麒麟がくる感想あらすじ

麒麟がくる第1回 感想あらすじレビュー「光秀、西へ」

天正2年(1574年)――。

舞台は、足利幕府が弱体化した時代、京都から四十里の美濃国。
ここから物語が始まります。

整備された田が広がるそこは「明智荘」。一人の青年が歩いております。色鮮やかな衣装で、月代は剃っておらず。

明智十兵衛光秀――。

青年の物語が、今始まります。

 


明智十兵衛光秀、その戦い

何が始まるかわからない。
ぼんやりとしていて、おっとりとしてるようにすら見える、そんな光秀。そこへ野盗がやってくると知り、キッと集中した目線になります。

この目線の切り替えだけでも、長谷川博己さんを起用した意味がある。そう思えます。

野盗は15騎。
物見はもっと少ないと報告していたと、住民がうろたえる。叔父上への加勢を頼むかと言われ、光秀はキッパリと断ります。

15騎というと少ないようで、そうでもない。騎兵単独だけではなく、お供もいるわけですから辛い。

それでも光秀は「地の利」はこちらにある、手筈通りでよいと断言します。

皆、隠れてゆきます。

高低差はあまりない。遮蔽物もさほど多くない。遠くに土埃が、舞っている。となると水を使った罠は厳しいか。

しかも、光秀は与八を気遣うのです。
爺様が手塩にかけて育てた田んぼ。守らねばならないと。

この時点で、光秀の優しさがわかります。こういう将は、むやみやたらと火攻めはしない。被害甚大ですからね。

光秀たちは土手に隠れておりましt。

「かかれーッ!」

カメラワークが緊迫感を見せる中、光秀たちは弓矢を放ちます。そこまで大きくなく、腕力が要求されず、携帯しやすく、コストパフォーマンスもなかなかようさそうなものです。

弓の連射で、馬上の人物を落とす。
馬ではなく、狙うのは人。確かに、馬は無傷でもらったほうがよい。

接近戦になると、光秀は刀で戦っております。殺陣は日本の伝統的なものに斬新さを入れており、蹴りも結構入れております。

鎧の隙間をきっちりと狙う場面もあり、リアリティを感じさせます。いいですね。

野盗は火攻めをしようとしますが、新緑の季節なのであまり効率はよくありません。

ヤツらの狙いは米。屋内戦闘もある! 殺陣がちゃんと屋外と屋内の差を出しているところもイイ!

光秀は小屋の屋根に登り、落ち、米俵に着地しました。

「覚悟しろ!」

そう迫る光秀。
しばしの戦闘の後、頭領は笑いながら、こう言います。

「おい!」

そして長い筒をみせつけ、与八を撃つ!

状況を理解できず、ただただ、見守るしかない光秀。背後で倒れておりました。

野盗は去っていきます。
放火もあり、食料も奪われました。完全勝利とは言えない。でも、敗北でもない。

撃たれた与八の肩には血が滲んでいます。

「大事ないか!」

「火の塊が肩にあったような痛みが……」

「なんだこれは……」

光秀は困惑する。そこへ、野盗に捕らえられていた農民が引き出されてきます。

三河の菊丸です。山菜採りをしていて捕まり、近江に売り飛ばされそうになっていたとか。

「放してやれ」

菊丸はこう告げます。野盗の頭は、火を噴く長い筒を持っていたと。

「鉄砲?」

ずっと自慢していた。鉄の塊を飛ばすもの。堺でしか手に入らない。光秀は気になってきます。

藤田伝吾に、野盗を追い払ったと告げられます。

「我らの勝ちにございます」

「我らの勝ち? 野盗どもはまた来るぞ、そのたびにこのありさまだ! 何度戦えばここを守れる! 何度戦えば!」

明智十兵衛光秀は、故郷を守れぬことを苦しむ。そんな青年でした。

けれども、彼には弱点があります。
光秀は菊丸をあっさり解放しました。もしスパイであれば、どうするつもりだったのか?

善良ゆえに脇が甘いこと。これは大事だとは思います。

そしてオープニングへ。
フォントの選び方、VFXがあるにせよ、実写のように見せる、往年の戦国大河を意識したものに思える。

けれども、ここで手放しに王道だ、古臭いと言ってもよいものかどうか?

