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西郷どん感想あらすじ

『西郷どん』感想あらすじ視聴率 第23回「寺田屋騒動」

更新日:

こんばんは。武者震之助です。
先週、
「『ロマンシング・サガ2』で譬えると、アリの巣穴を塞いだだけの西郷どん
と書きました。

西郷どんが場当たり的な対応をしたことは全く役立たずだと今週証明されてしまいます。

いやあ、ひでえっすよ。
本作制作者は西郷隆盛に何か恨みでもあるのでしょうか……。

先週はいろいろと力尽きましたが、心を入れ替えて頑張ろうと思います。チェストー!

【第23回の視聴率は13.4%でした】

 

さすがに綺麗事をプッシュしすぎでは

島から戻ったかと思ったら、いきなり久光の意向を無視して京都入りした西郷どん。

賽の河原の石積みというか、ありの巣穴を埋める作業というか。
死ぬかもしれない状況で京都までいっておいて、説得失敗です。

大久保一蔵は、西郷どんを探してウロウロ。

西郷どんは呑気に食事中でした。

ここで出てくる「過激な志士」という用語には問題がありそうです。
ナゼ「尊王攘夷派」と言わないのでしょうか。日本史の勉強をしようにもポンコツすぎるでしょ。

しかもこの説得があまりに馬鹿馬鹿しいのです。

日本を変えるとか、ホントしらじらしい。
後に江戸でのテロを実行した「薩摩御用盗」。その煽動したの誰なの?って話で、「日本を……」うんぬんの話は綺麗事にしかなりません。

相楽総三と赤報隊は時代に散った徒花~西郷隆盛に見放された草莽の志士たち

 

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島で習ったやり方と仰っしゃりますが

しかもここで芸者を呼び、【わっぜ楽しそうなBGM】をかけて、うまい飯食ってるのがなぁ。

飲んで唄って腹を割るのが島で習ったやり方と言っておりますが、遊んでいるお金の一部には黒糖地獄で絞った分も含まれているわけです。

西郷さん、どうしちゃったんですか?
大島で何してました?
あの搾取に気づいて震えた思いをひっくり返してどうするんですか?

たしかに史実の西郷は、奄美大島について憐憫の情を持ちながら、それでも薩摩より下に見ていたスタンスです。
本土に戻ってきて何かをしてても奄美に後ろ髪を引かれるような思いは薄かったはず。

しかし、このドラマでの西郷は違います。
本心から奄美大島のことを救いたい、普通の薩摩藩士とは違う――そんなステキなお侍さんでおりました。

それが、舌の根も乾かぬうちに京都で贅沢ドンチャンしてるわけで。
愛加那さん、泣いてまっせ。

史実を曲解した歪みがどんどん漏れ出てきちゃってるんですよね。

なんなら久光に会ったとき
「斉彬様にはできんなかった奄美大島の待遇改善を」
とかぐらい言っても良かったのでは?

それが『西郷どん』で描かれていた吉之助の【奄美大島・基本スタンス】では?

 

なんぼ刀を突き出しても、どうせ刺さない

ここでまたボソボソと、暗い照明で雰囲気出しつつ、西郷どんと大久保の中身のない会話が続きます。
いくら深刻な顔をされても、中身がなければなぁ。

ここで大久保が、突然刀をつきつけます。

もう、毎回毎回、この手法ばっかりで緊張感がまるでナッシング。
本当にこのドラマは、銃だのピストルを人に向ける行為が大好きですね。

それが、かえって、ダメにしています。

薩摩藩士に刀を持たせて脅させるって一番やってはいけない演出。薩摩藩士なら、抜き身を持ったらだれかを殺すか、殺されるかなんです。

過去に、こうした場面から簡単に人を殺めるシーンがあれば、まだマシなんですけどね。
『うわっ、薩摩はやっぱりこぇえわ、ゴクリ……』というコンセンサスがあれば、大久保が吉之助に刀を突きつけるシーンも緊迫感に満ち溢れていたでしょう。

