まんが日本史ブギウギ

まんが日本史ブギウギ200話|田沼の苦悩は報われず 恩を暗殺で返される

2021/04/11

江戸時代の賄賂政治家として、かつては悪人の代名詞であった田沼意次。

最近、その評価が非常に高まっています。

順を追って見て参りますと……。

食うや食わずの戦国時代は、生活の中心がほぼ米で回っていましたが、江戸時代に入って商工業やサービス業も発達してくると、人々の消費先は各種方面へ向かいます。

貨幣経済の発達ですね。

給料の基盤を【米】に頼っていた幕府や全国の大名は、それをいったんお金に換金するシステムに取り組まれている時点で不利であり、米の収穫高と物価や、税金などのコストを考えると、もはや限界に達しようとしていました。

もはや米の時代ではない――。

田沼意次と田沼意知の親子はそこにメスを入れ、商業での税収でもって幕府の財政を安定化させることに注力したのです。

これは確かに現代から見れば筋の通った取組です。

しかし!

いつの時代も新しい考えは、平々凡々な庶民に伝わらないようで。

なんとも悲惨な結末となった田沼政治の締めくくり……マンガ『日本史ブギウギ』第200話スタート!

 


田沼の苦悩

◆商活動の活発化と、そこから上がる税収入――幕府や大名の財政安定化。

【重商主義】と呼ばれる田沼意次の政策が、現代では評価が高まるのもわかりますね。

一方「新しい」「自分が見たことない」というだけで反発する人は多いものです。

当時もそうだったのでしょう。

 


大飢饉生存組

◆田沼意次にとって不幸だったのは、この時期に【天明の大飢饉】が発生してしまったことでしょう。

日本は浅間山噴火、欧州はアイスランド噴火の影響で、全世界的に天候が悪化。

幕府や諸藩の備蓄米対策は十分とは言えず、多くの死者を出してしまいました。

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田沼二世

◆二世というだけで「頭の悪いボンボンじゃないの?」と思ってしまうのも、また人のサガ。

しかし、この田沼意知は決して愚人ではなかったようで。

当時の在日オランダ商館長・ティチングが「父親の田沼意次は高齢だから、さすがにこれ以上の活躍は難しいけど、息子の田沼意知の時代に、改革を進められるんじゃない?」と『日本風俗図誌』に記しています。

まさか息子のほうが評価されていたなんて。しかも200年も前に。

ところが、その意知が非業の展開を迎えることになるのです。

 


ある決意

◆ちょっと危ない人に見える、この佐野政言(まさこと)さん。

当時は旗本でしたが、そのご先祖様を辿ると佐野源左衛門常世に着きます。

源左衛門とは、北条時頼を助けた人で、つまりは鎌倉時代から続く名門だったのですね。

しかも、家系的に田沼親子は佐野政言の家来筋にあたるという、なかなか複雑な状況でした。

 

暗殺

◆そして天明4年(1784年)3月24日、事は起こされます。

佐野政言は江戸城内で田沼意知を斬りつけ、重傷を負わせたのです。

すかさず政言は揚座敷(あがりざしき・高位の旗本や僧侶などを収容する施設)へ送られ、田沼意知が亡くなると、切腹を命じられました。

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世直し大明神

◆息子の田沼意知が暗殺され、悲嘆に暮れる田沼意次。

世間は、あろうことか佐野政言を「世直し大明神」として称え、ついに田沼の心はポッキリ折れました。

そして次にやってきたのが……。

 

十一代目

◆将軍様なんだから、体はとにかく丈夫なほうがいい――そんな常識をひっくり返してくれるのが徳川家斉さんです。

なぜって?

それは家斉さんの生涯を振り返ればご理解いただけるはずで……。

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田沼に代わって政治を担ったのが、家斉とは性格真逆のカタブツでした。

 

清き白河

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せっかく田沼親子が進めた重商主義も、瞬時に瓦解。

幕府も諸藩も財政が改善することなく幕末へと向かってしまうのでした……。


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著者:アニィたかはし
文:五十嵐利休

【参考】
国史大辞典

武将ジャパンで新感覚の戦国武将を描いた『戦国ブギウギ』を掲載!

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アニィたかはし

漫画家。現在は武将ジャパンにて、まんが『大河ブギウギ べらぼう編』シリーズを連載中。 2014年より歴史漫画家として活動を開始し、2015年には連載作品をまとめた商業コミック『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社)を全国発売。 以降、独自のポップ表現と歴史知識を融合させた「ブギウギシリーズ」を継続し、戦国・江戸・幕末など幅広い時代を題材とした作品を制作している。 2024年からは大河ドラマの各回を題材にした“ドラマ考証型マンガ”へと表現領域を拡大し、作品の幅をさらに広げている。 ◆主な著書 『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社、2015年、ISBN:978-4865370324) ◆国立国会図書館データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001200494

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