その誘導がそうでなかったら、どうなのか。そこは気になるところ。

 


出過ぎるな、空気読め! そう主張したい叔父上

光秀が向かうのは、叔父・明智光安のもと、明智城です。
要求は殿への面会でした。

光安は嫌がる。
要望があればわしがすくいあげて伝える、それがわしの務め。そうキッパリと言い切ります。

カメラワーク、セットの作り、ライティング。全部レベルが高い。これは鉄壁の布陣だ。

野盗のこをと告げても、光安は受け流そうとします。明智の里は国境、野盗に狙われやすいのです。

殿もゆえに配慮してくださる。防衛の予算がつくとか、いろいろ対策はあるのでしょう。それでも明智の一党だけでは守れないと光秀は反発します。

亡き光秀の父は立派だった、国乱れても父のように奮闘しろ。

そういう何の解決にもならないことを繰り返す叔父。殿に会おうなんて調子に乗ったこと。そういう認識がそこにはある。

「よろず出過ぎて、ろくなことはない!」

そう言いつつ、鶯を見守る光安からは現実逃避傾向を感じます。物語は戦国時代のようで、事なかれ主義で、現代にも、いつの時代にも似た人がいる。そう感じさせます。

「あああ〜っ!」

光秀はそう不満を叫び、街へ。子どもが打毱をしておりました。

かなり気合が入っている。こういう風俗再現は手間がかかる。

 


学友とその父と

稲葉山城に向かうと、斎藤高政(斎藤義龍)がやってきました。

「何用で来た?」

光秀は素直に、殿が鷹狩りでお目にかかれるかと思ったと告げます。

父上に用があるなら入ればいい。

そう促されても、叔父上から直々にお会いするのは恐れ多いと止められている、そう戸惑います。

「我が学びの友は相変わらず堅物だのぉ。まぁ中に入れ。俺が許す」

「そうか、おぬしが許すか」

そう言われ、やっと中に入るのです。光秀は真面目なのです。

実は、小見の方が難病でした。彼女は光秀の叔母です。そのせいで、父・利政(斎藤道三)は暇を持て余していると高政はもらす。

その利政は、暇を持て余しつつ、何かの分別を小姓に任せています。

よいものは右。
そうでないものは左側。
槍を振り回しつつ、そう指示をするのです。

分け終えて、小姓を下がらせる。仕事ぶりを見守る細かさがあるんですね。

常財寺の和尚がくれた。珊瑚の玉。いくつあるか?

一体何個あるか?
そう聞かれて、高政はこう言ってしまう。1500か、1600か。

それに対して、利政はあきれます。
そなたでは遠くの敵を見誤る。困った若殿じゃ。そう言う。利政は無頓着のように思えるけれども、どうなのか? 息子を指導したいのかもしれませんよね。

今度は光秀にも同じ問いが投げかけられる。

2000を少々超える。数珠は一連で108、20人分として2160。
そう答える光秀は賢く、兵糧管理や武器管理をさせたい。そういうタイプです。

紛れもなく賢い人物がここにいます。光秀? それだけじゃない、本作の作り手!
こういう説得力のある才知を描ける人間は、その人自身も賢い。あ、演じる方も。

「汝の名は?」

「明智十兵衛と申しまする」

利政は思い出します。正室・小見方の甥。大仙寺で学んだ我が子の学友。『四書五経』を二年で読み終えた。
我が子は七年。それに対して、高政は六年だと苛立ちを見せます。

これは短い会話ですが、結構重要でして。

光秀は、儒教の教典に通暁している。賢いだけなのか、それとも理解して身に染みているのか? 『孫子』のような兵法書ではないこと、ここも大事。

利政は我が子に対してひどいことを言いかねないし、年数を間違えて関心が薄いようにすら思える。即座に訂正する高政は、心理的に傷ついている。

高政は十兵衛が父上に話があると言い、立ち去るのです。

 

光秀のプレゼンタイム「堺&京都旅行にはこんなメリットが!」

利政は珊瑚を投げて、数当ての褒美だと言います。
市場に持っていけば、よい値で売れると。

売ることを前提にしている。あくまで、金銭価値を見出している。相手が大事に持っていることに何の期待もしておりません。

現代人ならば、
「これやる。フリマサイトで売ればいいんじゃね」
と言われるようなもの。

そういうプレゼントの渡し方、どうです? 彼の人物像は細かいところに出ています。

光秀はお願いの儀があり、参上したと切り出します。
直々に不調法だと断っていますが、利政がその辺にこだわる人物ならば、目の前にいる時点で怒っていると思うんだな。彼はそのへんのこだわりが、薄い。

