大河ドラマ関連で、久々に嬉しいニュースがありました。
◆戊辰150年に女優・綾瀬はるかさん 会津藩公行列5年連続参加(→link)
大人八重と、チビ八重のコンビが出演。
しかも二人とも会津訛りでコメントだ!
綾瀬さんは「今年も会津まつりにお声かけいただきありがとなし。良いお祭り日和となって、皆さんにお会いできるのを楽しみにしています」、鈴木さんは「皆さん、お元気だったがし? また会津に行くことができてとてもうれしいなし」とコメントを寄せた。
このように地元からの大河愛があり、出演者の心にも根付いていて、シッカリと行動に移す――そんな場面を見ると嬉しくなってしまいますよね。
『真田丸』でも、出演者が地元のお祭りに参加していました。
嬉しいのは全国のファンや地元住民だけではありません。
大河出演が、役者としての転機になることもあります。
綾瀬さんがまさにこの好例。
後にアクション女優としての素質を開花させた契機は、まさしく八重を演じたコトだったでしょう。
社会や歴史に寄り添う番組にも多数出演しており、女優として確実にキャリアを駆け上っていることを感じます。うれしいですよね。
大河が地元でこんなにも愛され、出演者がその経験を大事にしている――。
そういう力が大河にはある。
一方で、こんな悲報もありまして……。
◆「西郷どん」PR用のぼり、1週間で53本損壊(→link)
「西郷せごどん」放映に合わせて同市加治屋町に開設した観光施設周辺で17日までに、PR用に設置されたのぼり計53本の支柱が折られたり、引き抜かれたりしているのが見つかった。
こういう事件はさすがに笑えません。
単なるイタズラなのか。それとも何らかの怒りがあるのか。
もしも不満を抱いているのでしたら、正面切ってブログを書くなり、NHKへ手紙を送るなりした方がいい。
大切なのは、来年以降の作品がより良くなることでしょ……っていうのも実は違うかもしれないんですよね。
地元薩摩で、しかも生粋の大河ファン。
犯人像がそんなプロファイリングだとすれば、今年の本作に対する怒りは理解できてしまう。もちろん、のぼりを壊す等といった幼稚な行為は許せませんけど。
ただ、『花燃ゆ』の時も、銅像が資金不足でなかなか建立できなかった、なんて話もありました(八重は即座に建立できました)。
◆花燃ゆ 銅像、やっと完成 寄付金不足で5カ月遅れ(→link)
あるいは大河ドラマ館ががら空きだなんてニュースや。
◆花燃ゆ大河ドラマ館 客少なく目標30万人「ちょっと厳しい」(→link)
主演女優の井上真央さんも随分と苦労されたなんて記事も。
◆井上真央「花燃ゆ」爆死でギャラが3分の1に下落、松本潤との結婚も遠のいた(→link)
駄作大河の印象が強まると女優としてのキャリアすら傷つけられる、そんな一例になりました。
『西郷どん』の主役・西郷隆盛も、元々は堤真一さんで決まり――そんな報道がありながら直前で主演を蹴ったという報道がありました。
負のチカラを放射しているとしか思えない、2015年と2018年の幕末大河。
放映年に舞台地が賑わうのは当然のことですが、問題は、愛を継続できるかどうか。
残念ながら史上最低レベルとなりつつある薩長同盟大河は、シラケムードと黒歴史だけを残しそうです。
5年後の我々は『西郷どん』をどんな思いで振り返ることでしょうか。
鈴木亮平さんのキャリアに致命傷が与えられないことを祈るばかりです。
【一分あらすじ】トイレに行きたいのか……
今回の舞台は鳥羽伏見の戦い!
海外ドラマの合戦シーンを思い出し、意識が遠のきます。『八重の桜』はもっと迫力があったのに。どうしてこうなった……。
捏造丸出しの「錦の御旗」で勝利をゲットし、弟との信吾(西郷従道)が撃たれて倒れますが、死にそうな緊迫感は薄い。第一回放送でその信吾が西郷糸子(岩山糸)と出演されているんですよね。まぁ、誰も覚えちゃいないか。
慶喜は史実通り、江戸へ向かいます。
そして辿り着いた江戸城には勝海舟と山岡鉄舟しか家臣がいない! これは幕府なのか!?
