麒麟がくる感想あらすじ

麒麟がくる第39回 感想あらすじ視聴率「本願寺を叩け」

麒麟がくる第39回感想あらすじ~視聴率は11.4%でした

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麒麟がくる感想あらすじレビュー

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天正3年(1575年)――足利義昭を追い払い、勢力を拡大していく織田信長

しかし、依然として抵抗勢力はいます。

本願寺顕如は、寺領を渡せという信長に徹底抗戦を宣言して、5年間に渡る戦いが続いていました。

天下静謐をめざす信長と家臣たちは、さらなる戦いが続きます。

世界史的にみても、当時は宗教に絡んだ戦争が最高潮とも言えた時代です。

宗教が人心を穏やかにするものなのか? そこには疑問が残るところでしょう。

 


家督を信忠へ

朝廷は信長に対し、権大納言と右大将という武家には異例の官位を授けました。

しかし信長は、岐阜に戻って戦支度を……。帝への情熱はすっかり消えてしまったようです。

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朝廷は岐阜まで三条西実澄を遣わし、どういうことかと問い詰めます。

京には京の理(ことわり)がある――それを伝えにわざわざ来たのです。

なぜ京を離れられた? 右大将に任じられたあとも、任官のご挨拶にも参られぬ。名代として身共がご挨拶申し上げた。これは前代未聞のこと。そう問い詰めます。

信長はシレッと答えます。

武田が美濃に攻め入り、ことと次第では出陣せねばならない。

その返答の態度は、いささか問題ありますね。少しは申し訳なさを出さねばならない場面と言いましょうか。

とことん不器用? それとも敢えてそうしている?

実澄は、もそっと京の朝廷のしきたりに従ってもらわねば、帝を疎かにされては困ると言います。信長は、お越しの儀あいわかり申した、と返す。

いや、わかっているのかどうか。

「まことか?」

疑念を呈する実澄に対し、信長は自分の都合を一方的にガーッと言い出します。

これより先は、京での諸事万端、信忠に努めさせるとして、背後の信忠に挨拶までさせる。

相手の叱責をそのまま利用して代替わりを認めさせる形になっていますね。信忠役の井上瑞稀さんが初々しい跡取りの姿を見せます。

実澄は苦い顔をして、そもそも戦をいつまでするつもりかと問いかける。本願寺との戦が一向に収まらないことを帝も案じているのだとか。

帝と聞いて、信長の何かに火がつきました。

 


なぜ蘭奢待を毛利に?

信長が献上した蘭奢待を毛利に下されたと聞く。

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何故? 毛利は本願寺を裏で支えているいわば敵方。

「そういうお話を聞くにつけ、帝のお姿が遠ざかって見えますが……」

とてつもなく面倒なことになってしまいました。

信長が勤皇であったかどうか、そこは見解が分かれますし、時代にもよるのです。

将軍権力が盤石であった江戸時代が終わり、明治になると、信長は「勤皇」として肯定されます。

明治政府には、ともかく徳川を否定したい意図があった。家康なんて信長のこねた餅をくすねただけの狸だ、信長は勤皇家でえらい!

そんな誘導であり、第二次世界大戦まではそうでしたが、その後は現在諸説あります。本作はミックス路線であると同時に、根底に信長の心があります。

信長はクールで型破りだから天皇すら否定? それどころか、子どものようなピュアな気持ちで傷ついてしまった。

父の織田信秀が尊敬していた帝を自分もそうする。

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そうすれば、きっと愛が通じるはず。それなのに、嗚呼、それなのに、それは結局片想いだった……ハートブレイクですね。

なんだろう、せっかくのプレゼントをフリマアプリで売り払われているのを見つけてしまったかのような。

信長は悲しい。

母に魚を釣り続けても、喜んでもらえない。

父に箱詰めの松平広忠の首をあげても、喜んでもらえない。

公方様にはいろいろ尽くしたのに、結局決裂した。

帝に蘭奢待を贈っても、やっぱり裏切られる。

もう、自分で自分を満足させるしかない!

斬新な安土城を築き、政治の中心にする。天下布武の旗印のもと、目指す世を作る。そんな境地に至ったようです。

心は自分を認めてくれた人に向いていく。

妻であり母のような帰蝶。自分を認めてくれた義父・斎藤道三

その帰蝶と道三に認められた十兵衛――。

信長という哀しき覇王、愛を求め泣き叫ぶ大きな赤ん坊は、一体どこへ向かうのでしょうか?

