『おんな城主 直虎 完全版 第壱集 [Blu-ray]』/amazonより引用

おんな城主直虎感想あらすじ

『おんな城主 直虎』感想レビュー第36回「井伊家最後の日」

こんばんは、武者震之助です。

こんな記事があります。

◆【芸能コラム】視聴率だけでは分からないファンの熱量 「おんな城主 直虎」 (→link

詳細はリンク先の記事をご確認いただくとして、まったくその通りかと思います。
今週も熱量をあげて見るぞ~!!

 

妻の実家・北条家に落ち延びた氏真は絶口調!?

さて、仲間たちを失ってしまった井伊直虎と龍雲丸。
これからどうなるのでしょうか。

脚を負傷した近藤康用は龍潭寺の面々の看病により、やっと回復してきたようです。
直虎は、新たな井伊谷の支配者となった近藤と、話をしたいと考えています。

このあたりから徐々に、本人も気づかぬまま「井伊の店じまい」が始まっているわけです。

碁石を手に、井戸端で井伊のこれまで歩んで来た道を振り返る直虎。
その脳裏には、惨い死を遂げた小野政次と井伊直親の姿もよぎるのでした。井伊を守る為とはいえ、あまりに重い犠牲でした。

一方、戦国大名としては滅亡を迎えた今川氏真は、妻の実家である北条家に身を寄せていました。

今川家を保つべく悩んでいた頃とはうってかわり、憑きものが落ちたような顔です。
こちらが本来の彼なんでしょうね。武田を抑えた義父を絶賛する氏真です。

「流石は相模の獅子でございますなぁ!」

氏康は、極悪人に天誅を下してやったのだと武田のことを罵り、娘夫妻を庇います。
こうなると義元・信玄・氏康が一堂に会して「甲相駿三国同盟」を結んだところも見てみたかったですね。

 

「殿! 殿が立った!」クララモードの近藤は目の輝きも変わる

北条が武田を牽制すれば、信玄も当分は動けないはず。
これでなんとかなったと喜ぶのは、徳川家康です。

そんな家康ですが、妻の瀬名から井伊を見捨てたのかと厳しく詰め寄られ、たじたじ。
「駿府の姫様はよう口がお回りになること」

サラリと嫌味を言いつつ姿を見せたのが、家康生母・於大の方です。瀬名は姑に言い返せず、反省を口にするとそそくさと立ち去ります。

栗原小巻さんの於大は貫禄と迫力たっぷり。この姑嫁の関係が今後、影を落とすのでしょうか。

瀬名が立ち去ると於大はすかさず、お房という侍女を家康に紹介します。
これはお房を閨の相手にと、勧めていますね。この時代の姑は、こういうことができるのだから嫁は大変です。

近藤は直虎と励んだリハビリの結果、立ち上がります。
「殿! 殿が立った!」

『アルプスの少女ハイジ』で、クララが立ったみたいな感動的な場面です。
寝たきりになるかと思っていたと感謝する近藤。家臣も喜んでいます。

第33回で小野政次を罠に掛けた時とは、もう目の輝きが違いますね。

彼の回復を心の底から喜ぶ家臣もいるわけで、彼も彼なりに慕われているのだということがわかります。
橋本じゅんさんの人間味あふれる演技も光っていますね。憎しみを一身に集めた近藤ですが、名誉回復は早そうです。

近藤は、ここで何かを直虎に切りだしたようです。

 

虎松を松下家の養子に……それは常慶なりの償い

近藤の話とは、中野・奥山・新野らの井伊家臣召し抱えたいということでした。

直虎は相手の誠意ではなく、近藤が領地を増やしたのだから合理的であえるという理由で、罠ではないと見抜いています。
彼女の洞察力や人間的な成長が見てとれます。

そこへ松下常慶がやって来ました。
井伊の不遇は自分のせいだと頭を下げる常慶を、直虎は責めません。

「吾が未熟であったのじゃ。お前がそうと言うのならば私も」

本当に直虎は成長しましたねえ。
常慶は、虎松(井伊直政)の実母・しのからの書状を持参しています。

虎松を、子に恵まれない常慶の兄・源太郎の養子にするという案でした。

虎松を松下に寄越せということか、と戸惑う直虎。
そうではなく虎松に松下を捧げるということだと常慶は真摯に説明します。
彼なりの償いなのでしょう。瀬名にせっつかれて、家康が出した救済案かもしれません、

