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おんな城主直虎レビュー

『おんな城主 直虎』感想レビュー第32回「復活の火」

更新日:

視聴率の低迷に対し的外れな批判はチョット……

こんばんは、武者震之助です。
まずは以下の記事が少し気になったもので。

「直虎」の視聴率低迷はやはり「女大河」のせい? : 読売新聞

名高いPRプロデューサーに対して、こんなこと申し上げてよいものかと思いますが、「全く中身のない、読むだけ無駄な分析」だと思います。

まず、男主人公の作品でもヒットしなかったものは多いにも関わらず、「女大河」だから駄目という論調がおかしい。
そして作品としてのクオリティにバラつきがある『八重の桜』、『花燃ゆ』、本作を主人公の性別だけで同じくくりに入れるというのは雑過ぎます。

そもそも視聴率ベースで成功かどうかを判断するというのがもはやナンセンス。
BS先行放送、再放送、録画、オンデマンドと視聴手段が多岐にわたる中、「日曜夜8時にテレビの前にどれだけ人がいるのか?」という状況では、正確な判断は下せないでしょう。
純粋に視聴率ベースで判断するならば、『真田丸』ですら成功したとは言えなくなります。

海外では、視聴率ではなく視聴者数、批評家や視聴者評価、そういった総合的な判断で作品の出来を判断しています。
今、大河に必要なのは、女が主人公だと駄目だと叩くとか、視聴率だけで成功したかどうか判断するような雑な分析ではなく、時代にあった冷静な作品評価ではないでしょうか。
そういう意味で、今年は決して低くないと私は思います。

それと、直虎がスカッと「大権力に向かわない」ことに関連して、さすがに的外れ過ぎかなぁという箇所も見受けられまして。

 それどころか、直虎はパワハラ三昧の主君・今川氏真から嫌がらせを受け続けているのに、忠義を尽くそうと必死になっています。

「え~、まだ今川の機嫌をとるの? そろそろ“私、失敗しないので”とか言ってリベンジすればいいのに」

そんなふうにイライラしている視聴者は多いのではないでしょうか。実は私もその一人です。

この批評は、さすがに悲しくなりました。
あくまで井伊直虎は「一介の国衆である井伊家が潰されないよう必死に動いていただけで、親の井伊直盛も親族の井伊直満井伊直親も今川に関わって亡くなっており、心からの忠義を尽くしたシーンは一つもなかった」はずです。それが「忠義を尽くそう」だなんて……って、キリがないですね^^;
遅くなりました。本編へ!

 

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徳川家にも連絡を済ませて準備万端なり

武田と徳川に挟撃寸前の今川氏真
井伊直虎と小野政次は、一度、今川家の徳政令と取りつぶし令を受け入れ、徳川に付くことで井伊家再興を果たそうとします。

今川のくびきからようやく抜け出す希望が見えかけて来ましたが、それでもまだ夜明け前です。彼らの目の前にある闇はまだ深く暗い、というところ。

直虎は井伊家復興計画を、傑山宗俊を使者にして徳川家康に書状で知らせます。この頃、武田信玄はあと十日で今川に攻め込むことを決定したのでした。

徳川家は調略が不調です。
気賀はどうやら頑強に抵抗するらしく、突っぱねられました。
ここで徳川四天王の面々も登場します。

その徳川の元には、井伊が取りつぶされたとの知らせが届きます。

母・佐名井伊直平の娘であり、直虎とは文通友達でもあった築山殿(瀬名姫)。彼女は井伊が取りつぶされ、小野が乗っ取ったと聞いて取り乱します。
思えば瀬名の母は小野政直によって今川に人質にされています。
瀬名は当然、小野を嫌い警戒するわけです。

家康は既に手を打っていました。井伊谷三人衆(鈴木重時・近藤康用・菅沼忠久)に、井伊に攻め入り、政次を討ち取るよう持ちかけていたのです。
瀬名は喜びますが、視聴者の胃はきっと痛くなるはずです……。

 

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家康の苦境を知った信玄は、書状で鼻をかんでポイッ!