しかし、現実はさにあらず。

なんも怖くない。

1ミリも怖くない。

だって、やるわけねーじゃんって、まず真っ先に思っちゃうんだもん。

今回は、耳に刀をぶっ刺して血をダラダラ流させるぐらいじゃないと意味がなかったのでは?(グロいシーンの是非はさておき、例えば長渕剛さんのドラマ『とんぼ』での耳削ぎシーンは衝撃的でした・狂気を感じたものです)。

大久保が西郷の耳を切って、それで1ミリも動じない西郷だったら、そりゃもう二人の覚悟のほどを感じさせられるでしょう。
がぜん魅力が出たハズです。
※そういう衝撃シーンを流せということではなく、二人の覚悟を視聴者に見せられればなんでもOKです

 

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新八の腹が鳴る

そもそも本当に武器の怖さを知る人は、軽い脅しで刃物を振り回したり、銃をつきつけたりしません。
事故が起こったことを考えて、こういう馬鹿みたいな脅しはしないのです。
カッターナイフを振り回す不良少年じゃないんだから……。

朝ドラを持ってきて申し訳ありませんが、私の頭の中の秋風羽織先生(『半分、青い。』の漫画家)が、ものすごい勢いでダメ出ししています。

「だめだ、こんなものはだめだ、二人の関係性をちゃんと描いて来なかったから、顔を近づけようが何も! 視聴者は何も感じないんだ!」

なんせ、この後もマヌケな場面でして。

村田新八の腹が鳴って、ダラダラとゆうの前ではしゃぐ薩摩隼人たち。

こんな薩摩隼人に倒される会津藩に同情したい。ナゼ『八重の桜』を再放送しないのでしょうか。

ここで有村俊斎が出てきて、話は再び、西郷どんが生きるか死ぬか。

要は、西郷が京都にいることを有村がうっかり口を滑らせたということで、緊張感のなさがどうにもならず口あんぐりです。
有村、何やってんのよ!

 

ケンカは止めてウナギを取ろうってバカけぇ!

そして話は再び切腹沙汰へ。

西郷どんが切腹するかもとわーわー騒ぎます。
って、もう何度目? いい歳こいた大人が腹が減っただの、泣いてばかりだの。

精忠組というか保育園児じゃないですか。
『ゲーム・オブ・スローンズ』なら有無を言わさず全員瞬殺されてますよ。

んで、ここで、喧嘩はやめてウナギ取りをしよう、と……ああ、もう……何これ?
喧嘩はウナギ取りで決着をつけるとか言ってますが、視聴者にケンカ売ってるレベルだっせ。

奄美大島でもビーチリゾートで狩猟ライフ満喫して楽しいとか言っていたし。
こんな調子なら、釣り人万歳でも代わりに流せば?という。

わかりますよ。
郷中仲間の絆をプッシュしたいのでしょう。来るべき寺田屋事件(寺田屋騒動)に合わせて描いておきたいのでしょう。

なぜ、それをわかりやすすぎる直前でやるのでしょう。
今までロクに郷中の絆とか見てなかった気がするんですが。
酒飲んで騒ぐだけで人間関係が構築されるのは、チャラい大学生レベルですよ。

男を裸にして串に刺したうなぎを食わせ、ジャニーズ錦戸さんをおんぶさせれば絵になるとか、そんなこと思っていません?って、さすがにウンザリです。

西郷どんがまたみんなでうなぎ取りたいとかドヤ顔もマヌケすぎます。
あんだけ「日本が」とか言ってたのに、実際は国をよくする気がナッシングかーい!!

