ミケランジェロ

ダヴィデ像/photo by David Gaya wikipediaより引用

イタリア

天才ミケランジェロの生涯~世界一の芸術家は家族や教皇に振り回され

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手紙~父から~

「お前の弟たちは、お前が稼いだお金をもらって店を始めると言っていたのに、ロクに働きもしない。ワシも病気になってしまって、本当に困っている」

この一通で、自身の厚意が無下にされていることを知ったミケランジェロ

残念に思い、父への返事と弟への手紙を書きました。

その手紙の内容がまた、芸術家には似つかわしくないというか……「コイツ怒らせたらアカン奴や」と思わざるを得ない文面でした。

 

手紙で喝っ!「人の皮をかぶった獣か?」

手紙はどんな内容だったのか?

「父宛」
「弟宛」

でザッと概略をマトメましょう。

手紙~父へ~

「ここ10年で一番イヤなニュースでした。本当は(皆の暮らしている)フィレンツェに行って段取りしたいのですが、仕事があるのでそうもいきません。弟には私から手紙を出しておきます。もしそれでもダメなら、教皇様にお休みをもらってぶん殴りに行きますのでお知らせください」

手紙~弟へ~

「父さんから聞いたぞ! お前は根っからの悪人ではないはずなのに、何をサボって父さんを困らせているんだ! お前は人の皮をかぶった獣なのか? 誰でも自分の父親が脅かされれば、報復のために命を賭するものなんだぞ」

とまぁ、半ば脅しの入った手紙ですね。

とはいえ、ただ怒るだけではありません。

「今から悔い改めるなら、またお金を出してやるから」とも書いていて、怖いんだか優しいんだかわからない。

 

絵画は苦手意識があったと言うが

天井画の進行が決して順風満帆ではなかったので、そのストレスもあったでしょう。

それまでミケランジェロは彫刻家としての活動が多く、絵画に対して苦手意識がありました。

しかし教皇からの依頼では断るわけにもいきません。

そこでアシスタントとして若い画家を5人ほど雇ったのですが、あまりに出来がひどいのでブチキレてしまい、結局自分ひとりでほとんど描くことになったのです。

そりゃあ、あれだけのものが描ける人から見れば、世の中のほとんどの画家は役立たずですわな……。

この天井画では「アダムの創造」といわれる部分が有名です。

アダムの創造/wikipediaより引用

今回は「太陽、月、植物の創造」をご紹介しておきましょう。

 

思わず笑いを誘われる後姿

「太陽、月、植物の創造」とは?

その名の通り、神が右手で太陽・左手で月を創造して、素早くどこかへ去っていくというシーンです。それが、思わず笑ってしまいそうな「お尻に目がいってしまう」作品でして、こちらです。

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