幕末・維新

『八重の桜』の真価とは?明治維新150周年だからこそ見るべき16の理由!

魅力①再評価ラッシュ!それが『八重の桜』

人間の評価とは、生きている時ではなく墓に入ってから定まると言いますね。

これは作品にしても同じことです。
八重の桜』は、再評価されまくり、放映後にうなぎ登りであります。

それはナゼか?

2015年『花燃ゆ』
2018年『西郷どん

この二作の幕末大河が、史上空前の最低クオリティだったからでしょう。

確かに戦国モノでも
『天地人』
『江 姫たちの戦国』
という厳しい作品がありましたが、幕末大河は常にそこそこのクオリティを保っておりました。

その底を……。
2015年と2018年がブチ抜いたァーッ!

そして、この二作に漏れる大河ファンの嘆きは、こんな意見へと収束していきます。

「あぁ、やっぱり『八重の桜』はマトモな大河だったんだ……」
「それに比べたら、花燃ゆとか西郷どんって何なんだよ!」

『八重の桜』の後半である明治編は、確かに前半と比べて面白みに欠ける部分はありました。
それでも!
『花燃ゆ』の明治編と比べたら、考証の正確性、気品、クオリティ、その差は明らかです。

『西郷どん』は、薩摩の特性を描かず、歴史から逃げまくりです。
なにせ主人公サイドの悪事は、
「敵対する勢力がゲスだからだも〜〜〜ん」
の一点張りで、あまりに幼稚というか稚拙な手法。

しかも、ラブシーンだけは長ったらしいくせに、幕末の政治外交を簡略化しまくりで、何一つマトモに筋を追えない崩壊っぷりになっています。

 

会津だけに咲くのではない、その桜

申し訳ございません。
本作の魅力というよりも、別の大河(のような何か)について語ってしまいました。

八重の桜の魅力や特徴について迫りましょう!

魅力②どの勢力にも義がある……幕末、それぞれの義

本作は会津藩の義について描きながら、その暗い側面まで描きあげております。
義ゆえにがんじがらめになり、破滅の道を歩まざるを得ない悲しみ。
そんな義に縛られた八重たちも、後半になると『敵対者にも義はあったのだ』と悟ります。

そうなのです。
京都で起きた「禁門の変」の後、逃げ惑いながら思わず落涙する桂小五郎
西南戦争で、会津を攻めたことを山川浩から詰め寄られ、それに応じる西郷隆盛
誰も彼もが義ゆえに戦い、血と涙を流し、苦しんできた――その結果に勝敗が付いてきたのです。

本作は、そこをキッチリ描きます。

魅力③女として戦を、この世界を生きる、それが八重の道

本作は、幕末という時代を生きた八重の苦闘も描きます。

女だてらに鉄砲をやることに対して、周囲は奇妙な目で見つめます。
父の権八は、娘の才能を認めながらも、そんなことをしても評価されないだろうと苦悩を滲ませるのです。

そう、女は才能を発揮できないという苦しみをしっかり描いています。

八重が
「女のくせに戦おうとするのか?」
と籠城戦で言われ、
「こんな時に男も女もない!」
と啖呵を切る場面は、胸がすくような迫力がありました。

明治以降、八重は銃を知識に持ち替えます。
自分のように枠に収まりきらない女たちが道を切り拓けるよう、導いてゆくのです。

幕末から明治という時代を生きた女性の人生。その苦しみだけではない輝きを、しっかりと描いています。

魅力④映像が美麗! VFXとロケの迫力を見よ

本作は、一目で吸い寄せられるほど奥行きがあり、精密なVFXを多用します。
戦闘場面だけではなく、広大な建物の奥行き表現等も凝っています!

毎年このレベルのVFX、映像美であれば……そう思いたくなるほど、映像が美麗です。

魅力⑤脚本が丁寧、そこには哀切も何もかもがある

脚本家の描き方はともかく丁寧です。
時代考証という枠組みの中で、きっちりとドラマを練り上げる誠意を感じさせます。

会津の駄目なところにも踏み込む、そういう気持ちが実にいい!
考証と人情の細やかさに気を配る、脚本家氏の力量を感じます。

魅力⑥考証がきっちりしている!

本作は、郷土史の専門家がきっちりとバックアップ。
川崎尚之助関連をはじめ、最新の学説を取り入れ、じっくりと丁寧に幕末史の向き合っております。

フィクションだけにアレンジや史実とは異なる部分もあるものの、悪意ある捏造は一切なし!
このレベルで考証をすればまともになるという、大いなる手本を見せ付けております。

魅力⑦新たな魅力が花開く出演者たち

ほんわか癒し系イメージがあった主演の綾瀬はるかさん。
しかし、実は実物に近いモデルガンを持ち、走り回る運動能力とスタミナがあるのは、若手女優で彼女くらいだったそうです!

その能力は見事です。
長刀、銃――どれも扱いが見事でした。

運動能力のみならず、スナイパーとしての目線の鋭さも発揮されておりました。
綾瀬さんがこのあと、アクションに開眼したことは言うまでもありません。

綾瀬さんと西郷隆盛役の吉川晃司さんが出演するファンタジードラマ『精霊の守り人』も、本作の熱演評価があってこそのものです。

松平容保役の綾野剛さんは、これはもう、史上最高の容保像ではないか?と思われるほど本人にそっくりです。
あの苦悩と悲劇的な生涯も見事に演じており、これを超える容保像は二度とお目にかかれないのでは?と思うほど。

徳川慶喜役の小泉孝太郎さんも、多面性のある人物像を見事に演じておりました。

もう書き切れないほどですが、出演者全員の魅力が大きく開化し、桜のように咲き誇った――。
そんな風に大声で叫びたいほど皆さんの演技が見事で、そこだけ切り取ってじっくりと見たい、そんなドラマです。

綾瀬さんは、今なお地元で愛されており、2018年まで「会津まつり」のゲストとして呼ばれるほど。
2018年には、八重を演じた子役の鈴木梨央さんも呼ばれております。

戊辰150年に女優・綾瀬はるかさん 会津藩公行列5年連続参加

作品に注がれる地元からの愛。
これぞ『八重の桜』が得たものなのです!!

いかがでしょうか?
この原稿のために『八重の桜』のことをしみじみと思い返しています。

見終えた当初は不満点もありましたが、戊辰戦争150周年の今年……もうこんな思いしかこみ上げてきません。

『八重の桜』は最高だった――。

本作は、これからも再評価されることでしょう。
それも納得できる素晴らしい作品です。

戊辰戦争150周年の今年、本当に見るべき幕末大河はこの作品です!

※なおチャンネル銀河だけでなくU-NEXTでも『八重の桜』ほか多数の大河作品が視聴できるようになっています。詳細は以下のサイトを覗いてみてください。スマホでもOKですよ。


文:武者震之助

【参考】
NHK八重の桜公式サイト
チャンネル銀河公式サイト

 



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