昭和三十八年(1963年)1月9日は、大分県日田市で過去最高の積雪を記録した日です。
九州という位置的にも、温泉のイメージ的にも雪とは縁遠い気がしますが、大分県も場所によっては雪が珍しくないそうですね。
しかし、この年の積雪は文字通りケタが違います。
当然ながら日田市だけの話ではなく、全国各地で記録的な積雪がありました。
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阿蘇山(※熊本県)で123cmもの積雪
このシーズンは、前年(昭和三十七年=1963年)の年末から、北海道や北日本で大雪になっていました。
年明けには、岡山県・熊本県・高知県といった雪と縁遠い地域でも史上有数の降雪を記録し、1月中旬から下旬にかけては九州各地でも積雪するほど。
なんせ種子島や屋久島でも雪が降ったというのですから、その異常さがわかるというものです。
温暖な地域でもこれですから、雪国である北海道・東北・北陸の積雪はお察しください状態。
・長岡市(新潟県)318cm
・金沢市(石川県)181cm
・福井市(福井県)213cm
上記の他のエリアでも同レベルの記録的豪雪が観測されました。
2月に入っても寒波は止まず、阿蘇山(※熊本県)で123cmも積雪したといいます。
山の高さが変わりそうですね(変わりません)。
最終的に4月の半ば頃まで寒波は続き、死傷者や建物の被害、列車の運休などで多大な被害が出ました。
気象庁では「昭和38年1月豪雪」と命名。
世間的には「三八豪雪(さんぱちごうせつ)」の呼び方で知られています。
自衛隊出動で火炎放射器も使われたが
これほどの被害が出た理由の一つには、日照時間の短さもありました。
最もひどいときには、20日間で11.4時間(1日あたり30分強)しか日が差さず、雪が次から次へ積もるという状況だったのです。
ちょっとした雪でも、ほとんど日が当たらない場所ところですと、一週間ぐらい残っていることがありますものね。
自衛隊も出動し、一時は火炎放射器まで使ったそうですが、これはあまり有効とはいえませんでした。
2014年の豪雪時にツイッターで話題になっていましたけれども、熱を用いて部分的に雪を溶かしてしまうと、日没後などに再び気温が下がった際、凍結してよけい危なくなることがあります。
おそらく三八豪雪時も似たようなものだったのでしょう。
しかも地球規模だったようで、この年は他国でも大寒波に見舞われていました。
平年と比較してヨーロッパで10度、北米で7~8度、台湾で5度下がり、代わり(?)にアラスカでは、平均して14度も高い気温を記録したそうです。
北極の寒気が激しく南下して数万年に一度の寒さだったとか。
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