緊迫感がなさ過ぎて、しかめ面をしている西郷どんが、電車内で便意を我慢している姿程度にしか見えないのがポイント。
我ら薩摩は天下万民を守る正義の軍隊と言い出します。
結局、「戦の鬼」という突然のブラック西郷になっても、綺麗事が基本なのは変わりなさそうな……。
幕末の公家はもっと芯が強いでっせ
我ら薩摩は天下万民を守る正義の軍隊と言い出す、西郷どん。
それはわかった。
でも、戦闘シーンの演出がしょぼいのはどうにかならないものでしょうか。八重のノウハウはどこに消えたのやら。
「こいでよか」
と戦いをグイグイと強行する西郷どんの言葉もむなしいばかりです。
その頃京都の真ん中では、鳥羽伏見の開戦で公家たちはオタオタするばかりでした。
その描写も酷い。
幕末の公家はもっとしゃっきりしているのに、なんでこんな一山いくらのバカ麻呂ばかりなの?
以下に幕末貴族の記事リンクを貼っておきますね。
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実はかなり過激だった幕末の皇族&公家18名|武闘派は自ら進んで戦争参加
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さらにダサい戦闘シーンが続きます。
にしても、八重の桜の2013年から5年で、ナゼここまでダメになっちゃったんでしょうか
何度も申し上げますが『ゲーム・オブ・スローンズ』あたりと比べると悲しくなって来ます。
錦の御旗は美談にあらず
大人数の幕府に押され、戦況不利な薩摩。
「退くなー! 退いてはいかーん!」
配下の藩士たちに発破をかける西郷どん。戦場における西郷の決まり文句も、なんだかどこかの時代劇で聞いたような台詞です。
大久保一蔵(大久保利通)と、おゆうが登場し、【錦の御旗】の描写が始まります。
岩倉具視が歓喜してはしゃいでおりますが、これ、史実では岩倉の秘書がテキトーに作っただけのアヤシイ奴っすね(以下に参考記事)。
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疑惑と陰謀にまみれた討幕の密勅|薩長が慶喜を排除して幕府を潰すのが狙い?
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おゆうが協力したという設定にするのはいいのですが、ちょっとした美談っぽくなってません?
この逸話、本来は
【大久保が妾に作らせた、テキトーな旗です♪】
という、どちらかというと『小馬鹿にするニュアンス』で語られることが多いです。
それをエエ話のつもりだと思う本作のセンスって、やっぱり絶望的にやばい。
時代物を書くセンスがすっぽ抜け。底が見えません(´・ω・`)
『花燃ゆ』の脚本家は、それなりにあった――というか、その意志をねじ曲げさせられた苦悩を感じたものですが、本作はそれすらない。どういうことなんでしょうか。
軟弱すぎる薩摩隼人なんて見たくない
テキトーな経緯で作った【錦の御旗】が掲げられるや、薩摩が幕府に勝利してノリノリ。
このとき弟の信吾が、とても薩摩隼人とは思えないほどヌルいことを抜かして、撃たれてしまいます。
にしても、なんですか、この薩摩隼人は?
制作陣は、彼らをどうしたいん?
今、日本のフィクションで一番アツイ存在って薩摩隼人ですよ?
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実際の薩摩隼人はフィクション以上にパワフルだった?漫画やアニメで検証だ
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薩摩の剣術・薬丸自顕流。
カッコよくてちゃんとした自顕流を使う薩摩隼人は、『ゴールデンカムイ』の「鯉登少尉登場までお待ち下さい!」ってか?
それとも朝ドラ『あさが来た』の再放送でしょうか。
確かにそれが賢いかもしれません。
本作では、「幕末の四大人斬り」として恐れられた中村半次郎(桐野利秋)ですら、きちんと自顕流を使えている気がしないのです。
寺田屋事件の殺陣も、自顕流の動きならありえない描写でした。
戦場で撃たれ、後方へ運ばれる信吾。
ここでお虎が、怪我をしたのは西郷どんの弟だから!と叫ぶあたりが、本当に歴史物を作るセンスに欠けていると感じてしまうのです。
セリフが違うでしょ!
こういうとき、むしろ美談となるのは、こんな感じの内容では?
