「幕末の志士たちで最も熱いのは?」
そう尋ねたら、多くの方が西郷隆盛や勝海舟、坂本龍馬と答えるでしょう。
しかし、ここ数年、一部で大いに盛り上がってるのは彼等じゃありません。
◆「岡田以蔵」伝記が突如売り上げ増 ゲーム「FGO」登場で...たちまち3刷に(j-cast)
幕末の「人斬り」と言えば、薩摩藩の桐野利秋(中村半次郎)が知られる一方、龍馬作品に欠かせないキャラとして人斬り以蔵も昔から著名でした。
マンガ『お~い!竜馬(→amazon)』なんかでも際立った人物でしたね。
昨今の世相を反映してか、関連書籍の『正伝岡田以蔵(→amazon)』も一時期はプレミア価格も着くほど売れたという経緯があります。
しかし、岡田以蔵とは一体どんな人物なのか?という疑問も強いようで……。
彼の生涯を振り返ってみましょう。
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岡田以蔵と四大人斬りの確認から
岡田以蔵と言えば、やっぱり「人斬り」の看板が頭から離れません。
そして「幕末の四大人斬り」というキーワードが、頭に浮かんで来られる方もおりましょう。
そこをアヤフヤにしたまま進むのも気持ち悪いので、最初に四名の基礎データを確認しておきたいと思います。
人斬りFile no.1 田中新兵衛
◆田中新兵衛
1832年〜1863年
出身:薩摩藩
身分:船頭の子。商人から武士となった森山新蔵(寺田屋事件に連座し父子で切腹)の持ち船の船頭の子である、と考えられる
流派:薩摩の示現流の一派「薬丸自顕流」とされる
主な被害者:島田正辰、姉小路公知
死因:切腹による処刑、享年23
特徴:幕末前期、薩摩藩「精忠組」が過激な尊皇攘夷派であった頃に暗躍
人斬りFile no.2 河上彦斎(かわかみ げんさい)
◆河上彦斎
1834年〜1872年
出身:肥後藩
身分:茶坊主
流派:片山伯耆流居合術
主な被害者:佐久間象山
死因:処刑、享年38
特徴:華奢な美青年で、『るろうに剣心』の主人公モデルとされる
吉田松陰と東北旅行に行き、【池田屋事件】で犠牲となった宮部鼎蔵に兵学を学び、尊皇攘夷主義者となった。明治時代になってから処刑された。
人斬りFile no.3 中村半次郎(桐野利秋)
◆中村半次郎(桐野利秋)
1838年〜1877年
出身:薩摩藩
身分:薩摩藩城下士の子。同じ上之園郷中には三島通庸(2019大河いだてん・三島弥彦の父)がいる
流派:薬丸自顕流
主な被害者:赤松小三郎
死因:西南戦争での戦死、享年38
特徴:殺人だけの男ではないが、あまりに気性が激しいため「人斬り」扱いされているフシがある。会津戦争では、会津藩側に同情し寛大な処置を願い出るほど、優しい一面も。「西南戦争」は、桐野の暴走が起こしたとされ「桐野の戦争」とすら呼ばれたりする。
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