直虎は、答えを出すための猶予をもらいます。

 

「もう諦めちまえばいいじゃないですか」

直虎は、この件を龍雲丸相手にも相談します。
母と暮らせて家を継げるならいい話だと言う龍雲丸に、直虎は「井伊をあきらめたくはないのだ」と反論。

しかし、井伊にこだわればまた誰かが犠牲になるかもしれない……直虎は迷います。

ここで、龍雲丸は「もう諦めちまえばいいじゃないですか」と軽く言います。
「尼小僧様がやりたければやる、やりたくねえならやらねえ。好きにすりゃいいじゃないですか」

龍雲丸のこの誘導には下心があるかもしれません。
直虎の心に、あきらめるという選択肢が生まれました。

龍雲丸は、今度は南渓和尚と語ります。
直虎は幼い頃から竜宮小僧になることを心情として生きてきた、と。自分のやりたいこととしてそう生きてきたのだから、今更自分のためだけに生きられないのだ、と。

「あの人は、ずーっと人のために生きなければならないんですかね」
「わしは、あいつがそういう道を選んだと思うがのお……いや、選ばせたか」

南渓は、そう苦い後悔を口に出します。
彼女の人生を変えて、奪ってしまった苦悩を南渓なりに感じていたのです。

 

井伊家を終わらせる決断に対し、涙を流してキレる直之

その夜、南渓和尚は井戸端の直虎に語りかけます。

「もうやめじゃ、次郎。井伊はここで終わらせよう」

疲れ切った彼女では、もう家の再興なぞできない、と語る南渓和尚。
おとわを次郎にしたのは自分なのだから、次郎をおとわに戻すのも自分のつとめ。政次や直親には謝っておく、と。

「そなたはようやった」
「ご期待に添えず、申し訳ございません」

南渓に抱きつき、直虎は子供に戻ったように泣きじゃくります。

辛かったんですね。ずっと堪えてきた涙が堰を切ったようにあふれます。
がんばった、あなたはがんばったんだよ、おとわ。

直虎は川名の隠し里に行き、井伊谷の人々に井伊を再興しないという決意を語りました。

新たな仕官先を探すように告げる直虎に、中野直之らは怒りをぶつけます。
犠牲になった人はどうなるのか、と。

家を存続したら犠牲者が増える。まだ若い家臣たちが井伊家のために大事な時を無駄にして欲しくないと告げる直虎。

「所詮……おなごじゃの!」

第13回あたりで、直之はすぐそう叫んでいました。

「俺はそのおなごに、一生ついていくつもりだったんだ!」
目を赤く充血させ、本音を叫びます。

「ふがいない主で、すまなかった」

直虎にそう告げられた直之は、こらえきれなかったのか。刀を掴みどこかへ去ってしまいます。

 

「諦めなければ負けない」虎松は納得できない

直虎は次に、虎松を預けてある三河・鳳来寺に向かうのでした。
井伊家が再興されたから迎えに来たのだと、虎松は目を輝かせます。

奥村六左衛門から井伊家再興はあきらめたと聞いても、虎松は納得できません。今まで井伊家希望の星として育てられてきたわけですから、それはそうでしょう。

松下の子になるか、この寺で僧侶になるか。
しかし井伊家の再興だけは、ありえない。

残酷な言葉に虎松は食い下がります。

「殿はかつて言いました。あきらめなければ負けることはないと。あの言葉はどうなるのですか?」
「嘘じゃ! あきらめてこそ、得られるものがある」

虎松は直虎の言葉をそうきつく遮ると、立ち去ります。
号泣する虎松。そこで南渓が戻り、説得すると言います。

南渓はちゃっかりと虎松にこう言うのです。
「あれはもう殿ではない。したがって殿に従う道理はないということじゃ」
さて、虎松はどういう決断を下すのでしょうか。

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