領内に野盗がいると訴えると、利政はそっけなく「光安から聞いている」と返します。光秀はそれはそうだと認めたうえで、昨日は肝を冷やしたと言います。

新しい戦道具を持っていた。
鉄砲――そう告げるのです。

ここで利政は興味を抱きます。南蛮由来のものを野盗が持つ。都や堺、美濃の外にはある。

利政はムッとしつつ、美濃はどうすればいいのかと聞いてきます。

本題に入る光秀。
野盗は何度でも来るし、美濃の外のことも知っている。堺がどういうところで、鉄砲がどういうものか。この目で見て来たい。旅の許可をいただきたい――。

こう言われて、利政はハードルをあげる。
光安は何と言われるのか。そう言ってきます。光秀が、叔父なんて知らねえと言い切るタイプだと、こういう脅しは通じない。

叔父は止めるはず。光秀はそう言う。他の国のことを知るのは、殿だけでよいと言う。

そこは踏まえているとなると、利政はハードルをまた立てる。
旅費です。光安が出さない、ならば貯金はどうかと聞いてくる。正直な光秀は、少々蓄えがあると答えます。

ここで利政は本音を出す。

「旅の許しを出して、わしに何の得があると言うのか?」

「得?」

でた、損得勘定だ。

光秀は旅で知識を得る。でも、じゃあこっちはどうなる? 珊瑚ほどの値打ちもないってさ。win-winに持ち込みたい。いるよね、こういう奴。
珊瑚の珠だって、金の価値しか見いだしていない。僧侶の徳なんてどうでもいいってことだ。

光秀は必ず鉄砲を買ってくると言いますが、利政はそっけない。そこで光秀は押します。

「殿お待ちください!」

ここで持ちかけるのは、医者でした。病の奥方を治す医者を連れてくる。これでどうでしょう?
光秀はパワーポイントを使わない。けれども、プレゼンはできる。そういう人物です。

京都から名医を連れてくるという条件に、利政は心が動かされます。

「旅のかかり(費用)、いくら欲しい? はははははは!」

本当に、本作の人物設定は盤石だ……。

パラメータが見える。
利政は、後天的に色々学んで、損得勘定で生きることにした。そうじゃないといけない。成り上がり者は、そういう割り切り方をしないと終わる。合理主義を貫きたい。

けれども、彼には感情がちゃんとあるのです。冷たくなりきれない。奥方の病のことを持ち出されると、心が動いてしまうのです。

そしてこれは光秀の強みでもある。理詰めでも言えるけれども、最後は心を動かすことで物事を前に進める。

光秀は、賢いだけでなくて、優しくて、共感できる。そういうタイプ。学友の高政も、似ているところがあります。

理詰めで損得勘定ばかりの人間と、共感を求める人間では、どうしたって対立が生じるのです。

 


見えてくる母の姿と、亡き父のこと

さて、明智荘・光秀の館に帰宅です。
ここで彼は、母の牧に報告すべく、背を向けてそろそろと入ってきます。

理由を問われると、彼はこう返します。母に言われた、悪いことをして帰ってきたら、お尻から入って参れと。頭でなく、お尻を叩くと。

母は微笑み、どんな悪いことをしでかしたかと聞いてきます

でも、ここも光秀のうまいところ、ずるいところなんですよね。

犬が腹を見せたら、そこを蹴り飛ばすことのできる人間は、そんなに多くないと思う。ましてや愛犬ならば。

動物だってそういう戦術がある、人間もそう。
光秀は、先手を打って感情を和らげる、そういう才能があるのです。心優しいんですね。

ここで彼は切り出す。
母に相談しないで旅に出たいと言ってきた。堺や京の都に行きたいと告げてきたと。謝る我が子に、牧はいつ出発するのかと聞く。一両日中。そこまで聞いて、牧は告げます。

「それは、お尻を叩かねばなりませんね」

ここで下女の常が草鞋を解いてよいかと尋ねます。こういう細かいセリフもいいですね。

このあと、母の手料理をうれしそうに光秀は食べるのです。常がお湯が沸いたと告げます。

梅干しを詰めたのか? 干し餅は? そう確認しています。

そなたが旅に出ると聞いて、常たちは大忙し。そう牧は言います。あれもいる、これもいる。そう頑張っているのです。
身軽でいいと光秀は言いますが、そうは言うても長旅だと牧は返します。