信吾「俺が吉之助の身内だからって気を遣うな! もっと傷ついている者は他にいる! 先にそっちを見ろ!」
こんな感じで、動揺するお虎を信吾が止めてこそだと思うんですけどね。
戦場で油断して背後を撃たれ、その挙句、女の口利きで治療を優先してもらうって最低最悪にカッコ悪いじゃないですか。
なんだこの、薩摩隼人屈指のカス描写。もう「チェスト関ヶ原」されてしまえばいいのに……。
※『衛府の七忍』由来のネットスラング
大事な描写をすっ飛ばしたせいで土台グラグラ
西郷どんはすっかりブラック化しております。
テキトーな流れの中、西郷どんがカッコつけ、慶喜がセコイという描写だけが続く。
このへん、ちょっといいところがあるとすれば、慶喜の「偽りの官軍」というところでしょうか。
まぁ、密勅といい錦の御旗といい、怪しさマンマンですからね。
ダメなところは、水戸徳川家の勤王思想をガン無視するあたりです。
偽の錦の御旗とはいえ、勤王思想の強い慶喜なら、旗に対して『へへーm(_ _)m』となってもいいような場面なのに、戦うと言っておきながら、結局、逃げるという、くそどうしようもない展開。
だから言ったじゃないの……。
島津斉彬が生きていたころ。将軍継嗣問題の時、ろくすっぽ慶喜周辺を描かず、屋台骨がグラグラです。
若き西郷にも強く影響を与えた水戸藩の藤田東湖を出しておりませんでしたが、そういう思想的背景が薄っぺらで、だからこそドラマの展開もワケわからないんですよね。
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藤田東湖は水戸藩を過激化させた危険人物?斉昭や西郷の思想に影響与える
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でも、それでも慶喜のほうがそれでも西郷どんよりマシに見えますからね。
西郷どんも信吾も、バカすぎるんだもん。
ワンパターンのしかめ面。
電車の中で腹痛をこらえて、トイレを探している人に見えてしまう。
同じ状況でも、『八重の桜』の時の西郷と大久保はゾッとするほど迫力がありました。
敵なのに……なんで会津目線から描いた薩摩も長州もカッコいいのよ!
そんな風に思えたものです。
カッコいい薩摩隼人が見たい、見せてくれよ><;
合間に挟まる信吾の容態。
老人の姿で一話にも出てきたコイツは、どうせ死なないんだ――史実を知らんでもわかることです。
『八重の桜』では八重の弟・三郎が鳥羽伏見で戦死しましてね。あれには泣きましたよ。
それに比べたら信吾はどうでもええ。
むしろ、長岡戦争で戦死する西郷吉二郎が気になりますわ。
ちなみに史実での西郷従道(信吾)は、貫通銃創です。
結局死なずに転戦するし、意識を失うほど大げさな傷とも思えない。死なないとわかっている傷を大げさにするなよ。
薩摩隼人なら、強がる場面でしょ?
川路利良なんて、睾丸に貫通銃創負って戦って、それで尊敬を集めていますけど。
それでこそカッコいい薩摩隼人でしょ!
ふきの性格が完全にぶっ壊れ
ここで、慶喜の逃走する軍艦描写も最低です。
ふきが笑うのも最ッ低。
そもそも彼女、史実で該当する人物って、火消し・新門辰五郎の娘なんですよね。
なぜ、こんな、誰も得しないバカみたいな改変した挙句、幕末史でも貴重な新門辰五郎の描写を削ったんですかね。
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それにしてもふきの性格はどうしたもんでしょうか。
慶喜の寵愛を受けながら、産業スパイのような役割をして、妄想じみた「幕府が薩摩をフランスに渡す計画」を漏らす。
ここでは、軍艦が沈むと言うし。
なんだこいつ?
貧しい自分を救ってくれた慶喜を貶める、性格が腐りきった女にしか見えません。
しかもこのふき、後に西郷どんに謝ればいいとか言うのです。
もう、バカ!
バカ、バカ、バカ!ってフザけてる場合じゃありません。
謝ればいいって、ガキの喧嘩でもヤンキー漫画でもありませんて。いろいろ吹っ飛ばして何ホザいてんの?
これが閨で二人きりになったとき、言うのであれば、ありっちゃありですよ。
本作はどこまでも歴史的センスがない!
歴史物で守るべき身分差とか、TPOとか、ガン無視している。
見ていて恥ずかしくなってきます。
「哀れだね、あんた」って誰に言ってんの?
慶喜を迎えた勝海舟も、最低最悪です。
なぜか主君を罵倒する。
こいつ、誰?ほんとうに勝?
家茂が死んだ直後にもニヤついていたし、どんな武士でしょうか。
厳しいことを諫言するならまだしも、主君を罵倒するとかさすがにありえません。
まぁ、西郷どんはじめ、最低の薩摩隼人たちも、島津久光を散々小馬鹿にしておりますし、要するに、本作を作っている側は、幕末武士の道義心すらろくに知らないわけです。
そんなんでよく大河を作ろうと思いましたね。
勝海舟が「哀れだね、あんた」とめっちゃフランキーに言います。
哀れなのはこんな脚本やセリフを通してしまう本作のスタッフ。
そして、こんなデタラメを見せられている視聴者なんだよ!!