 

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有馬から全力で引き離すのが筋では

こうしてダラダラとうなぎコントが流れ、また8時40分から
「2分で寺田屋事件」
でも流されるのでしょうか。

西郷は、島津久光の手の者に捕まってしまいます。

しかもまたもマヌケすぎることに、こんな不穏バリバリな有馬に「やっせんぼの弟を頼む」と預けてしまうのです。

なぜ、わざわざ有馬に預ける?
どう考えてもヤバイじゃないですか。

史実で西郷従道も寺田屋事件にいたから――とか言われたらそうなのかもしれませんが、少なくともドラマで西郷が託すのはおかしいでしょう。
緊迫した情勢をまるで理解できていない証拠じゃないですか。

わかりますよ。
こうやってみんなで楽しく過ごして、うなぎをとったいい日だったのに、最終的に身内の殺し合いで死んじゃって悲しいねえ〜って、やつですよね。
もう狙いがダダ漏れ・下手クソすぎて、笑いがこみあげてきます。

そして西郷どんが久光の前に来るわけですけど、こんなことで盛り上げても面白くはありません。

昨年の『おんな城主直虎』では、井伊直虎が今川方に呼び出される展開がありました。
あれは、主人公がここで死ぬわけがないという結果はわかっています。
それでも面白かったのは、直虎が絶体絶命の危機の中、家臣に変装する奇策を思いついて実行したから。視聴者を騙したから。

西郷どんには、そういう技巧がないのです。
毎回毎回、深刻な顔をして【わっぜよかBGM】かけながら、綺麗事をくっちゃべっているだけ。

さすがに私の中で疑問も芽生えます。
ひたすら同じことを繰り返して、送り手としても、いい加減、飽きてきません?

はっきり言って最近は、命のヤリトリとは程遠いはずの朝ドラのほうが、大河よりもずっとずっと緊迫感があります。
要は面白い。

 

あらためて疑問「西郷どんって必要すか?」

それと、これをいっちゃおしまいですけど……。
やっぱり、西郷どんがそこまで大事な理由がわからない!

知識が豊富なワケじゃない。
相手を丸め込む口八丁手八丁の外交が得意なワケじゃない。
武芸が優れているワケじゃない。

もう、このひとが切腹しても何も思わないんですよ。

んで結局、島送り。
まずは一時的に薩摩へ戻されることとなりました。

史実通りではないからダメなのではなく、史実無視しながら史実よりドラマチックじゃなくてツマラン。
まさにこの典型が本作でして、史実での西郷と村田には同行者がおり、大変な悲劇に遭遇しているのです(後述)。

そういうのをちゃんと描かないからダメ。
臭い演技でお虎が急に追いかけて来る場面とか、別にいらんから。

 

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孝明天皇は、長州や薩摩にとって厄介な存在だった

そして数日後、近衛忠房邸。
久光は、不逞浪士を取り締まれとの詔を賜りました。

ここでちょっとだけ孝明天皇が出てきます。

孝明天皇の考え方は、薩摩や長州にとって厄介です。
ですから、カットされがち。
会津の場合は、逆にじっくりと描くのですが。

本作も、この点やっぱりダメすぎです……。

西郷どんがいないから、天皇の期待に応えて、久光が悪いことしてダメになっちゃうんだ、って最低最悪の捏造すぎて頭痛が。

そもそも不逞の浪士って連呼されますけど、彼らが何をしようとしているのか?
孝明天皇が、ナゼ彼らを嫌ったか?

ドラマを見ている限り、わからないですよね。

彼らに問題が大ありだったからですよ。
具体的に言いますと。

・テロを企画している
・外国人殺傷イケイケ! で、その弊害が甚大
・外国人だけではなく、開明的な開国派も殺しまくる

こういう、一ミリたりとも擁護できない酷い所業をしているからです。
本作では国を思う熱血兄ちゃんたちで、いじめる久光が悪いってことになっていますけど違うんです。

このあたりも、尊皇攘夷思想の弊害を描いた『花燃ゆ』以下なんだよなあ。

孝明天皇を知れば幕末のゴタゴタが超わかる!謎に包まれがちなその生涯&御意志とは?