最終章、岩本麻耶さんと池端俊策さんの連名脚本です。こまやかな細工でありながら、連名であるあたりに興味が尽きません。

 


本願寺に対する天王寺砦

本願寺南に位置する天王寺砦に本拠を置き、織田軍は熾烈な戦いを繰り広げております。

しかし、そんな中、総大将・原田直政が討ち死にを遂げてしまいました。

もはや打って出ることも、逃げ出すこともできない。窮地に追いこまれます。

慎重な松永久秀は、敵は1万3千、鉄砲も1千挺あると告げる。光秀も、天王寺砦は狭く無理があると言う。佐久間信盛は、信長様が向かっているからにはなんとかせねばならないと言います。

本作は無駄がないので、三者のセリフで状況が見えてきます。

松永久秀:物量差を指摘。本願寺側の物量を遮断できないからには、攻め手が不利になるばかりだとわかる

明智光秀:天王寺砦は狭い。狭いということは、物量の確保が難しく、攻め手の装備関連に不備があるとわかる

佐久間盛信:この口調からは、信長のパワーハラスメント気質が伺える

どういうことか?

織田信長といえば、戦国武将人気ナンバーワンで、ともかく戦が強いとされる。その割にはぬかりがある戦をしているとわかります。

しかも、信長にその意見が通じていない……。大敗、惨劇の予感がしっかり出ている。

ここは他の砦と一体になって動くべきだと光秀が言い出し、久秀も賛同します。

斎藤利三藤田伝吾が動き出す。

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その伝吾は、光秀の顔色の悪さを懸念していました。腕を負傷したようで、光秀当人は「大事ない」と言うものの、具合が悪そうではある。

丹波攻めからずっと戦ってきて、疲れが溜まっているようです。

 

信仰心の篤い信盛

「大殿様ご到着、ご到着でございます!」

そう告げられると、軍議の場にセカセカと信長が入ってきました。

染谷将太さんの何がすごいって、和服の所作ができている上で、信長の悪い癖、落ち着きのない動きがちゃんと見えるところですね。もう歩く姿を見せられるだけで不安になってくる。

佐久間信盛が慌てます。

「殿、甲冑もつけず!」

おいおい、何をやっているんだ、信長……。

しかし本人はイライラしながら、床を突ついて苛立ちを隠さない。

「何を手間取っておる!」

そのうえで、原田の家来を呼び出し、家臣の中に一向宗の信者がいると言い出し、殴る蹴るを始める。

「本願寺を攻め落とす気などはじめからなかったのであろう! 言ってみよ、言え!」

信長は周囲に止められ、光秀も原田殿に油断があったわけではないと必死に庇います。敵が思った以上に手強く、鉄砲の数も多い。

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嫌な場面です……。信仰心が責め立てられるとなると、誠実そうな顔の佐久間盛信がどうなるか、この時点で見えてくる。

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信盛は信仰心の篤さがキャストビジュアルでも強調されています。佐久間盛信が悪いというより、信長が無茶振りをする未来が見えてきます。

もう支離滅裂だ。

「数ではない、気合が足りんのじゃ! 信者ゆえに鉄砲をこめぬ輩がおったという、これが本気と言えるのか!」

桶狭間の戦い】では、信長が頭をフル回転させて両軍の兵数を求めていた。

それが今や数字を無視するようになった。危険な兆候です。

 


とっかえひっかえ自ら鉄砲を撃つ

何をぐずぐずしているのか、行け行けと叫び始める信長。皆疲れておりますると反論されても無視だ。そのうえで、これですよ。

「そうか、ならばわしが行こう。いくら数があったとて相手は坊主。坊主に鉄砲だの当たらぬ!」

だからもう無茶苦茶だってば。

敵の中には紀州の雑賀衆が多数います。傭兵として知られた危険な鉄砲集団ですね。

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それに本作の信長は、過去に帰蝶が根来の鉄砲衆を雇ったことで助けられております。あれも坊主だったというのに……。

信長はせめて甲冑をつけて欲しいという要望すら無視して、ズンズンと歩いて行きます。

秀吉も制止も振り切り、戦場へ赴いた信長は自ら鉄砲を担いで何度も撃つ。

ついには左脚に銃弾が当たる。ここで光秀が信長を庇い、地面に伏せさせました。

それでも信長は皆がついていこないことに吠える。光秀はこれしきの傷とジタバタする信長を庇い、砦に戻ろうとするのですが……。

「御免!」

「早う!」

「退けー!」

「離せ離せ離せやめろー、離せー!」

脚を撃たれた信長はそれでも暴れまわりながら、ついには担がれ、砦へ連れて行かれます。

薬じゃ、医者じゃ、そう光秀が指示するのに、まだジタバタと暴れている。まるで子どもになってしまったよう。

最低の上司っぷりを見せつける信長でした。

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