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【ウラジーミル大公】
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ヒャッハーを楽しむウラジーミル大公
ウラジーミル大公は兄ヤロポルクを始末すると、兄の妻が避難していた修道院へ馬で向かいます。
彼女はギリシャ人の修道女で、スヴャトスラフ1世が遠征中に美貌に目を留め、略奪して息子に与えたという気の毒な女性でした。
悲劇は繰り返されます。
ウラジーミル大公は修道院に乗り込むと、兄嫁を引きずり出して陵辱し、そのまま妻にしてしまいます。
さらにウラジーミル大公は7人もの妻を娶りました。その中には神聖ローマ皇帝オットー1世の孫娘もいました。
それだけではありません。
彼は800人もの寵姫(ちょうき)が侍るハーレムを作ったのです。
領土内の各所に寵姫を置き、いつでもどこでも好みのタイプの女性と楽しむ日々。
ウラジーミル大公は大神殿を建てると、地元で信仰されている様々な神の巨大な像を祭りました。
それだけでは飽き足らず、キリスト教徒の戦士とその幼い息子を神殿に引きずり出すと、人身御供として捧げたのです。
こうしたウラジーミル大公の蛮行の数々を聞き、周辺諸国の人々は震え上がりました。
一方で、彼に宗教を勧めるチャレンジャーもいました。
イスラム教徒はこう語ります。
「割礼をし、酒を飲まず、豚肉を口にしなければ、死後天国で美女たちと楽しむことができます」
ウラジーミル大公は美女とのお楽しみについては興味を示しましたが、飲酒禁止と聞いて、興味を失いました。
「酒を飲めない人生なんて、つまらなすぎるだろ」
ユダヤ教徒には「キリスト教徒にイスラエルを支配されているくせに、布教するとかおまえらなめてんのかよ」と全否定発言をします。
トランプ元大統領も真っ青の問題発言ばかりですね。
嗚呼美しきコンスタンティノープルの教会よ
かくして手の付けようのない恐ろしい男として、名前を知られたウラジーミル大公。
そんな彼も、とある家臣の報告には興味を持ちました。
コンスタンティノープルを偵察してきた者です。
「おう、コンスタンティノープルはどうだった?」
ウラジーミル大公が尋ねると、家臣はうっとりと語り出します。
「コンスタンティノープルの教会は、まるで地上の楽園のような美しさでした。あぁ……この地上に、あのような栄光と美しさに満ちた場所があるなんて……」
思い返せば、ウラジーミルの祖父・イーゴリ1世は、コンスタンティノープル攻略の際、原始的な火炎放射器「ギリシャの火」で撃退されてさんざんな目に遭い、その帰路で暗殺されました。
イーゴリ1世の妻である祖母オリガは、コンスタンティノープルに赴き洗礼を受け、キーウ(キエフ)にキリスト教を根付かせようとしました。
ウラジーミル大公には、祖父母とコンスタンティノープルの因縁が蘇ったことでしょう。
そしてその縁は、やはり終わりではなかったのです。
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