 

自顕流同士の激突 その凄まじさに期待していたら……

で、なんだかわからんまま、わっぜかなしかBGMかけて寺田屋事件へ突入。

「いこうかーい」
と軽いノリで鎮撫使が突入するのも最低です。
幕末最悪の同士討ちなのに、なんでこんなぬる〜いノリなのだ!?

はよう、キエエエと叫び、斬りあおうってば!
ゴールデンカムイ』の鯉登少尉くらい、いきなり切り掛かってほしいものです。

もう34分だよ! 血が一滴も流れていないってどう言うことですか!
レッツ猿叫タイムだよ!

いやあ、もう殺しあうしかないのにさあ、何ちんたらしているんですか。

『真田丸』の室賀暗殺が懐かしいなあと思っていたら、やっと斬り合い。
でも誰も猿叫しないので不満だらけです。

あのね、自顕流同士の立会いって相当アクションとしてはおもしろいはずなんですね。
自顕流なのに受け止めるわ(受け止めたら刀ごとめりこんで死ぬのが自顕流です)、猿叫はないわ、全然ダメ。もう、絶望的。

有馬の「おいごと突け!」も、いまいちです。
本作にしては頑張ったけど、なんでこんな陳腐なのでしょうか。

もう一から十までダメです。何もかもダメ、ダメだダメだダメだ、どうしたらこんな寺田屋事件になるんだ!

薩摩隼人をこんな軟弱に描きおって。
しかも途中で、大山が「おはんらと戦いたくなか!」とか言い出す。

薩摩隼人を何だと思っているのか。

そりゃあの「桜田門外の変」よりはマシですけどね。
もう、ダメです。本作、寺田屋すらこれでは、今後の幕末イベントに関して何の期待もできません。

幕末の屋内戦闘の殺陣ならば、『八重の桜』のほうがずっとよかった。
しかもラストで三線を弾いているという。間抜けな西郷どんなのです。

薩摩示現流&薬丸自顕流の怖さ、知ってます? 新選組も警戒した、一撃必殺「一の太刀」

 

MVP:秋風羽織先生

自分にも他人にも徹底した厳しい創作論で、朝ドラ『半分、青い。』に緊張感をもたらす、豊川悦司さん演じる漫画家。
脳内でずっと彼が駄目出ししてくるので、MVPにせざるを得ませんでした。

彼の厳しさは筋が通っていて、ムカつくときもあるけど、基本的には背筋がシャキッとなる場面が多いです。
へたな幕末大河よりずっとキビキビしてますよ。

 

総評

今日のラストなのですが。
西郷どんが三線を弾いていると、悲報が届くという場面ですね。

実は、史実はもっと劇的です。

西郷と村田が事件について知ったのは、鹿児島の港に係留された船の中でした。
そのとき、彼らには田中新蔵という同行者がいたのです。

田中の息子は「寺田屋事件」で捕縛され、20才という若さで切腹させられました。
田中は、涙ひとつ流さず、この訃報を聞いていました。

そして西郷と村田が目を離した間に、切腹してしまったのです。

田中父子は商人あがりで士分に取り立てられており、そのため人一倍武士らしくあれと願っていたそうです。

いい話でしょう?
まさに悲劇でしょう?

これぞ、人の心を動かす史実です(詳細は以下の記事に)。

史実がこんなに劇的なのに、ドラマでは三線をペンペン。

「どういうことなんだあ! この史実から、プロットを膨らませられるだろう! 視聴者の心を打つのは、こういう史実の積み重ねなんだああっ!」

ついに、脳内で秋風羽織先生が暴れ始め、わけのわからないことに。皆様申し訳ありません。

史実を変えたら絶対にダメということではありません。
『おんな城主直虎』の小野政次は、従来の見方から大きくひねった結果プラスになりましたから。

問題は、本作のように、素晴らしい史実を腐らせてダメにしてしまう作品なのです!

西郷2度目の流刑「沖永良部島」ではどんな生活だった? なぜ再び薩摩へ戻れた?

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【編集部より】

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