歴史に詳しくない人は本当に信じちゃってる人もいますからね。もう絶望的な気分ですorz
イギリス人医師がやってきて信吾助かる
傷ついた信吾のところには、異人がやって来ました。
ここで取り乱すお虎のシーンもバカっぽい
異人を見たからってここまで反応するバカ、さすがに当時でも少数ですよ。
江戸っ子なんて、黒船見物していたぐらいですからね。
そして信吾の命が助かり、外国人バンザーイ描写。
幕府とフランスとの結託はサイテーと言われ、薩摩とイギリスの絆は良き話かな――って、また本作お得意のダブスタが来ました。
そもそも貫通銃創如きに大げさなんです。
明治政府になってから、散々イギリスに介入されていることを考えると失笑もんですわ。
西郷は、信吾の見舞いはできない、とか言い出していて、私も笑いそうになりました。
勝手に傷を大事にして、勝手に周囲で騒いで。何をとっちらかってんだか……。
そして、ここで明かされます。
なぜイギリス人が、わざわざ治療にやってきたのか?
そうです。
西郷どんが呼んでいたんですね。
一言いいですか?
やっぱりバカなの?
弟や味方の命にだけは優しい人って、どうなのよ
西郷の描写がやっぱりおかしい。
①当初、人が死ぬのはダメ、絶対!な平和キャラ
↓
②徳川慶喜を殺すために豹変
↓
③大将を殺すための戦争だ!
↓
④退くな、退くんじゃない!
↓
⑤戦うのは日本のため
↓
⑥自分の弟や味方のためには医師を呼ぶ
↓
⑦今後、東日本へ攻め込む(戦場はボロボロになり、多数の人が死ぬ)
あんだけ平和を謳っておきながら、突如、ブラック西郷になって合戦に狂い、そして今後は東日本へ攻め込みます。
多くの人に反対されながらも攻め込むのです。
そしてたくさんの人傷つき、死にます。
それでいて、信吾や味方を救うためには何でもする。天子様に直接お願いまでする。
西郷さんって、そういう人なの?
なんてドラマを見た人たちも困惑するんでは?
なお、東日本へ強引に攻め込んだせいで、弟の西郷吉二郎と妹・琴の息子は死んでしまいます。
そんな西郷の武力倒幕に関しては以下の記事をご参照ください。
彼が武士であり、単なる平和主義者でないことがわかると思います(当時の侍なら自然なことであり、責めているわけではありません)。
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なぜ西郷は強引に武力倒幕を進めたのか?岩倉や薩摩藩は“下策”に反対
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江戸を描くときの手抜きがひどい
このあと、和宮の書状に塩対応する西郷どんが描かれます。
徳川慶喜は上野の寛永寺で謹慎している。
もう進軍する必要はない。
そのとおりとしか言いようのない話です。
ブラック西郷は、そんなこと気にしない。
「手を緩めちゃいけない」とイケイケ。徳川慶喜が死ななきゃ意味がないと言い切ります。
更には「(慶喜討伐は)俺ら天子がいるぜえ」とカッコつけていますけど、その根拠となる【討幕の密勅】は偽勅説が根強いという……。まぁ、ブラックだからいいんですよね。ちなみに『八重の桜』は偽勅と言い切ってました。
直後の勝と慶喜の会談も見ていて辛いものがありました。
「相手は慶喜の首が欲しいはず」なんて勝が言うワケない。
そんな幕臣として最低最悪の振る舞い、あるわけがないんです。言葉が軽いんだよなぁ。
家臣が勝海舟一人しか映らないってのも不自然です。
当時は、武闘派と和睦派で幕臣が真っ二つになり、慶喜は「高橋泥舟」をボディガードにしていたほどです。
薩長同盟であんだけモブ使ったのに、幕臣旗本は使わないってか!
手抜きが露骨過ぎるぞ!
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薩長同盟は倒幕のために締結されたワケじゃない!龍馬が西郷と木戸を繋いだ理由
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幕末三舟の一人・高橋泥舟|槍一筋の武士は勝海舟に馬鹿正直と評価され
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なぜ敵陣へグングン一人で行けたのか?
ここで突然、山岡鉄舟なる武士が出て来ました。
えぇと、「誰?」って思いませんか?