そこへ、直虎からの書状も到着。家康は直虎と政次の策を知って喜びます。
井伊は潰れておらず、虎松の首も取られていない。
その計略の面白さに、家康も瀬名も喜ぶのです。

それにしても一喜一憂する家康も、瀬名も、なんとも可愛らしい。
確かに家康は「豆狸」のようなマスコット的愛嬌がありますし、素直な瀬名もツンデレ可愛いのです。
この夫妻がずっと添い遂げていたらば、と思わずにはいられません……。

後述しますが、だからこそ、家康には井伊谷三人衆をきっちりと止めて欲しかった!
勝手に小野を討つな、と釘を刺して欲しかった!

一方、信玄は、家康が調略に手間取っていることを書状で知り、鼻で嗤うどころか、その書状で鼻をかむ始末。

「戦は、一に調略、二に調略でございますからなあ」
山県昌景がそう言うとおりです。そして昨年の真田昌幸の残像が脳内を駆け巡ります。

武田は言うまでもなく、今川に調略の手を伸ばしています。
なんと、今川家の信任を深く得ているあの関口氏経も、既に今川を密かに見限っていたのでした。

 

商人、百姓、盗賊にまで好かれる領主なんておりませんよ

龍潭寺では直虎が徳川からの返答を得て、安堵しています。
直虎は南渓和尚に「政次と会ってきて欲しい」と頼みますが、その必要はありません。

井伊谷城から関口らの部下がいなくなってしまった政次本人が、こっそりと会いに来ていました。

こうして二人の囲碁タイムが始まります。
政次はちょっと殿様気分でえらそうな口調です。それを知った直虎は面白がり、家臣としての口調で話します。
こんなにホンワカしていてよいのだろうか……何故か不安なのです。

直虎は、今回復興がかなえばこの家を政次に譲りたい、と弱音を漏らします。

政次は、商人に領主にと望まれ、潰されるとなれば百姓たちが体を張る、盗賊までもが尼小僧のためならばと、一肌脱ぐ。そんな領主はどこにもいないでしょう、降りる道なんてありませんよ、と優しく諭します。

直虎は思わず感きわまって涙を流します。
よい場面なんだが、よい場面なんだが、死亡フラグをビンビン立てているようなよさの気がしてならないぜ!!
さらには
もう少しすれば日の光のもとで囲碁を打てるなあ、なんて言うから辛い!

これ以上死亡フラグを立てないでください! もう精神力が持たない!

 

「かような時には、“殿のことはもう何とも思うていない”と言うものですよ」

そう思っているのに、場面が切り替わったら政次が自邸でなつとくつろいでいるんですよ。
しかも政次が「この件が片付いたら夫婦になろう」となつにプロポーズですよ。
森下御大が容赦なく精神を鞭打ってくる……!

しかし、求婚されたなつは「本当は還俗した殿と一緒になりたいんでしょう」と確認します。本人も「殿(直虎)に一途な義兄上(政次)ファンクラブ会長」枠だと思っているのです。

これに対し、政次はこう返します。
「幼いころからのびのびとした殿が好きだ。憧れてきた。その気持ちと比べることはできぬ。捨て去ることはできぬ。生涯消えることはあるまい。されど、それとはまったく別の気持ちで、そなたにそばにおって欲しい。そなたを、手放したくはないのだ」

なつはそう言われると政次に寄りかかり「かような時には、“殿のことはもう何とも思うていない”と言うものですよ」と優しくツッコミながら続けます。
「なれど、致し方ありませんね。私がお慕い申しておるのは、左様な義兄上ですから」

さすが「殿に一途な義兄上ファンクラブ会長」。ファンの鑑のような発言で納得できます。

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まぁ、もしも政次が「殿のことはどうでもいい」と言ったらそれはそれで哀しいと思いますよ。
どこまでも一途で誠実で「スケコマシ(直親)」からはほど遠い。
そんな小野政次なのでした。

 

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