一月なんてあっという間だと光秀は言う。細かいところで、母の不安を和らげている。そういう気遣いを感じます。

ここで牧は、亡夫を思い出しています。
光秀の父も、そう言ってよく旅に都まで行っていたのだと。

小さな情報のようで大事です。
都にオラオラした者は送りません。歌を読み、教養も礼儀作法もなければ、恥をかくので行けない。光秀には父譲りの才能もあると想像できます。

そしてここで、牧は土岐源氏の血と誇りを強調するのです。

この先、光秀が、

「ウェーイ、俺平氏ぃ!」

「俺なんて、わっかりまっせーん!」

「血統なんかにこだわる奴、バカだよな!」

みたいなことをノリノリで言い出す【英雄】と向き合うとき、どんな顔になるのか。
そこに注目しましょうか。

 

『マッドマックス 怒りの戦国ロード』

かくして出立。
垂井宿で、メモを取る光秀。他の旅人は博打をしながら、堺の刀は宗次郎だと語っています。

琵琶湖は船で越える。
大河で船と言えば、いろいろよろしくないこともありましたが、今はVFXで安心ですね。何気ない移動のようで、伏線にもなるのでしょう。

そして比叡山では、長刀を持った僧兵どもが『マッドマックス』状態だ。

「ここを通りたければ一人15文!」

二重請求されることを抗議すると、ボコボコにされています。縛られてぐったりしている男女もいて、戦国時代の地獄みが漂っている。

これも
「あんな僧兵なんか殺せばいいんだぜーッ!」
となる前振りなのかな?

光秀も、野盗に待ち伏せされるわ。

途中で、縛られて連行される老若男女もいるわ。

出陣足軽がのしのしと歩いているわ。

大変だよ、戦国時代は!

生首を置くか、置かないかで、現場がギリギリで揉めていそうではある。血飛沫もちゃんと出ていたし、どこまで迫るんでしょうね。

そして堺へ到着――。

「なんだここは!」

光秀は驚く。こっちもびっくりだ。
派手だし、メンズメイクしている男性もいるのです。

これ、明言はされていないけれども、男色がある世界観だと推察できますよね。メンズメイクは現代だけのものでもなく、むしろ伝統です。

踊る人もいる。頭に甕を乗せている人もいる。オウムも。黒人のお供を連れた南蛮人もいる。

そして遊女だ。
化粧もまちまちな遊女が、光秀を誘惑するのです。踏み込んできたなぁ……。

「ねえ〜」

「そのような用はないッ!」

「ちょっとぉ、お兄さん〜」

ま、遊ぶにせよお金もかかることですし。
こういうのを見ている子どもにどう説明するのか? そんなもん自分で考えろ! そう投げてきましたねえ。

ここで光秀は、宗次郎の店を見つけます。

「おっ、ここだ!」

ライティングも凝っている、素敵な店内へ。

 


鉄砲をどう使うのか? それとも使わないのか?

鉄砲を売っているかどうか、光秀はテキパキと聞いています。

ここで、三上という武士が小馬鹿にしてくる。そんなもんあるかな、って。隣には、気品あふれる三淵藤英という人物もいます。

光秀は賢いけれど素直すぎるので、斎藤山城守が鉄砲を欲しがっていると名乗っちゃうのです。ガードが甘いぞ!

三上は成り上がりの田舎大名だと、またも馬鹿にする。言葉が過ぎると嗜める藤英。優しいだけでなく、この厳しいご時世にはしょうもないマウンティングしないで、味方を増やしたいのかもしれない。

ここですごいとしみじみ思えたのが、三上と藤英の月代なのです。
洗練性がある。光秀が田舎者ぽく見える。イメージのせいか、月代は省かれがちなこの時代。それが、シティボーイなら月代だと思えるんだから、すごいものがあります。

そして藤英が、鉄砲の試し撃ちをすると言い出しました。誘われて光秀も見に行きます。

ここの装填がかなりしっかりしている。銃器考証を凝っても、そこまで数字につながるわけでもないと、2013年に悲しい証明がされたものですが……それでも本作はやるんだな!