勝海舟が呼んだのだから、幕臣には違いないでしょう。めちゃめちゃガタイが良くて、たぶん強いひとなんだろうなぁってのもわかる。
しかし、いかんせん突然すぎる。
しかも、西郷のところへズンズン進んじゃってる。
敵軍の中ですよ。
一人でどうやっって行けた???
ムリよ、ムリムリ。あまりにもダイジェスト感が半端ないです。
結局、西郷に集められた浪士たちが江戸でテロを起こしまくった「薩摩御用盗」の描写はなく、山岡鉄舟が西郷のもとへと歩むことができた「益満休之助」も描かれておりません。
なのでわかりづらい。唐突感が満載なんですね。
よろしければ以下の記事をご覧ください。
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幕末三舟の一人・山岡鉄舟|西郷を説得し無血開城を実現させた江戸の武人
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一人の凄腕剣士がいれば、何万の敵でも問題ない!
そんな世界観なら、近藤勇が板橋で捕まって斬首されないと思います。
ぬるすぎて戦争やっている感が、伝わって来ない。
やっぱり西郷どんのしかめ面は、電車の中でトイレをこらえているだけでは?
交渉を決めたのは切腹なんかじゃござーせん
交渉内容も、歴史と関係ない話でした。
相変わらずワンパターンの西郷どんがバカっぽいんです。
あのですね、山岡の決め台詞はこうですよ!
「同じ条件を島津の殿につきつけたらどうですか?」
例えば島津斉彬の命を差し出さなければアナタはどうする?
死ぬまで戦うでしょう?
江戸の幕臣たちを、そこまで追い詰めて、互いに戦死者を出すのですか?
そう言われたからこそ、西郷だって無血開城(正確には、勝海舟との会談)に応じるワケです。
山岡が切腹しようとするあたり、視聴者をバカにしてるんでしょうか?
本作に出ると、知能指数が極端に下がりそうです。
『信長の野望』の能力値なら知能平均7ぐらいでは。
ここの西郷どんと山岡の会話、史実をかすりすらしません。
というか、史実そのままでも描けるし、そのほうがよほど面白いのに、歴史的センスゼロなのに、どうして捏造しますか?
信吾のことダラダラやるくらいなら、ほかにやることあったでしょ!
ちなみに史実での西郷は、イギリスから「慶喜公殺すな」と念押しされています。
たぶん、それもやらんよね。
やっぱりやったか篤との再会
この後、西郷は川路や中村と共に、幾島と再会。
治安は大丈夫でしょうか。
今、最高潮なまでに悪化しているときで、ホイホイ移動できるとは思えない。
もしかして幾島を経由して篤姫との話をやる気なのか……と思ったら、案の定、幾島の手引きで、ノコノコと篤姫に出会います。
「待っておったぞ、西郷」
史実ならここで篤姫が助走つけてぶん殴っていい場面ですわ。
「てめえ! 薩摩御用盗が江戸城放火しおったな!」
という決め台詞を付けてもよいかもしれません。
しかし、再会した二人はなぜか終始にこやか。
史実の篤姫って、実家の島津家に激怒していたんですけど、これは一体どうしたことか。
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薩摩と徳川の緊迫したヤリトリがわかる 篤姫と西郷隆盛の殺伐とした関係
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本当にもう、冒涜が過ぎてアタマが痛くなってきました。
総評
まずは海外の歴史ドラマ戦闘シーンを貼り付け、本作のショボすぎる鳥羽伏見をぶっ潰そうと思います。
こうした数々の映像を見ていて、しみじみと思ってしまいます。
「ああ、日本の時代劇って、最高峰の大河でアレなんだから、もう最低レベルなんやな……」
いやいや。
5年前の『八重の桜』は、VFXを駆使してよかったんですよ。ここまでスカスカ、恥ずかしい戦闘シーンではなかったのです。
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たった5年間でここまで駄目になるとは……。
ここはひとつ、『ゲーム・オブ・スローンズ』を見てみません?
もう大河に戻れなくなりますよ。
【関連記事】ゲーム・オブ・スローンズ解説
それにしても、今年の人選ミス感は半端ないです。
西郷隆盛という維新三傑なのに、どうしてそうなったか。
【明治維新でみんなハッピー!やったね!!】っていう、アホアホな価値観と全然西郷は一致しないんですよ。
だって、明治政府と合わないから西南戦争を起こしてます。
ちなみに新ビジュアルはこんな感じだそうです。
【公式サイト(→link)】
もう、役者さんには悪いんですけど、コスプレにしか見えん。
なぜ、明治維新でハッピッピ〜パヤパヤ〜でやるのに、よりにもよって西郷を主役にしたのか。
今更ながらにアホらしく思えてきます。
大河最低の人選ミスは『花燃ゆ』と思っていましたが、今にして思うと正解だったかもしれないですね。
彼女なら、政治情勢吹っ飛ばしてテキトーに展開できますもんね。限度ってもんがありますけど。
しかし、今年は西郷なのです!
