土曜日の再放送に合わせて、大河ドラマ『豊臣兄弟』をマンガで振り返る――。
今回の注目は信貴山城で自爆した松永久秀でしょう。
驚きましたね。おそらく多くの戦国ファンが『まさか、やらんよな……』と思っていたであろう自爆死。
そもそも松永久秀は、なぜあんだけ大和にこだわったの?……ということで、さっそく本編のマンガへ進みましょう!
厠

◆ほんと、ここの座敷牢設定は不思議でした。
もしトイレにも行かせないのが通常であれば、周囲に凄まじい臭いを放つはずで。
要は、厳しい処置ってことなんでしょうけど、それを表現するために小便を漏らさせるとは……。
真作

◆いったい織田信長はどんなルートで本物の平蜘蛛を入手したのでしょう。
今井宗及か、津田宗及か。そもそも、それはホンモノなのか。
あまりに唐突で謎多き展開であり、どこかでタネ明かしされるかもしれませんね。
こだわり

◆松永久秀は動物好きだったんかーい!
いや、ほんと、久秀の大和への執着は凄まじいものがありますね。
筒井順慶を重用する織田信長に対し、二度目の謀反を決行。
「望みがあるなら応えてやる」
史実でも信長からそう諭されるながら、結局、応じることはなく天正五年(1577年)10月、信貴山城と共に落ちていきました。
言ってみれば、最後まで大和の支配を主張しながら死んでいったわけで。
三好長慶のもとで三好政権を支え、大和へ進出してきた久秀にとって、そこは本国、アイデンティティとも呼べる土地だったのかもしれません。
武士の根幹である所領(土地)への執着ですね。
一方、織田信長は、状況に応じて本拠地をころころ変えてしまう、当時としては超稀有なタイプだけに、久秀の本心が理解できなかったのかもしれません。
久秀は高槻の土豪階層の出身とされておりますので、大和へのこだわりは尚さら理解されにくかったでしょう。
贋作

◆見分けがつかないのでしたら、偽物でも十二分に価値はありそうですよね。
千秋万歳

◆近年の再評価により、ボンバーマンからの脱却が進んでいた松永久秀さん。
大河ドラマで爆死させたらどうなっちゃうの?
「そんなこたぁカンケーない!」とばかりにぶっこんできましたね。
やはり松永久秀の最期のセリフ「本物か、偽物か、そんなことはどうでもいい」というのは、平蜘蛛に対してだけでなく「史実か、創作か、そんなことは……」ということも意味していたのかもしれません。
報告

◆後に秀吉が黄金の茶室を作るとき、贋作の平蜘蛛に金箔を塗るってのはどうでしょう?
偽蜘蛛

◆豊臣秀長の死後、自宅の中には大量の金銀が積み上げられていました。
そうした金銭は「奈良借(ならかし)」と呼ばれる高利貸しシステムで貯蓄され、豊臣政権の支えになったとも指摘されます。
奈良借は功罪両面で語られますが、まぁ、いずれにせよ高利貸しですからイメージは最悪ですよね。
なので本作では、奈良借をばっさりカット! この地図のお宝を本当に発見して、秀長の家に置いておく設定にするのでは?とも思えてきます。
少年

◆織田信長が手にしている平蜘蛛は本物なのか?
その問いに対する答えが「楽市で手に入れた……」だったら怖すぎますね。
なんにせよ美術品の価値とは色々と微妙なものだと思います。
松永久秀から織田信長へ献上された「九十九茄子」など、ぶっ壊れてツギハギにされても、今現在、値段もつけられないほどの価値ではないでしょうか。
たぶん、その辺のリサイクルショップに置かれていたら、30円ぐらいでようやく誰かが「爪楊枝入れ」として買ってくれるかもしれません。
まぁ、その程度にしか見えない私の審美眼が稚拙なだけで……こればかりは生まれと育ちに影響されますよね。
秀吉が金箔趣味へ走るのも理解できないでもありません。
ということで、松永久秀にも裏切られる信長ですが、生涯でこうした事態は何度あったのか?その詳細は別記事「結局、信長って本能寺の変までに何回裏切られたん?」をご覧ください。
◆『豊臣兄弟』総合ガイド|秀吉と秀長の生涯・家臣団・政権運営等の解説
参考文献
本郷和人氏『豊臣の兄弟』(2025年10月 河出書房新社)
黒田基樹『羽柴秀長とその家臣たち ―秀吉兄弟の天下一統を支えた18人―』(2025年6月 KADOKAWA)
河内将芳 編『図説 豊臣秀長 ―秀吉政権を支えた天下の柱石―』(2025年3月 戎光祥出版)
文:五十嵐利休
【参考】
豊臣兄弟/公式サイト

