古代オリンピックの想像図(1915年作)/wikipediaより引用

ギリシャ

古代オリンピックは観客も超絶タフネス!酒あり、虫あり、動物の血あり

五輪の起源となった【古代オリンピック】とは何ぞや?

そんな疑問を呈すると、多くの方が『えぇと、古代ギリシャでみんなスポーツっぽいことをしていたのよね~』と、なんとな~く思う程度ではありませんか?

しかし、これが探ってみると、なかなか刺激的なもので。

本日は、JOCのサイトには書かれていない、古代オリンピックの裏話に迫ってみましょう。

 

古代オリンピックの基本情報

①どこで開催された?

→エーリス地方のオリンピュア(現在のギリシャ イリア県 アルヘア・オリンビア)

②いつ開催されていた?

→紀元前9世紀〜紀元後4世紀

③開催頻度は?

→今と同じく4年に1度

④どんな競技が行われていた

→主な陸上競技:短距離走、中距離走、長距離走

→主な格闘技系:レスリング、ボクシング、パンクラティオン(ルール無用なんでもありの格闘技)

→その他競技:戦車競走(流血もありの激しい競技だった)

戦車競走の様子/photo by Marie-Lan Nguyen 
wikipediaより引用

 

害虫に襲われ、早朝から16時間立ちっぱなし

紀元前9世紀から紀元後4世紀にかけて行われたという古代オリンピック。

肉体を鍛え上げたアスリートたちが、己の限界を競い合う――。

それを観戦したいという願いは、今も昔も同じでしょう?と思いきや、古代ギリシャ人の方が熱心だったかもしれません。

なんせ観戦の環境がハンパじゃありません。

古代オリンピック想像図/wikipediaより引用

あの困難を耐えきるだけでも、相当なもの。入場こそ無料ですが、それは苦行そのものでした。

・ギリシャに降り注ぐ容赦ない日光
→おまけに雷雨のときでも浴びっぱなしです

・早朝から16時間立ったまま
→選手より辛いんでは?

・蠅が大量発生!
→それ以外の害虫にも容赦ないほど襲われます

・不衛生
→下痢や発熱を訴える者が多数

・観戦中の食事はあやしい行商人が売る
→硬く、正体がわからないチーズやパンのみ

・川は干上がっていて水不足
→水分補給はワインです

・観客の汗
→猛烈に臭くなります

・宿泊施設レオニダイオンは一部しか利用できない
→一般客は野宿と自炊で乗り切らねばならない

いやぁ、これは厳しい。
観戦するだけで死にそうですわ。

それでも見たいという情熱が半端ないっすよね。

なんせ当時、奴隷に対して、「反抗的だな。お前をオリンピック観戦させてやろうか!」と脅すこともあったほどだとか。

こうなると、いよいよ観客の気持ちが理解できなくなってきます。

 

墓石にオリンピック観戦歴を彫りつけた人も

そもそも競技会場までたどりつくのも一苦労でした。

1日25キロ、熱暑の中、しかも水不足なのに歩いて会場まで向かう人もおりました。どう考えてもキツイ。

ただし、幸いにも治安はよく、襲撃されることはありません。

オリンピックはゼウスや神に捧げる祝典であるため、観戦者を襲うことは罰当たりと信じられていたためです。

それでもくじけないのが、スポーツ好きの古代ギリシャ人です。

中には、墓石に自分のオリンピック観戦歴を彫りつけた人もいたほど。自慢したかったんでしょうねぇ。

古代オリンピックは女人禁制と言われておりますが、適用されたのは既婚者のみで、未婚女性は観戦できました。

スキタイ出身の哲学者アナカルシスからみると、古代ギリシャのスポーツ熱は理解しがたいものがあったようです。

「選手も悲惨、観客はもっと酷い。スポーツ観戦なんてあんなしょうもないことで、時間を無駄にしてなんなんですかね。

私の国では暴力行為は犯罪ですけれども、ギリシャの人は大勢が見ている前で殴り合い(格闘技)をして、それを見て喜んで歓声まで送るなんて!」

そうボロカスに言うアナカルシスに、アテナイのソロンもぐぬぬぬ……となったようです。

ソロンと称される胸像/wikipediaより引用

「見ればわかるはずですよ! あの場で観戦して歓声を送れば熱気がわかるはず! 選手の見事さに拍手をせずにはいられないはずなんです!」

スポーツ観戦熱狂派とアンチのやりとりって、この頃から似たようなものかもしれません。

 

酒とスポーツ観戦

スポーツ観戦しながら飲むビールは最高!

そうやってサッカーW杯やプロ野球を楽しむ方もおられるでしょう。

実際、スポーツバーでは、観戦と酒を同時に楽しむお客さんが大勢おりますもんね。

これは古代オリンピックでもそうでした。

オリンピックは神に捧げるもの。

酒の神であるディオニソスに祈りを捧げるといえば、ワインは飲み放題です。競技場周辺はこうしたワイン屋台だらけでした。

古代ギリシャのワインを注ぐボーイ/wikipediaより引用

ワイン屋台はもともと都市部にあり、やや格が劣るものとして庶民的とされております。

しかし、オリンピック観戦者はそんなことはお構いなし。好き放題に飲んだくれました。

古代ギリシャのワインは、アルコール度が15-16パーセントと高いことが特徴です。

現在のものは平均12.5パーセント程度。ブドウの種やカスも浮かんでいて、強烈な味でした。

そのため、酒豪でもなければ、いったん漉してから水で薄めることが一般的な飲み方でした。

ワイン2:水3で薄めるのです。

こうした屋台ではヒヨコマメ、生イチジク、スライスしたソーセージ、ビーツ、豚肉の塩漬け等がおつまみに出されたとか。

このおつまみで足りなければ、食事を出す屋台に行くこともできました。
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