ごりごりに権力闘争を勝ち上がってきた人です。
政治からは逃げたらダメ絶対!
それなのに逃げ惑い、このザマです。何を考えていたのやら。
そして、こんなダメ大河なのに、出演者だけ豪華なのがこれまた辛い話で……。
本作の出演者は豪華です。
『花燃ゆ』から出演者が逃げまくった教訓で、ガッツリ押さえられたのでしょう。
これがもう、腹が立って仕方ありません。
特に、過去の大河で名演を披露した役者さんが出るとなると、失望感が半端ないです。
もう全員ペッパー君が演じればええんや。
考察:本作の歴史ものとしてのセンスが最低過ぎる
時代劇を書くうえで大事なのって、史実を調べることです。
もうひとつ。
調べるまでもなく、歴史モノのお約束やあるべきリーダー像をスッと描ける力量も大事なんです。
本作はそれがしみじみつくづく、駄目なんですね。
今週気づいた点をあげてゆきます。
信吾の負傷描写が駄目
前述の通り、こういう時の歴史ものでのお約束は、
「確かに俺も怪我をしている。しかし、もっと深刻な者もいるから、そちらを先に救いなさい」
と譲ることです。
そこで周囲が、
「いやいやあなたは指揮者だから!」
なんてとりなして、それで仕方なしに治療を受ける。そのくらいがよいのです。
それが本作はなぁ。
しかも貫通銃創でこのあとも戦闘に参加しているから、たいしたことがない怪我なのに重症のフリをして、お虎の口利きで優先して治療を受けた最低藩士にしか見えません。とても薩摩隼人じゃない。
身内を心配する描写が駄目
西郷どんが弟を心配している――そんな描写も駄目です。
先週の子供をあやすところでも思いましたけど、本当にやったらアカン。
ノブレス・オブリージュという考え方がありましてね。
戦うことで地位を得ている人間は、血を流してこそだ、と、そういうことです。
これは西洋だけではなく、武士もそう。武士であるからには、流血やむなしという考え方です。
これをきちんと出来ていたのが『八重の桜』でした。
三郎が戦死したとき、その報を受けて父親は表面的には喜び、心の中では嘆き悲しむのです。
表向きは、武士として名誉の戦死を遂げたと振る舞う。しかし心の底では、父として泣く。こういう描写が、時代劇の定番で心打つものなんです!
一昨年の『真田丸』で真田信繁が「息子可哀相」だと息子の大助を真っ先に大坂城から逃亡させるとか。
昨年の『おんな城主直虎』で、直虎が「小野政次は大事だから殺さないもん!」と庇うとか。
そんな風にバカみたいな描き方をされたら、想像するだけで、ガッカリしません?
時代劇っていうのは、自分の半径5メートルの人間はともかく愛して庇うという価値観だけでは、陳腐になるんですよ!
妾ども、うぜえ
大久保利通の妾・おゆう。
西郷の妾説もあるお虎。
慶喜の妾・ふき。
とにかく彼女らを出し過ぎですわ。
おゆうが「錦の御旗」制作にかかわった。慶喜が妾を軍艦に同乗させた。
そういう説や史実があるエピソードです。
しかし、ニュアンス的には、
「こんなもん妾にさせるなよ」
と非難対象とみなすべきもの。
本作みたいに、女が緊迫感を和ませているでしょ、という使い方はバカげているとしか言いようがありません。
こういう予感はありましたよ。
初回から「妙円寺詣り」に男装した糸が紛れ込んで、ぶち壊しにしましたよね。
当時の武士、男尊女卑が厳しい薩摩ならば、糸は鉄拳制裁で二度と西郷と口すら利いてもらえなくてもおかしいくらい、酷い話です。
それなのに、エエ話扱いにしていましたからね。
いいですか。
正しい女性による幕末への関与の仕方ならば、『八重の桜』から学んでください!