欠点もわかるんですよね。火縄がある。対策なしで雨天では使えないと、見ればわかってしまう。ここで雨対策をするか、それとも採用しないか、分かれ道ではあります。

威力は?
的が割れる。と、藤英は採用に否定的。理由は装填時間です。

藤英はバカ――そう思いますか?
実は彼と同じミスをした人物がいる。ナポレオンです。

武器の歴史では、鉄砲のはるか前から装填時間、威力、命中性のせめぎ合いがありまして。

長弓は連射ができる。

弩は威力が高い。

どちらを採用すべき? という問題は常にありました。

ヨーロッパですと、イギリスが長弓でフランスが弩でした。その結果が百年戦争でも出ております。
序盤イギリスが強かったのは、長弓兵のおかげでした。

『Civilization』でも猛威を振るうユニット長弓兵。そりゃロビン・フッドが英雄になるわけです。

 

で、ここがおもしろいところですが。
そんな連射の強みを知るイギリスは、装填時間を考慮した上で、ライフル連隊採用を世界最初にしているのです。命中率と射程を考えたわけ。

 

そのころ、ナポレオンはこうでした。

「装填時間を考えたら、ライフルなんていらん」

皮肉なことがある。
ナポレオンの名前は大勢知っていても、ライフル部隊を採用したジョン・ムーアのことを知っているのは重度のマニアくらいでしょう。

話がそれましたが、ともかく藤英は愚かじゃない。むしろ極めて常識的な判断であることは、大事なのです。

ここで、思い出しませんか?
スマートフォンのこと。

当初、こういうのは日本人向きじゃない。そう言われてましたっけ。着メロも、デコメも、イルミネーションできないとかなんとか。それが2020年現在、どうなったか……。
人間の予想には限界がある。ここはふまえたい。

ただし光秀は、生真面目でした。ここで「そうか、確かにいらんなあ」とは思わない。ムキになって持論展開するわけでもない。

笑顔で相手に同意しておいて、裏でこっそり入手する。その上であとでなんかやらかす。そういう『真田丸』の真田昌幸じみた気持ち悪さもない。

斎藤山城守が御所望だ。
そう言い切り、絶対手に入れると言うのです。

親切な藤英は、既に注文待ち状態で、二月三月かかると言います。足利将軍家すら一ヶ月待ちだったそうで。

藤英は店主の手前言いにくいと前置きしたうえで、使い勝手が悪過ぎると指摘します。
彼は相手の気持ちを考慮できる、常識的な善人のようです。三上は、美濃の狸撃ちには向いているとからかうのに、藤英は「御主君には見た通り伝えればよかろう」とアドバイスしておりました。

そしてここで、なんだかギラついた男が登場します。

松永久秀だ!

 

ナイスガイ松永久秀、参上!

オラオラした久秀は、宗次郎にイラついています。
どうして、わしが来るとわかっておきながら、将軍家のあいつらとダブルブッキングしたんだ、ってさ。

堺商人は分け隔てないのが流儀だとわかっているとふまえたうえで、あの連中は例外だ、それを知らぬお前でもあるまい、このわしを怒らせて無事に生き延びた者は堺でも一人もおらぬ。そうオラつくのです。

うーん、これはいい松永久秀!
吉田鋼太郎さんは、柳生但馬守(『柳生一族の陰謀』)にも期待ですが。

衣装も、最高!
高級感、オラつき、センス、三拍子揃っていてすごい! そうそう、NHKもストックに甘えてもいられないことですし。

そしてこのあと、衝撃的な久秀スマイル。二パァ〜! それを光秀に向ける。

なんでも、斎藤山城守のファンだそうで。好意を、宗次郎を脅して数挺吐き出させるという脅迫宣言で伝える、そんな久秀。かわいい❤︎ 一家に一人欲しい……わけはないけれども!

でも、謎の可愛げがある。よし、このまま乙女ゲーに行こう!

久秀は、美濃の国も美濃の人も大好きなんだそうです。
下克上仲間意識があるようです。

西ノ丘の油商人からわずか二代で成り上がった、そういうサクセスにシンパシーがある模様。ここで光秀の名前を聞いてきます。やっと名前交換だ。

鉄砲を買うなら大金がいるぞ、ご予算は? そう話を詰めてきます。
殿から預かってきたと聞くと、久秀はお食事デート宣言ときた。

「腹を立てると腹が減る!」
もう、光秀と久秀カップリング宣言待ったなしだな!
そのへん、実はよく知らんけどな!
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