こんばんは、武者震之助です。
武田信玄、そして徳川家康の脅威が迫る今川。
寿桂尼の予想通り、密かに今川を裏切り徳川についた井伊直虎。
直虎は本心を隠し、今川の命じるまま戦争準備をし、そして小野政次もまた本心を隠して直虎を裏切るふりをする。本音を押し隠したそれぞれが、思惑を秘めてこの難局を切り抜けようとしています。
嘘をつくのが苦しい。心が痛む。それが昨年の真田とは違う、今年の井伊の人々です。
駿府では小野政次、瀬戸方久、井伊谷三人衆らが、騒然とする最近の情勢を語り合います。
説明的な台詞を自然と会話に織り込むのが、今年の丁寧さですね。
寿桂尼が各国衆面接後作った「死の帳面(第28回)」が話題にのぼり、気にする様子の政次……わざとらしく「井伊を乗っ取る気のある私としては残念です」とアピールしております。
アピールしないと視聴者も忘れてしまいますからね。
『おんな城主 直虎』感想レビュー第28回「死の帳面」
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井伊谷三人衆でも一番のもみあげと熱血を担当する近藤康用は「フーン」という目で見ています。これも後の伏線でしょうか。
そんなとき、方久が呼び出されるのでした。
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氏真から人参ぶら下げられて、方久が断れるハズもなく
戦支度で儲かり、笑いが止まらない方久。
そんな彼を呼び出したのは、なんと今川氏真その人でした。
井伊に徳政令を出すかわりに、瀬戸の領地を安堵すると持ちかけます。
自ら酒まで注ぎ、懐柔する気まんまんの氏真。懐柔するだけではなく、断れば斬る気もまんまんでしょうね。
兵力で圧倒するわけではなく、財政難で井伊を潰し、直轄領にすることにした、と。
断れるはずがない、方久です。
氏真も吹っ切れたのか、悪い笑顔を見せてくれます。
そしてこの会話で気になるのが、政次が直虎の関係です。
政次が注意を払って不仲を演じてきたハズなのに、両者は「同じ穴の狢」と今川に見破られていたのです。
他の者はともかく、寿桂尼がそれを見抜けないはずはありません。
どうする、政次!?
「とても鋭い人は本心がわかるけれども、そうでない人はわからない」
この政次と直虎の関係。今後、二人に暗い影を落としそうです。
政次は、直虎の面接内容がどうしても気になって……
井伊ではせっせと戦支度に取りかかっています。
嘘がつけない中野直之と奥村六左衛門は、徳川と結んでいることを政次に見破られないかと冷や冷や。
駄目です、この人たち。策略に対して耐性が完全にゼロです。
直虎らは、やる気がないと見られないよう、ほどほどに頑張ろうな、と確認します。
直虎は政次と二人きりになると「いっそ政次は味方ってバラしちゃおっかな」とつぶやきます。
「それでは駄目だ」と言う政次は、まさか寿桂尼経由でとっくにそのへんが今川にバレているとは思っていないでしょうね。
あぁ、なんだか悲劇のフラグが着々と立てられているような。
直虎と政次は『あと少しで今川配下から逃れられるはず』といつもの井戸端会議をします。
政次は直虎に、寿桂尼との「面接試験」(第28回)について確認します。
直虎は特に引っかかることはないようだ、もう時も経っているし疑いなしということではないか、と楽観的。
しかし政次は気になる様子です。
挙動不審な方久 政次がこれに気づき……
その頃、気賀では井伊を裏切ろうと方久が挙動不審になっております。
直虎は気賀に向かい、方久の元に向かう前に龍雲党と再会。
材木を方久が買い取ろうと要求しないことに引っかかるものの、直虎はさして気にしません。
方久は仮病を使い、直虎との面会を避けようとしますが、直虎に腰が痛いのか気を遣われると「治りましたああああ!」と、誤魔化そうとします。
あきらかに挙動不審の方久ですが、直虎と直之ではそれ以上突っ込まないんですよね。
前回や前々回での寿桂尼、武田信玄あたりと比べると、知略の差が際立ちます。
しかし政次は、直虎から方久について聞き、何か不穏な策略に気づきます。
この、各人の知略格差をはっきりと見せるところが、本作の良さではないでしょうか。
どうやら今川では政次にも告げずに、何かを動かしているらしい。政次は目を泳がせ、囲碁をやめると井戸へと向かい考え込みます。考えが浅かったために、直親を死なせてしまったという負い目を抱える政次。もう二度とそんな思いはしないためにも、先に動くことにします。
一方で氏真も、関口氏経を井伊谷に派遣し、次の一手を動かすのでした。
一計を案じて方久のヒミツをGET!
気賀では関口氏経に気をつけろと言われた方久が、龍雲丸に頼んでしばらく姿を隠そうとします。
龍雲丸は護送を引き受けます。
が、その前に三河のさる武家に会って欲しいと交換条件を出します。
ノコノコと龍雲丸のあとをついていく方久。そこに待ち受けていたのは、政次でした。
引っかかったあああア!
焦る方久。しかしそのうち腹をくくります。
政次に挑発されても動じないあたり、方久は六左衛門よりは上です。
龍雲丸は、方久がかばう腰から、今川の安堵状を抜き取ります。
そこには徳政令の実施や方久の所領安堵について書かれておりました。
政次が知った、井伊潰しの計画は以下の通りです。
【百姓の借金を帳消しにしながら、井伊から債務を取り立て、それをかたに井伊の土地を取り上げる】
龍雲丸は方久の裏切りに激怒します。
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