丸に十字の島津家家紋が、まるで国旗のように堂々と掲げられているではありませんか。

と、ここでモンブラン登場。

なぜ敵対勢力の黒幕がホイホイ出てくるんだろう……という疑問はさておき、幕府側からは田辺太一が出て、薩摩の岩下佐治右衛門に状況の説明を迫ります。

岩下は言う。すべてモンブランがやらかしたこと。モンブランは幕府との交渉失敗で根に持っている逆恨みがある。

田辺は薩摩の旗を外し、出品者を「琉球」から「大君(タイクーン=将軍)」にするよう言います。

しかし、出品者は薩摩のタイクーンにすると強情を張る。

そして五代が黒幕だとペラペラ語るモンブラン。ドヤ顔英語で五代が陰謀を企んでいる場面が入ります。

栄一は「ごだい……?」と曖昧な記憶を探り、妙な顔芸をしています。

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岩下とモンブランを相手に交渉をしていた田辺は、とりあえず表記を【薩摩太守】で変更することで妥協しました。

しかし、それが仇となった。

幕府と薩摩は基本的には同格扱いとして、フランスの新聞に「日本は一つの国ではない連邦国家」とデタラメな情報を掲載されてしまったのです。

これもマスコミ工作ですね。モンブランと薩摩の大勝利です。

しかも、英語の通訳のようで実はイギリス公使館と通じているシーボルトが、外務省宛てに手紙を書いています。

イギリスは薩摩に武器を売り、手を組むつもりですから、探りを入れているのですね。

そんなことすら気づかず、シーボルトを雇用し続ける一行でした。

こうなったら謁見式で気合いを入れるしかない!

外交ってそんなに甘くはない気もしますが、それはさておき、ナポレオン3世の謁見式で、慶喜からの国書を堂々と読み上げる昭武です。

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昭武を演じる板垣李光人さんは眼光鋭く、気持ちも充実している感が伝わってきますね。

しかし、せっかくの彼の好演を邪魔するかのようにVFXの合成が甘いと言うか。

たしかに当時のフランス衣装を再現するだけでも大変だとは思いますが、昭武の衣装も気になります。冠が大きすぎて、小さな顔とのバランスが悪くありませんか。

 

慶喜はロッシュと話を詰め

そのころ日本では、徳川慶喜がフランスのロッシュとの関係を深めています。

フランスの支援を得て改革を行っているところ。栗本鋤雲辺りが頑張っていることでしょう。なんでもかんでも慶喜の手柄にされている感があって、その辺が気になりますが……。

そして大坂城に外国公使を招き入れます。

慶喜の堂々とした振る舞いに、ハリー・パークスも感心。

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しかし、諸外国の言葉で挨拶した慶喜の前で、堂々と幕府ダメ出しの密談をするパークスに驚いてしまいます。

そのころ島津久光は、かつての参与会議を呼び寄せ、政治権力を取り戻そうとしていました。

それを察知して潰した慶喜。彼のクールさを強調したいのでしょうが、パリで薩摩に負けっぱなしの場面を見たあとなので、写真撮影でお茶を濁されても……。

慶応3年(1867年)とは大政奉還のある年。

いわば幕末の一大転機です。

なぜもっと幕末の差し迫った情勢を描かないのでしょう?

島津久光をコケにして慶喜を持ち上げるような描写がとにかく多い。

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血洗島では、尾高惇忠や尾高平九郎がいて、見なし養子の話が進んでいます。

ここでも背景の合成が浮いていてどうしたものかと……。皆で寄ってたかって説得をするのですが、千代の気合を入れた顔がやっぱり喧嘩を売っているというか、怖いというか。

急遽入れた場面のような気がする、不自然なシーンです。

所作指導も甘いというか、幕末の人はやらないような行儀の悪いセリフと動きでどうしたものかと思ってしまいます。

 

「ポトフ! メルシー!」

パリでは滞在費がかさみ、栄一は経費削減に努めることになります。

ホテルを出てアパルトマンへ。

これがなかなか上手くいかず「侍は厄介だ」と愚痴をこぼす栄一です。

昭武の家を見つけたものの、通訳の担当が「値切りなんてできない」として交渉を断ったというのです。

武士は金に頓着がないと栄一は愚痴るのですが、小栗忠順と接触していて、この意見はさすがに無いでしょう。五代の才覚だって描かれています。

そこは「侍」でなくて、お仲間・水戸学フレンズの問題ですね。

このドラマの栄一って、やはり思い込みが激しい。

強い意思を見せたいのかもしれませんが、実際には、偏見が強く、過度に感情的で、しかも人の悪口を楽しそうに話すように感じる。

彼は儒教の何をどう学んでいるのでしょう。

異国の地へ出向いたときこそ、ドラマに深みを与えるような、儒教による知性を見せる格好のチャンスではありませんか? しかし……。

「ポトフ! メルシー!」

ポトフを食べ、値切る。不動産の交渉場面が延々と続きます。まぁ、最終的には昭武が気に入って良かったです。

パリの街を見物に出て、アンヴァリッド廃兵院等の名所を見ます。

何を見ても一本調子で驚く栄一が徐々にクドくなってきた。

ダンスパーティの場面もありました。水戸藩士は荒ぶり、栄一はデレデレしています。実際、栄一は史実でもパリのプロ女性と……まぁその話はいいでしょう。

しかし栄一は焦ります。

毎日楽しいけど、幕府から金が届かない……。

ここで上様の話もやっと入り、説明セリフ会話で金が届かないと説明される。

五代が幕府とフランスの同盟を切ったと大久保利通に報告しています。

薩摩ことばの習得度が演者ごとに異なり、かつ、イントネーションが薩摩と標準語で混ざり合っていて、何がなんだかわかりませんが、さておき。

小栗忠順と栗本鋤雲が困っています。金が尽きているのです。

そこへフランスと交渉していた借款600万ドルが潰れたという悲報が届くのでした。

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