それまで女だから鉄砲を習っても仕方ないと言われていた八重は「会津が危難であるからには男女なんてない!」と啖呵を切って参戦。
中野竹子は、長刀に句を結びつけておりました。
「ものゝふの猛きこころにくらぶれば 数にも入らぬ我が身ながらも」
(男である武士の猛々しい心に比べたら、数には入らない女の身ではありますが、戦い忠義を見せます)
こういう史実準拠の女性描写と比較したら、本作の割り込み女どもはカスにしか見えません。
江戸に人がいなさすぎ
今週吹き出したのは、あのスカスカ江戸城や寛永寺ですよ!
あんな謎の縁側みたいなところで、勝海舟とマンツーマントークってアホかと。
磯田屋や薩長同盟の時のワラワラ感はどうしたあっ!
本作はこういうところ、本当に駄目です。
大政奉還も人がスカスカでしたっけ。
あのですね、歴史ものの醍醐味って、スケール感のある絵ですよ。
「どうせ幕府は敵だしぃ、エキストラ雇うお金ケチりたいしぃ」
というゲス本音がダダ漏れ過ぎて、見ていて辛いです。
忠義の概念が『47 RONIN』以下
本作って、武士が忠義を持っているようにすら思えません。
山岡鉄舟の、
「同じ条件を島津の殿に迫られたらどうしますか」
という概念が出てこないのも納得ですね。
もう、こいつらメンタリティがカスすぎる!
貧しい身の上から引き立てた慶喜を罵倒しまくるふき。
主君の家茂が亡くなろうがヘラヘラ笑い、慶喜のことを罵倒する勝海舟。
ことあるごとに島津久光をバカ殿扱いする、クズ薩摩藩士ども。
こいつら、本当に幕末の人間ですか?
江戸時代を通して養われた武士にとって最大の感覚って、忠誠心なんです。
戦国時代は下剋上もありでした。
そういう価値観を一変し、主君に逆らうことこそ最悪の所業だと叩き込んだのが、江戸時代です。
それが最も顕著に表れたといえるのが、『忠臣蔵』でしょう。
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『忠臣蔵』は、海外の人からすると理解に苦しむ物語なのだそうです。
問題のある主君に殉じるために、老人の屋敷を推そう武士がよくわからないのだとか。
ですから、ハリウッド映画なんかだと脚色されまくるわけです。
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このあたりと物語の芯としていたのが『八重の桜』です。
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そこには、背後に将軍家や主君への忠義があったわけです。
ところが本作のゲスなバカどもは、平気で主君をコケにしてヘラヘラしています。
時代劇に求められる価値観への理解度がゼロ。
日本史を毎週土足で踏んづけて小馬鹿にして、何が楽しいのでしょうか。
考察:『新潮45』と『西郷どん』
『新潮45』が大炎上しています。
個人的な話でなんですが、私も激怒しております。
この新潮45に対し、キレッキレで最高だったのが、このせやろがいおじさんの動画です。
この話がナゼ大河に関係あるかって?
2015年と2018年の大河にはあるんですよ。
確かに出来の悪い大河ドラマは存在する。
『篤姫』二匹目のドジョウを狙った『江 姫たちの戦国』とか。
しかし、その系統と、2015年と2018年の大河はちょっと別ものという気がするのです。
まず2015年。
当時これを指摘したら散々ボコられましたけど、蒸し返しますね。
吉田松陰の妹主役の大河であった『花燃ゆ』。
人選の異常性、大坂の陣四百年記念の歳に割り込んだこと。
このあたりはさんざん突っ込まれて来ました。
松陰には三人妹がおります。
このうち最も存在感が希薄なのが、三女の文です。
年齢差もあるためか、松陰も幼い妹として扱っていたようです。
当初の発表では「三姉妹」を描くというニュアンスがあったのです。
それが不可解なことに、蓋を開けてみれば三女の文が中心。姉妹の仲でも最も松陰と交流があり長女は存在が抹消され、二女はゲスでミーハーという扱いでした。
文がイケメンと恋をするという売り込みも不自然でして。
文は最初の夫・久坂玄瑞から「不器量」と言われたほどで、実際に久坂は浮気相手との間にのみ、子を作っています。
二番目の夫・楫取素彦も、姉が死んだから妹を娶るという、ロマンスとはほど遠い結婚でした。
こうした不自然な事実の背景には、こんな事情がありまして。
文の夫・楫取素彦とは、政治団体「日本会議」放映当時の副会長の先祖だったのです。
その結果、他の人物のしたことまで楫取がやるという異常なゴリ推しをされ、某政治家支援者の息子が奇兵隊士役で出演した、なんてことも囁かれています。
◆大河『花燃ゆ』 出演者華やかだが「史実と違い過ぎ」の声も(→link)
そして2018年。
事態はさらに悪化しているんじゃないかと、懸念してしまいます。
「ともかく幕府が悪いんだも〜〜〜ん! 幕府は売国的だーーー!」
「長州を倒すのは駄目絶対許せない! でも東日本は殺しまくるぞヒャッハー! あいつら自業自得だもーん!!」
「国を守るために、戦争はやむを得ないもーん!」
ってさあ……。
そんな主張を西郷どんにわめかせて、何がしたいんでしょう。
こういう台詞をフィクションで言う奴って、不誠実なゲス政治家っていうのがお約束だと思います。
『八重の桜』の時、一部から「長州を悪く描くな」というクレームがあったそうです。あ
でも、あの作品は、主役の会津だってマイナス面をきっちり描いていたんです。
「ヤダヤダァ、悪いところ描かないでよぉ、敵が全部悪いんだもん!」
っていう、幼稚な価値観とは無縁でした。
『西郷どん』レベルの歴史歪曲に抗議するのならばまだしも、会津戦争という史実での不都合が見たくないというのはどうなんでしょう?
