こんばんは、武者震之助です。
龍雲丸率いる盗賊団を、木材切り出しのために雇用すると決めた直虎。なんとか住民とも共生できるめどはつきました。
ところがそれを今川の目付・井伊谷三人衆の一人、そして龍雲党に材木を盗まれた(第19回)近藤康用が嗅ぎつけ、
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小野政次にその真相を問い質しに来たからこれはもうアウトの予感がする、という展開です。
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三人衆で一番もみあげ濃く、話の通じない人がお怒りに
井伊直虎は龍雲党と領民との宴で酔っ払い過ぎ、二日酔いです。
己の酔態を悔やむ直虎。この駄目女子っぷりが個性ですな。
そこへ康用が、菩提寺から本尊が盗まれたと訴えて来たわけです。よりにもよって三人衆で一番もみあげが濃く、話が通じなさそうな人が疑っているわけです。
龍雲党が盗んだことはありえない、もう以前のような盗みはしない……とうっかり口を滑らす直虎。
「やっぱり雇ってたのか! 罰することもしないで!」
と康用はブチ切れ。
奥村六左衛門がフォローしようとしますが、当然できません。康用は「これ以上、井伊がナメた真似するならこっちにも考えがあるぞ!」と凄みます。
ここで政次が、引き渡すか、匿うか、と直虎につきつけます。
龍雲党を追い払えるチャンスに喜びを感じているのか、ちょっと嬉しそうな政次です。
「わかった、引き渡そう。連れて行かれるがよい」
直虎はあっさりと認めました。
そして龍雲丸たちをこっそり逃がすよう、直之に指示を出すのでした。
さすが盗賊? 一足先に龍雲党は逃げていた
捕縛に向かう康用と政次。
その前になんとか逃そうと走る直之。これはいつも思うところなのですが、直之の動きはきびきびしていていいですね。
直虎は「頼む、逃げてくれ!」と祈るしかありません。
直之と康用、どちらが早いのか?
康用が直之より一足先に龍雲党の居場所に踏み込むのですが、既に逃げ去った後でした。
激昂する康用も真剣ですが、それ以上に目をらんらんとさせる政次。宴で直虎が龍雲丸に「我のものになれ!」と言っていたのがよほど嫌だったんでしょうか(第22回)。
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直之から龍雲党が逃げたと聞き、安堵する直虎。しかし行方は知れないまま。
彼らはもう井伊には戻らないのか、逃げられただけでもよいのか、と語り合う井伊の主従でした。
一連のトラブルに対して南渓和尚は、康用の寺に盗まれたぶんの本尊を寄付してはどうか、と直虎に持ちかけます。
直虎としてはそれでは盗んだと認めることになりますし、どうも嫌なようです。
が、南渓は、盗賊を雇ったことは事実なのだし、本尊を寄進して手打ちにしたらどうか、というわけですね。
案を六左衛門から聞いた政次は、何か考えがあるようです。
盗まれたハズの本尊がそこにある!これ如何に?
本尊の寄進交渉に向かう直虎と南渓。
肝心の康用は、本尊の取り替えなど利くとは思えない、と険悪な態度です。
盗賊どもにちゃんと対処していれば、こんなことにはならなかったのに、と怒りの康用なのでした。
直虎は謝る気がないような態度で、とりあえず頭を下げます。
あの目をギラつかせた謝罪は謝罪になっていないと思いますけれども、とりあえず康用はこれで納得したようです。
南渓は寄進にあたり本尊の大きさを知りたい、と本尊のあった場所を見学することにします。
するとそこには本尊が!
康用は目を泳がせながら「代わりの物を置いておったのだ!」と言いますが、菩提寺の和尚は「空の御厨子に手を合わせている」と言っていたばかりです。そこを突かれると、和尚はしどろもどろになりながら「今朝、代わりのものを置いた」と言い返すのでした。
南渓は「ちょうどいい大きさのものがあってよかったですなあ。ご本尊にしてもよい顔ですなあ。あれ、作者も康久仏師でご本尊と一致している」と指摘。つまり盗難は自作自演と指摘するかと思ったら、
「本尊は自ら戻られたのだな。戻って来たのはここらでおさめろという仏の御心ではないか」
南渓は相手を言いくるめて、お経をあげたいと申し出ます。
かくして南渓と直虎は、般若心経を読み上げるのでした。
猫のほうが目立つと一部で言われている南渓ですが、今川義元の安骨大導師もつとめているわけで、名僧なのです。
これでひとまず一件落着?
南渓と龍雲丸が一芝居打っていた
帰路、南渓が種明かしをします。
この前、龍雲丸が南渓のもとに忍び釈明に来ていました。
仏像を盗む暇なんてない、俺たちを罠にかける気だ、と訴える龍雲丸。そこで龍雲丸は献策します。
彼らは本尊を置いたままにしておろう。しかし南渓が「寺に向かう」と言えば、和尚はそれを隠さねばならぬ。そこで、本尊を隠す一部始終を龍雲丸が盗み見しておき、和尚がその場を離れた隙に、隠された本尊を盗み出して、元の位置に戻しておいた――というわけです。
これで康用もしばらくはおとなしくなるだろう、と南渓。しかしそれでは龍雲党メンバーたちも井伊には戻れないか、と直虎が嘆いていると、そこへ龍雲丸本人がやって来ました。龍雲丸も細工のために寺にいたのですから、そのへんにいてもおかしくないわけです。
龍雲丸は井伊に戻らねば給与を受け取れないし、直虎は相手にやってないと訴えたわけだし、戻るしかないと告げる龍雲丸。感動のあまり涙ぐむ直虎。これは恋する乙女モードか?
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