青天を衝け感想あらすじ

青天を衝け第27回 感想あらすじレビュー「篤太夫、駿府で励む」

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青天を衝け第27回感想あらすじレビュー
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経済人大河 一番の見所を完全スルー

栄一のセリフが多くなり、かつ仕草が大仰になってきました。

明治の人には思い難い仕草もどんどん増える方向で不安は募るばかりです。

商法会所の商いに目を向けてみれば、

・具体性がない

の一言。

コンパニーで一体何をどう儲けるのでしょう?

静岡だからお茶的な雰囲気は出していますが、では、今までと違うコンパニーにしたら、どこがどう利ざやが増えるのか。渋沢の取組の何がどう画期的なのか。

経済人を主役とした大河にとって、ここは最大の見所でしょう!

しかし、何もない。

これが困ったことに……演じる方もチンプンカンプンと明かしておりました。

要するに本作は、演じる側が納得できるような説明すらしておらず、だからこそ「主人公補正」で押し切る。

栄一が何か言えば「よいことだ、へへー!」となる。そんな水戸黄門の印籠式システムで押し切るようです。もう九月も終わりですから、残りはずっとタップしていけばクリアという算段でしょう。

かくして主人公補正で、諸々の問題もクリア。

太政官札を交換するため東京へ行き、豪商・三井家で現金に交換してもらいました。

しかし、番頭の三野村利左エ門に額面の2割を手数料としてとられてしまう。そのお金をもって、栄一は肥料屋へ向かいます。

『あさが来た』でもそうでしたが、三井が好きですね。本来、NHKは特定の企業や団体を支援するようなことはルール違反のはずですが、その辺は問題ないのかな。

 


なぜ地元大阪で肥料を買わず五代に頼むのか

現金を得た栄一は東京の街中へ出て、肥料を買おうとします。

なぜ東京なのか?

静岡で得られないなら、どんな作物で、その肥料にはどんな効能が考えられるのか?

蚕ダンスなんかのシーンを作ってる時間があったら、こういう実務的な説明が欲しい。

するとそこへ五代様が登場。

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こちらは稲作用の肥料を買いたいと言ってきました。

大阪で頼まれたそうですが……どうしても違和感が拭いきれない。

関西ではなく、東京で買うメリットってなんなんでしょう?

輸送や倉庫のコストも嵩むでしょうし、思い出すのは処刑前の天狗党が押し込められた「ニシン蔵」です。肥料用のニシンを入れていた蔵ですね。

そういう肥料流通の海運ルートは江戸時代からあり、大阪といえばそんな船運で栄えたど真ん中の商都です。

「そんなんうちらが取引しとるで!」と、大阪商人ならば言い出しそうなものなんですよ。

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なのになぜ五代が、わざわざ自分で肥料屋に出向かなければならないのか。

しかも渋沢と違って五代は肥料のことを何もわかってない。

そんな疑問には当然答えてくれず、五代は「官軍崩れがいる」と渋沢に危険を伝えます。しかも官軍が給料を支払えないから強盗まがいのこともしているようです。

なんだろう。この五代様って昔のRPGのNPCみたいですね。

「この辺りは 官軍くずれがいて 危険だ!」

「話す」ボタンを押せば、何回でも答えてくれそうな……。

NHKは五代様が大好きですが、なぜ五代本人の功績を無視した架空キャラクター状態にしてしまうのでしょう?

『あさが来た』にしても、広岡浅子と五代はほぼ面識がありません。しかし、ドラマではヒロインの夫を食うほどラブラブな間柄にしていましたね。

 