史実を見れば、下策とまでされた武力倒幕って、敵対者を力づくで黙らせて、自分たちの政権がひっくり返されないようにする、薩長の都合があったのは明白です。
あまりに無茶ぶり過ぎるから「奥羽越列藩同盟」も結成されました。
そういうところを描かないって、幼稚過ぎませんか?
こんなもん薩長閥を批判できない戦前レベルの歴史感じゃないか――と本レビューでも突っ込んだんですけれども、幕末史の研究者の方も同じ事を書いておりまして。
ああ、やっぱりと、腑に落ちました。
70年以上も前の、現在は完全に否定されている歴史感覚を平気で垂れ流す大河ドラマ。
せやろがいおじさんの言い回しを借りますとですね。
もう忖度と史実捏造と不勉強と 薩長の都合をミキサーに入れて出来たゲロマズスムージーみたいな味わいで 消化不良を起こしたから ここで吐き出させてもらうで!
コレなんですよ。
『新潮45』みたいな本が売られるのも。
『花燃ゆ』や『西郷どん』みたいな駄作が流されるのも。
なんかヘンな忖度があるのでは?
こういう意見広がれっていうなんかそういう変なモンあるでしょ?
不自然なんですよ。
今年なんて薩摩ドラマなのに、薩長同盟や長州征伐ばっかり気合いが入っていて、長州大正義、長州に頭を下げたからこそ薩摩が躍進する、みたいな内容だし。
変な政治利用としか思えないことまでされているし。
本作の薩長同盟回とあの鹿児島での表明、偶然カブったんですかね?
政治と大河を結びつけるなって言われるかもしれないですけど、幕末の薩長優遇はモロに政治的な話ど真ん中ですわ。
明治以来、これでどんだけ揉めたか、って話ですわ。
それでいて戊辰戦争150周年の節目に、
「薩長は正しいもーん、悪いのは幕府だもーん!!」
って大河で流して、そりゃあ幼稚ですよ。
大河に政治を持ち込なって言う人に反論したい。
薩長閥の正統化は、もう政治問題ど真ん中ですわ。
『花燃ゆ』も『西郷どん』も、放映年は多少観光に貢献するでしょうけれども、5年後には『八重の桜』とは違い、ただの恥さらしになっているでしょう。
そんなもん作ってどうするのか。Vシネで作れ、と言いたい。なんて言ったら、小沢仁志さんに怒られそうだ。
もうね、『新潮45』も大河ドラマも、民意とかけ離れた変な忖度の結果、ぶっ壊れて言っているとしか思えないのです。
本作がつまらないのは、
「原作者と脚本家が女だからだ、スイーツだからだ」
という問題点しか指摘できないのも、ちょっと違うと思います。
脚本というのは脚と脚の間じゃなくて、耳と耳の間、つまりは頭で書く。そこは性別の問題じゃない。
原作者と脚本家が女性だろうと、ゴーサインを出している上層部は、男性の方が多い。それが日本の組織です。
目立つ女は、弾よけですよ。
弾よけではなく背後にあるものを突っ込まないと、問題の本質は見えて来ません。
もうともかく、妙な忖度を感じさせる大河にしかならないなら、幕末は時代ごと封印していただきたい。
そうとしか言えません。
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【参考】
NHK西郷どん公式サイト(→link)等






