生存者バイアス

五代がその場から去り、街並みに消えたところで、栄一はようやくパリ万博の一件を思い出しました。

頭がキレる設定の人物にしては鈍感すぎやしませんか。

確かに西の五代と東の渋沢は並び称されましたが、無理に絡めるからこうなるんですよ。

はい、ここでほのぼの血洗島タイム。家族愛をアピールする時間です。

大事件で目白押しの明治初期なのに、こんなに毎週ホームドラマをする意図がはかりかねます。まぁ、かわいい子役を出せばそれだけでも話題性十分ですね。

そして成一郎の話題にも飛び、シーンは戦場の函館へ。

高松凌雲の治療が描かれます。

怪我で苦しむ負傷兵が大声で戦況を説明しています。

一方、栄一のいる駿府には、血洗島から妻子が到着しました。

三人での幸せに浸る栄一。思えば史実でもこの辺りから、愛人関係がド派手になっていきますが、その詳細は以下の記事に譲るとしまして。

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商法会所では、武士と商人たちが不満を抱えた状態のまま働き、栄一とその家族は元気はつらつ。意図的かどうか不明ですが、本作はとにかくどっぷり【生存者バイアス】に浸かっています。

栄一の言動はおかしい。

帰国時点ではどうなるのかわからない状態でも、余裕たっぷりで「自分の才能を生かす!」と言い切ります。まるでわかりきっているかのような口ぶりで違和感があるのです。

『麒麟がくる』では、越前に逃れた明智光秀が生活苦でやつれきっていました。

彼の場合「自分はいずれ天下取りをする大名のもとで出世できるほど賢いんだぞ!」なんて自信に満ちていなかったわけです。

現実社会においては、あの反応がどう考えてもリアルでしょう。

しかし栄一は今日も元気いっぱい!

武士は刀を捨ててそろばんを持とう!

商人は駿府を背負う矜持を持とう!

武士も商人も、互いを認め合って生きてゆきましょう!

って、なんなんでしょうか。昭和企業の朝礼?

箱館で苦しむ成一郎や、亡くなったばかりの平九郎を思えば、この方のメンタルが強靭すぎてワケがわかりません。

 

近藤を偲んで散ったはずの土方が

そして思い出したかのように戊辰戦争へ。

市村鉄之助らしき少年に遺品を託す土方歳三です。

思ったことを全て説明セリフで語るところが、もう悲しくて仕方ないのですが、なぜ土方が最期に思い出すのが渋沢栄一の「生きろ」という言葉なのでしょうか?

そもそも渋沢成一郎が横にいることそのものが、土方への侮辱にすら思えてきます。

この土方像も「『燃えよ剣』で補ってくれ!」案件ですね。

 

死を目の前にした土方は、ずっと近藤勇のことを思っていた。

ここで死なねばどうして近藤にあの世で顔を合わせることができようか?

そういう武士の誇りを抱き戦っていました。

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それなのに本作では「仲間」とモブ扱いの近藤さん。思い出されるのは渋沢栄一というこの悲劇……。

※史実の箱館戦争で、土方と隣り合って戦い、親しくしていたのは渋沢成一郎ではなく、会津藩士・秋月登之助です

無駄にモノクロを使ったり、血だけ赤くしたり、死んでいった人々の回想を入れたり、スローモーションにしたり。時間稼ぎをしているようでもう何が何やら。

最近、話のテンポが本当に遅くなりました。

渋沢成一郎の戊辰戦争についても、結局なんだったのでしょう。

彰義隊を描くこともなく、小栗忠順のもとへ向かったこともなし。箱館戦争でも土方の添え物に見えた。

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成一郎のシャウト逃亡から数日後、五稜郭は落ち、戦いは終わりました。

駿府の栄一は、川村と函館のことを語っています。

ここでも誰にも思い出されない永井尚志が不憫で私は泣いてしまいそうです。函館でも一度登場するだけで終了でした。

そして大隈重信邸では、伊藤博文らが大はしゃぎ。

五代らがテキパキと語りつつ、また五代持ち上げトークが始まります。

気になるのは本作の方言指導でしょうか。

複数の方言が混じり合うとイントネーションがみな少しづつ共鳴してしまって、かなり耳に苦しくなってきました。

大隈重信の扱いはお笑い枠なのでしょうか?

要するに「渋沢がすごい!」と大隈が気付く――それだけを描けば十分だから妙なシャウトを繰り返していたのでしょうね。

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